前へ目次 次へ PR 4/95 1-4 ある秋の蒸し暑い日のこと、その人は刈った稲藁を傍に置き、せっせと苫(とま)を編んでいました。 炎天下の中の作業ですぐにその人の衣は汗でぐしょぐしょに濡れてしまいます。 そんな日の苦労を詞に写し取ったのがこの歌 「秋田刈り 刈穂を作りて我が織れば 衣手寒く露ぞ置きにける」 なのです。 仮庵(かりお)と言うのは、刈穂(かりほ)の誤字で、「刈り取った稲藁を自らの傍らに作り置いた」という意味、吾居者(わがおれば)と言うのを吾居者(我が織れば)ではないか、と解釈しました。