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さて、話を歌に戻したいと思います。
この歌を漢字混じりで書くと、
「千磐破る 神代も聞かず竜田川 唐紅に水括るとは」
となります。
「ちはやぶる」とは聞き慣れない言葉ですが、この言葉は枕詞と言われる短歌の始めにつける次の言葉に繋げる連想の一つです。
例えば、「芝刈りの」と言えば「お爺さん」、「川で洗濯の」と言えば「お婆さん」と繋がるようなものです。
これらのほとんどはもとは日本最古の歌集、万葉集で使われている物です。
しかし、現在ではそう言われてもぱっと意味の通じないもの、あるいはその枕詞自体の意味が失われて意味不明になっている物もあります。
この「ちはやぶる」もそのうちの一つで、「ちはやぶる」といえば「神~」と連想されるものであったのです。




