また仲良くしようよ。
朝の会も終わり1時間目までの休み時間になった。
「あ…あの…」
私は切れ長の目の少年の机まで行くと前にたち、もじもじと言葉を絞り出す。
駿くんじゃなかったら、どうしよう。
でも、名前は机に貼ってあるマグネットで確認したし駿くんだよね?
「愛花ちゃん、久しぶり。」
少年はサラリと私の名前を口にする。
「久しぶり。駿くん!」
「約束通り戻って来れたんだ?」
私は駿くんも約束を覚えててくれたことが嬉しかった。自然と笑顔になる。
「うん。約束だからね!またお隣に引っ越ししてきたの。」
「あーなんか昨日隣バタバタしてたね。」
「うん。またご近所さん!」
「これからよろしく。また仲良くしようよ。」
駿くんが手を差し出した。
「うん。よろしくね。」
私はその手を取ると握手した。
愛花ちゃんは、会わなかった期間ですごく可愛い女の子になった。
そして、愛花ちゃんと過ごす日々は想像以上に楽しくて…俺たちは必然的に一緒にいる時間が増えた。
それをよく思わない女の子達がいたみたいだが、俺にはそんな名も知らない女の子はどうだってよかった。
転校初日から俺らは一緒に帰るようになった。
まだこちらに戻ってきて日が浅い愛花ちゃんを独りで帰らせて迷子になったら困るから…
「あら、駿くんこんにちは。」
ご近所のミヤナカさんだ。
「こんにちは。」
俺は元気にそういい、愛花ちゃんはペコリと頭を下げた。
「あら、駿くん彼女さん?」
ミヤナカさんはニヤニヤ笑いでそう聞く。
冷やかす気満々じゃんと俺は思う。
「違うよ。幼馴染みの愛花ちゃん」
一瞬ミヤナカさんは、考え込むような素振りをみせた。
「あー小桜さんの所の娘さんね。こんにちは。」
「お久しぶりです。こんにちは。」
「大きくなったわねぇ~お母さんに似て美人さんねぇ~」
ミヤナカさんは、喋ることをやめそうもない。
あーアハハ。曖昧な笑顔で愛花ちゃんが笑う。
あっ愛花ちゃん困ってる!俺が助けなきゃ。
そこで俺は愛花ちゃんとミヤナカさんの間に割り込んだ。
「ミヤナカさん、俺たち宿題があるので家に帰りますね。さようなら!」
「あぁそうよね。引き留めてごめんなさいね。」
俺らは手をふってミヤナカさんと別れた。
「さっ帰ろ」
俺は愛花ちゃんが側から離れないように手を握って家まで帰ることにした。




