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3、対象者の思考を操作する


<施行者への関心>がある程度集まった状態は、対象者が施行者を自分より優れていると認めている状態でもあります。

自分より優れている部分があると認めると、その他の部分まで肯定的に認めるようになってきます。心理学的にはハロー効果といいます。(客観的な対象者にはハロー効果は期待できません。その場合は<施行者への関心>をひたすら高めるしかありません)

赤リンゴを前にして施行者が「これは白いリンゴだよ」というと、

ハロー効果が抜群に効いてる人は、どう見たって赤リンゴなのに「皮をむいたら白いから白リンゴだ」と無理やり理屈を引っ張り出して答えたりします。

まあ、そこまでゆくのは珍しくて、実際は「赤リンゴですよ」と否定する人が大半ですけど、ハロー効果が効いていると即否定はしません。最初はまず戸惑います。肯定したいという気持ちが働くからです。

そうです。

対象者は施行者の言うことを肯定したいんです。すばらしく正しいことを言っていると信じたいんです。

なにかしら対象者が望んでいる言葉がなどもあるはずです。それらしい事を言って徹底的に信じ込ませてください。

そしたらあとはもう楽です。


もしもここまでの過程であんまりうまくいかなくても、まぁ…そう…次の過程でがんばればなんとかなります(震え声)



これから先は対象者の性質を利用してゆきます。

人を動かすには動機が要ります。人を動かすのに最もよく用いられる動機付けは利益もしくは不利益です。

大抵の人は、利益が得られそうならば利益を得ようとします。不利益になりそうならばそれを回避しようとします。

けれども、人によって損得の感覚はまちまちです。なぜならば性質が人それぞれ異なるからです。

効果的に対象者を動かすには、対象者の性質に合わせた利益、不利益を示す必要があります。


たとえば、対象者が自分の立場に固執する性質があった場合、「このままではあなたの立場が危ういです」とか「これをするとあなたの立場はもっと評価されます」とかいった具合に利益か不利益、あるいはその両方をもっともらしい理由をつけてちらつかせることによって対象者に動機を持たせる事ができます。


ちょっとほのめかすだけで行動に移してくれる対象者もいますが、そう簡単に動かない場合もあります。

行動を起こすことでの利益よりも行動を起こすことの不利益が大きいと思った時や、

行動を起こすための準備が足りていないと感じた時などです。


前者は損得のバランスの問題なので、いろんな理由をひっぱり出してきて、施行者の勧めに従ったほうが得だと思い込ませる事ができれば対象者は行動に移ります。

後者はめんどくさ…いや、ちょっぴり手間が要ります。

本当に準備が足りていないときには、準備方法をいくつか提示してその中から選んでもらうようにします。一つだけ提示するのは下手なやりかたです。上手い人は常に対象者に選択肢を示します。もっと上手い人はその選択肢の中から意図したものを選ばせる事も可能です(選択肢があるように見えて実は無いという)。対象者本人が自ら選んだのだと思わせる事が大事です。

準備が足りているけども、本人は足りていないと思っている時には、とにかく自信をつけてあげないといけません。よく勘違いされるのが励ます行為です。どうして自信が無いのか想像してください。がんばっても上手くゆかないと思っているから自信を持てないんです。そんな人には「頑張れ!」と励ましても効果が無いし、どうかすればその人は頑張りが足りないと責められているように感じてしまうかもしれません。自信の無い状態の人は基本的に励ましはしないほうがいいです。

自信をつけてあげるのに一番手っ取り早い方法はほめることです。「あなたは○○な点でとても優れている」「あなたならきっとできる」「すばらしい素質を持っているから努力次第でよい結果を出せるはずだ」的な事を繰り返し言って聞かせてください。言葉だけで足りそうに無いときは些細な事でもいいので成功体験を積ませてそのたびほめちぎってポジティブフィードバックしてください。



施行者の影響力が強ければ施行者からの言葉だけで充分ですが、そうでない時ターゲットの周囲の人の力も借ります。早い話がターゲット周辺の人にもマインドコントロールをかけます。

周囲の人にそれとなく話題を持ち出し、先入観を与えたり、不安を煽ったり、理想的な状態をイメージさせたりして、物事やターゲットとしている対象者への印象をコントロールしてゆきます。物事について語る場合は自分の意見だとはせずに、「一般的に~」とか「世間では~」「噂では~」としたほうがすんなり受け入れられます。

周囲の雰囲気を変えることで、間接的に対象者の思考に影響をもたらすことができます。

この他にも、「~さんはこう言っていましたよ」等と他人の言葉を引き合いに出して対象者に働きかける方法もあります。しかし、人間関係をこじらせる恐れもあるので個人的にはあまりお勧めしません。




以上がマインドコントロールの方法です。

ほとんどの人が自然と身につけているスキルなので別段珍しい内容ではないと思います。ただ、意識して使用している人はとても少ないと思います。意識することで初めて応用が可能になり、必要に応じ用いる事ができるようになります。つまり、問題解決方法を一つ増やすことができるのです。



使いこなせばとても便利なマインドコントロールではありますが、もちろん危険性もあります。


まず、注意するべき事は相手が人間であること。

対象者が施行者に様々な影響を与えうる存在であることを忘れないでください。ミイラ取りがミイラになります。

施行者の感情が、対象者によって左右されるようなことにならないように、揺るがない強い精神力を持っていてください。


そして、施行者も人間であるということ。

マインドコントロールは施行者が対象者の人生に介入することになります。しかも、対象者を誘導してゆく形でです。

無事に目的とするところまで誘導できればいいのですが、施行者が人間である以上判断を誤る可能性があります。施行者の判断が不適切だった場合、対象者の人生を悲惨なものにさせてしまうかもしれません。



忘れるところでしたが最後に解き方を

マインドコントロール下にある対象者の関心が<施行者への関心>で占められている状態であれば簡単です。

しばらく会わないようにしたり、素っ気無く振舞ったり、見当違いな事を言ったりすれば解けます。




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