81話「銀の騎士──アルジェントシュヴァリエ──」
城窓から朝の日差しが差し込む。
午前十時。
シエナ姫に集まるように言われ、レイディル、アリーシアス、マリー、クラウス博士の四人は城の応接間へと足を運んだ。
「ここもずいぶん久しぶりのような気がするわね」
「思えば顔合わせはここでしたね」
サポートする人員として、三人と出会った時のことがレイディルの脳裏によぎる。
「集められたということは──」
「遊撃隊のこれからの作戦の流れを改めて説明するわ」
アリーシアスの言葉を継ぎ、シエナ姫が言った。
「な、なぜ応接間で……?」
「そうね、そこも簡単に説明しておきます」
クラウス博士の疑問に答えるべく、シエナ姫は手を三度叩いた。
レイディルたちの背後の扉が開く。
姿を現したのはリヴィアだった。
ただし、その格好は海賊服ではなく、王城に相応しいドレス姿だ。
「あはは、こんなに良いドレス借りられて、なんていうかラッキーだよね」
少し照れくさそうに片手を後頭部に回し、それでいて満面の笑顔で彼女は答えた。
「我が国は、正式にサンライズ・リムナントと協力関係を結ぶことにしたの」
「同盟──ではなく、ですか」
「そう、国としても海賊と同盟はね」
アリーシアスは、その言葉の意味を察した。
「つまり……協力者という立場にしたわけですか」
「リヴィアは客人……かしらね。
そんなわけで応接間というわけ」
シエナ姫はリヴィアの方を振り向いた。
「落とし所というところですね」
マリーは顎に手を添え、納得したように頷いた。
「で、そのドレスは……」
レイディルがリヴィアを指さす。
「ほら、姫が言ってた『最低限の体裁』ってやつ!」
「あの服で城を歩かれても困るもの」
元気よく答えるリヴィアと、困り眉で答えるシエナ姫。
それはまるで対極であった。
「さて、それでは遊撃隊のこれからだけど──」
シエナ姫は机の上に地図を広げた。
全員がそれを覗き込む。
「まず、我が国の騎士たちから遠征志願者を募り、それが過半数を超えたわ。
よって、こちらから帝国へ打って出ることに決まりました」
騎士たち自らが危険な遠征に赴くことを選んだ。
それは多くの者が、こちらから決着をつける覚悟を決めたことを意味していた。
「アルバンシアの騎士の半数以上は遠征に。
バーグレイ将軍とグレオール副官。それとエリオス、レイラ大隊長両名が参加するわ。
その間の国の防衛は大隊長ヴィクターが指揮を行います」
多くの騎士だけでなく、軍を率いる者たちもまた遠征に加わる。
その一方で、国内にはクラウス博士が開発し、先日試射が行われた新兵器が配備され、防衛の要となる。
「そしてサンライズ・リムナントから船を一隻、協力の証として貰い受けたわ。
その船を使い、帝国の支配海域を避け、エノヴァテール大陸の南端を目指します」
シエナ姫は地図の上を指でツゥーっとなぞりながら説明をする。
「一隻、ですか……確か同盟を組めば二隻貰えるはずだったんじゃ?」
レイディルはふと気になり、口を挟む。
「ええ、同盟じゃないもの。
さすがに一蓮托生とまでいかないし、向こうにも悪いから一隻だけという条件にしてもらったわ。そこの船長さんにも了承をもらっています」
姫の言葉にリヴィアは、うんうんと頷いていた。
「南端なのはなにか理由が?」
アリーシアスが片手を上げ質問する。
「困ったことに……帝国の支配する地域、水域を避けるとそこしか空いてないのよね……」
「つまり最南端に船を停め、そこから陸路で帝国を目指す……と?」
マリーは顎に手をやり、肘をもう片方の手で支える。
