前へ目次 次へ PR 36/95 6-4 実はこの歌、猿丸太夫(さるまるのたいふ)の歌と同様に、漢詩の仕掛けが用意されているのです。 その漢詩とは、唐の詩人、張継(ちょうけい)と言う人の書いた、「楓橋夜泊(ふうきょうやはく)」という詩です。 月落烏啼霜満天(つきおちてからすなきしもてんにみつ) 江楓漁火対愁眠(こうふうぎょかしゅうみんにたいす) 姑蘇城外寒山寺(こそじょうがいかんざんじ) 夜半鐘声到客船(やはんしょうせいきゃくせんにいたる) 月も見えなくなり、鵲(かささぎ)が天の川に集まる頃であろうか、天には白い霜が満ちている。 それにしても漁船のかがり火が風でチラチラと揺れてうっとうしくて眠れやしない。