0-3
受験生で時間がないから、毎日は無理。投稿出来て平日なら3日に一回と週末、しかも1500文字前後になるかと思います。遅筆で済まねぇ。
「勝負の結果に夢中になってるとこ悪いんだけどさ、どっちでもいいから助けてくんない?」
「っとぁ!びっくりしたぁ!!脅かすなよ博士!いねぇなと思ったら珍しく木に登ってるし・・・」
「レオンが木の上で寝てるのがすごく気持ちよさそうだったからさ、どんなもんかなって試してみたんだけど、落ちるのが怖くて寝れるもんじゃないね・・・で、助けてほしいんだけど。」
「全然ダイじょーぶだよ!それで?どうしてほしいの?」
「いやさ、登ったのはいいんだけどね。怖くて降りられなくて…なんかコツとかあれば教えてほしいんだけど。」
俺がそう、申し訳なさそうにいうと、二人は顔を見合わせ、そろって爆笑し始めた。
自分の年齢があれなだけに、余計に恥ずかしい。
「・・・っくくっ、博士、いつも大人ぶってるくせに木から降りることすらできねぇのか?まさか木登りができねぇ奴がいるとは思わなかったぜ・・・この歳で出来ないの博士だけなんじゃねぇの?」
「う、うるさいわ!べ、別に木登りなんてできなくても何も問題ないですし?それに【木降り】が出来ないだけで、[木を登る]のは出来るんだからな!!」
「なぁ博士、知ってるか?木から降りるまでが【木登り】なんだぜ?それに、どれだけ理屈を並べたところでできねぇものは出来ねぇんだろ?」
走った後より腹がいてぇ、とまた笑い始めた。ノエルに至っては笑いすぎてすでに過呼吸気味になっている。中身大人なのに、こんな子供に論破されてしまうとは・・・なんという屈辱。
つーか、笑いすぎだ。早く助けてくれないとアイギスが来ちまう。せっかく恥を忍んで頼んだのに意味がなくなってしまう。これじゃ俺のメンタルがブレイクされるだけだ。
「後でいくらでも馬鹿にしてもらっていいから、早く助けてくれないかな?そろそろきついんだけど・・・」
不安定な木の上に座っているのもそろそろ限界だが、それよりも心が折れそうだ。
「はぁはぁ、フッキンが、ホーカイしちゃうっ・・・さすがは博士。こんな攻撃でノエルを倒してしまうだなんて・・・よぉぉし!ノエルを撃破したホービとして、助けてやろうじゃぁないか!」
そういうなり、木をするすると登り、俺の隣にやってきた。
「お!降り方を直接見せてくれるのか!!これはありがたい。」
「うんにゃ、違うよ?ノエルが教えるのはもっと楽に、かつ簡単に降りる方法だよ!!」
「へ?普通より楽に降りられるって、どうやるんだ?」
するとノエルは笑みをより深くすると
「それはね————」
「—————こうするんだよ!!」
そういって、思いっきり俺を突き飛ばした。
やばい、死ぬ。木の枝なんぞつかむ暇もなく、一瞬で落ちていく。
迫る地面。慌てて受け身をとる。地面とぶつかる衝撃をゴロゴロ転がることで受け流していく。ふぅ、何とかなった。
「馬鹿野郎!殺す気か!?助けてくれとは頼んだが、殺してくれとは頼んだ覚えはないぞ?なに考えてんだ!!」
「ごめんごめん、いきなり突き飛ばしたのは謝るよ?でも、これが一番早いかなって・・・」
「いや、一番早いかなって・・・あたりどこが悪かったら死んでたかもしれないんだぞ!!」
「死ぬって、ちょっと盛りすぎてなぁい?あ、もしかして怖すぎて死ぬとか、そういう意味?」
「いや、普通に死ぬにきまってるだろ!!この高さだぞ?」
「え?博士こそ何言ってるの。私たち獣人だよ?こんな高さじゃ死ぬどころか、怪我すら怪しーと思うんだけど・・・」
いわれて、ようやく思い出す。そういや俺獣人だったな、と。