そのマリーの言葉にシエナ姫は頷くと、地図の大陸に指を置いた。
「そう、アルバンシア軍はここから各地を解放しながら北上。解放した都市と同盟を結び戦力を強化……というのが理想ね」
マリーはしばし黙りこくる。
「……そう上手くいくかしら」
「ええ、だから理想。
帝国に対し抵抗もせず降った国や都市が多いでしょうし……」
シエナ姫の言葉を受けクラウス博士が口を開く。
「そんな人たちが戦力になるかどうか難しいんじゃないかな?」
博士の言葉にシエナ姫は軽く首を横に振った。
「なので、もし協力を得られればこちらで練度をあげるわ。
それと例え戦わない都市だとしても、戦いたい人たちがいるかもしれない。その都度志願兵を募るつもりよ」
だが、シエナ姫の考えはそれだけではない。
「あと、戦は何も兵が全てじゃない。物資の補給など、各都市に協力を要請するといったところかしらね」
例え無抵抗で白旗を上げた都市、帝国に脅威と見なされず占領された国とはいえ、それらを纏めれば大きな戦力となる。
兵士として戦える者だけではない。戦う者を支える者たちの力もまた、戦争には欠かせない。
「遊撃隊は以前と同じく、その名の通り自己判断で解放、軍の助太刀、後方撹乱を担って貰いたいの。もちろんさっき言ったことも実行してもらうつもり」
各地の戦力を集め、少しずつ戦線を広げていく。
遊撃隊は解放した街の志願兵をアルバンシア軍に繋ぐ役割も担うことになる。
そんな作戦に、リヴィアが口を挟んだ。
「あと! あと! |サンライズ・リムナント《私たち》みたいな抵抗軍がいるから、そことも協力したいって」
一通りの作戦を聞き、アリーシアスが難しい顔をして黙っていた。
「あら、アリーシアス。なにか疑問でも?」
シエナ姫は不思議そうに彼女に問いかける。
「いえ、私たち遊撃隊は非常に重要な作戦を任されるわけですよね?」
「ええ、不安になった?」
シエナ姫の言葉にアリーシアスは首を振った。
「サンライズ・リムナント……」
アリーシアスは海賊団の名を口ずさむ。
その場に集まった一同は、彼女が何を言いたいのか首をかしげた。
レイディル一人を除いて。
「アリシアは、名前が重要とまた言いたいわけか……」
レイディルの声には少々の呆れの色が乗っていた。
「名前と言うと、シエナ姫ですが──」
アリーシアスがシエナ姫を見つめる。
その瞳にシエナ姫は事情を察したようだった。
「……つまり、重要な作戦を担う割に、遊撃隊という名前は些か地味なのでは、ということね……」
シエナ姫は少し考える。
そして──
「うん、せっかくだからここは言い出しっぺにも考えてもらいましょう」
姫はそう切り返した。
「え、わたしも……ですか」
「もちろん、あなたも遊撃隊の一人だしね」
戸惑うアリーシアスにシエナ姫は当然と答えた。
アリーシアスはシエナの元へと歩み寄り、耳打ちをした。
「ごにょごにょ」
「ふんふん……まぁ、いいけど……」
話し終えた二人はちょこちょこと応接間の入口へと移動する。
「アリーシアスと共にしばらく離席するわ。みんなは寛いでいて」
シエナはそう言うと、二人で出ていってしまった。
「なにがはじまるの?」
リヴィアが目を丸くする。
「さあ?」
レイディルはその問いに答える術を持ち合わせていなかった。
部屋にはレイディル、リヴィア、マリー、クラウス博士が取り残された。
お城の給仕がレイディルたちにお茶を出す。
四人は出されたお茶を飲みながら、しばらく談笑に耽っていた。
すると扉が勢いよく開け放たれた。
見るとシエナとアリーシアスが、それぞれ一冊の本を抱えていた。
シエナは小脇に。
