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続けると、
「秋の田の刈穂の藁で苫を編み 我が衣手は露に濡れつつ」
となります。
つまり言い回しは違いますが天智天皇の歌も、万葉集の歌も言っている意味は同じ、秋の農作業の一場面をまるで写真か動画を見ているかのように写し取った歌なのです。
それにしても「我が」とは一体誰なんでしょうね。
天智天皇なのか、それともその国の領主なのか、役人なのか、あるいは農民なのか……また、一体どちらの歌がオリジナルなのか、それはどう頑張っても残念ながら今では知ることは不可能なのかもしれません。