アリーシアスは両腕で胸に抱いている。
「決まったわ」
シエナの第一声が部屋に響いた。
「遊撃隊の名前を発表します」
シエナが本をペラペラと捲り続ける。
♫ドコドコドコ♫
アリーシアスは無表情でどこからか取り出した太鼓を叩く。
「好きだなそれ……」
いつか見た光景を、レイディルは懐かしそうに思い出して目を細めた。
「まず私から──遊撃隊の要はヴァルストルム、つまり騎士。ということで“シュヴァリエ”」
シエナに続きアリーシアスが太鼓を横の棚の上に置き、本へと持ち替える。
「わたしは、色を入れたかったので“アルジェント”と命名したいと思います」
「アルジェントシュヴァリエ……」
彼女の行動に目を丸くしていたレイディルがぽつりと言葉を漏らした。
「私の秘蔵の古書から単語を貰ったわ。
古語が混じりあっているけれど、意味としては“銀の騎士”かしらね。
灰銀色のヴァルストルムを駆る遊撃隊にはちょうどいいのではないかしら?」
シエナは、自分が持ってきた本とアリーシアスの持っている本を、大事そうに撫でた。
銀と聞いて、レイディルはアリーシアスの髪を一瞥した。
「うん、アルジェントシュヴァリエか。
いいね。なんとなく堂に入った感じだ」
博士がにこやかに顎をさすりながら言った。
「ということで、遊撃隊改め“アルジェントシュヴァリエ”は明日、朝から港へと出発。
そこで準備を整え乗船してもらいます」
凛とした声でシエナ姫は告げる。
「とうとう……出立ですね」
アリーシアスがゴクリと喉を鳴らした。
「各自、心残りのないように過ごしてね」
姫の言葉でその日の作戦会議は終了となった。
「それじゃあ──」
レイディルが振り返り応接間から出ようとした。
その時。
ふいに応接間の扉が開く。
開け放たれた扉の前には、口髭を蓄えた中年の男性が立っていた。
装飾の施されたマントを身にまとい、その頭には王冠が乗っている。
アルバンシアの王、ケイオンであった。
「あっ……」
唐突な王の登場により、レイディルはつい声を漏らしてしまう。
王は眉間に皺を寄せ、レイディルをジッと見つめると無言でそのまま部屋の奥へと入っていった。
そうして姫のいる場所の隣の応接間の椅子にスっと座る。
鋭い目つきで遊撃隊の面々を見やった。
「……少し、話をしようか」
低い声が部屋に響く。
その迫力にレイディルの頬に汗が一筋流れた。
「オホン……」
シエナが口に手を添え咳払いをした。
レイディルの視線がそちらに吸い寄せられる。
「お父様、お戯れはその辺で」
彼女の言葉に、ケイオン王はコロリと表情を変え、笑ってみせた。
「いや、すまんすまん。若い者を見ると弄りたくなるもんでな」
そう言い大きく口を開けて笑う。
態度の豹変にポカンと口を開けるレイディル。
「王様におかれましては、お加減もよろしいようで」
アリーシアスがローブを軽く持ち上げ、頭を下げた。
「おお、ダイレルの娘さんだな。アリーシアスと言ったか。これはまたしっかりとした子だ」
ケイオン王はカラカラと笑った。
そして膝に肩肘をついて姿勢を崩す。
まるで友達と話すような感覚だ。
「そして、君があの機械の騎士、ヴァルストルムの操縦士のレイディルだな?」
「は、はぁ……」
気の抜けた返事しか出来なかったレイディルの腰に、アリーシアスの肘が刺さる。
「良い良い。そんなに畏まる場でもない」
ケイオン王は手を振り告げた。
「レイディル。演説時にろくに挨拶も出来ず済まなかったな」
「いえ……あの時の王様は具合が悪そうでしたし……仕方ないと思います」
「あの時は各国とのやり取りでの過労とストレスでなぁ……」
ケイオン王は顎を撫でながら、記憶を振り返るようにしみじみと呟いた。
「しかし、ほれこの通り。今は大丈夫。
これも遊撃隊や騎士、皆が頑張ってくれたおかげだ。民も良く耐えてくれた」
ケイオン王は胸を叩き、感謝を告げる。
そして四人の顔を見渡した。
「ふむ、そっちがクラウス博士に治癒術師のマリー殿か……」
王の言葉に答えるように博士とマリーは軽く頭を下げた。
「そしてアリーシアス嬢にレイディル」
名前を呼ばれたアリーシアスもまた頭を下げる。
彼女の反応を見たレイディルも、真似をするように慌てて頭を下げた。
「……うむ」
ケイオン王は四人をじっと見つめる。
先ほどまでの笑みが、ゆっくりと消えていった。
王は崩していた姿勢を正す。
「本来、戦場に立つ者ではない君たちに、このような重責を担わせることを……私は心苦しく思っている」
王は一度言葉を切った。
「ましてや、若者を戦場へ送り出す作戦しか取れぬ今の我々を、どうか許してほしい」
ケイオンは真っ直ぐに四人を見つめる。
「だが、それでも……君たちの力を、我が国に貸してもらいたい」
そう言って、ケイオン王は立ち上がると深々と頭を下げた。
そして、ケイオン王はリヴィアへと向き直る。
「あと、リヴィアちゃん含め、サンライズ・リムナントの協力も感謝する」
そう言いながら軽く頭を下げる。
「お父様、なぜリヴィアだけそんなに軽いのです……?」
シエナ姫は怪訝な表情で王を見やった。
「いや……なんかこの娘はこういう言葉の方が喜びそうだったもんで……」
ケイオン王の言葉に、呆れるシエナ姫であったが当のリヴィアは満面の笑顔で喜んでいた。
こうして、遊撃隊の作戦会議は終了した。
太陽は頂点から少し傾いたくらいの時刻。
四人が城を出ると博士が口を開く。
「さて、僕はもう少し仕事をしてくるよ」
「新兵器もヴァルストルムの装備も完成しましたよね? まだ何かあるんですか?」
レイディルがふと尋ねる。
「先日、執政官に言った手前もあるしね。
その問題を解決するための物をね」
クラウス博士は振り向きながら、ニッと笑って見せた。
そして背中越しに手を振り、一足早く去って行く。
「もう昼食時間も過ぎたようなので、わたしたちもお昼食べましょうか」
「うんうん、お腹ペコペコ!」
アリーシアスの意見にリヴィアが手を挙げ賛同した。
「うわっ! リヴィアお前いつの間に後ろに!?」
振り向けばそこにはワンピース姿のリヴィア。
「あ、着替えてきたよ!」
「いや、そうじゃなく……」
呆れて肩を落とすレイディルを、気にも止めずリヴィアは歩きだした。
「こっちに美味しいランチのお店あるんだ。
みんなで行こっ!」
彼女は前方を指さしトコトコと歩く。
アリーシアスとマリーは顔を見合せ、リヴィアの後を追いかけるように小走りでついて行った。
「はぁ……」
リヴィアの突飛な行動に、レイディルは頭をかきながらとぼとぼと歩きだすのだった。
レイディルやリヴィア、そしてマリーと別れたアリーシアスが屋敷に戻る頃にはすっかり日が傾いていた。
ランチの後、まだ王都に詳しくないアリーシアスのためにリヴィアが観光名所の案内を買って出たのだが……
「あれあれ? ここにあった隠れ家的なお店どこ行ったの? お客さんも少なくてのんびりできる雑貨屋さんだったのに……」
「その店なら潰れたぞ」
「なんで?」
「そりゃあ、お客が少ないからだよ……」
などといったやり取りを何度も繰り返していた。
最終的にはリヴィアが王都を離れていた期間が長かったせいもあり、彼女の「街の移り変わりって早いねー」という言葉で締めくくられることとなる。
帰宅したアリーシアスをメイドが出迎える。
ふわりとした黒髪を揺らし、ペコリと一礼すると、彼女はアリーシアスを居間へと案内した。
そこにはフェリシアとアルコイリスが椅子に座り談笑していた。
フェリシアは部屋に入ってきたアリーシアスに気づく。
「おかえりなさい、アリーシアス」
「ただいま。母さん……と、イリス」
自分の名前が呼ばれたことに満足したのか、アルコイリスは何度も首を縦に振っていた。
部屋を見渡すもダイレルの姿はない。
扉の傍に立つメイドに尋ねると、今日も帰って来ないらしい。
(明日には、もう王都を立つって言うのに……)
アリーシアスはそう考えたが、いないものは仕方がなかった。
彼女はフェリシアとアルコイリスへと向き直ると、少し呼吸を整え姿勢を正す。
「えー、明日、出立することに決まりました」
とだけ告げる。
フェリシアは「寂しくなるわね。気をつけて」とだけ言い、アルコイリスもまた「早いものですわね」と言うだけだった。
その後はアリーシアスを交え、ごくごく普通の会話が行われていた。
いわば雑談と言うやつだ。
(あれ? もう少し、こう……劇的な感じを予想してたんだけど……)
二人の態度に内心戸惑うアリーシアスだったが、その後も他愛のない話を続け、食事や入浴を済ませる頃には、すっかり就寝の時間となっていた。
翌朝。
王都の上に広がる空は快晴。
出発するには絶好の日だろう。
ダイレルの屋敷にレイディルがアリーシアスを迎えに訪れた。
レイディルは門兵に挨拶をし、敷地内へ。
玄関の扉を叩くと、執事が出迎えてくれた。
執事は一礼をし中へと戻ると、しばらくしてアリーシアスが姿を現す。
「おはようございます」
「ああ、おはよう」
互いに挨拶を交わし、「昨日はよく眠れたか?」といった会話をした。
レイディルが、ふと気付く。
「ん? 屋敷がずいぶんと静かだな」
今は確かアルコイリスが泊まっているはずだと彼は思い返す。
しかし、あの賑やかな少女の気配がない。
「何故か、朝からいませんでしたね……それも母さんも一緒に」
アリーシアスは首を傾げる。
「フェリシアさんも……? それじゃあ別れは……」
「昨夜、軽く」
レイディルは腕を組みしばし考える。
「なんかおかしいな」
「とはいえ、追及している時間もありません。
集合時間ですし、お城に向かいましょう」
二人は腑に落ちぬまま、屋敷を後にした。
王城前庭に着くと、ヴァルストルムを搭載した機動馬車が既に待機していた。
「おはよう二人とも。調子はどうだい?」
そう問いかけるクラウス博士に、軽く挨拶を済ませると、二人は客車部分へと乗り込んだ。
中には既にシエナ姫とリヴィアとレイラ、そしてマリーが座席に座っていた。
アリーシアスは窓の近くの空席を見つけ、そこに座り込む。
「あれ、これだけですか?」
「あ、えっと……はい。ここが、そんな感じだと思います」
レイディルの問いに、レイラが答える。
その答えを聞いた彼は、気の抜けている時の彼女に聞いたのは間違いだったと思った。
気を取り直し車内を見渡す。
「ふむー」
彼の口から、そう声が漏れる。
港からの帰還時と一緒で、右も左も前も後ろも女子ばかりだった。
「よし……」
レイディルは一言告げると摺動扉を開け、御者台へと歩を進める。
そして彼はクラウス博士の隣に腰を下ろした。
「ははは、そう来ると思っていたよ」
クラウス博士は眉毛を下げながら笑う。
どうやら行動を読まれていたようだ。
機動馬のシュタちゃんとフォルちゃんがゆっくりと歩き出す。
馬車は行く。
王都を離れ、港へと。




