第20話 幕間②~TT商事の末路~
今回は幕間です。
一部、非現実な流れも含まれております。
「くそっ! 何でこんな事に……!!」
「田尾下課長……」
一方で、【TT商事】に敵対的TOBで買収された【白須カンパニー】では、実質的支配をしている人物……、田尾下 悪人課長が焦っていた。
「あの無能達を全て追い出して、大卒というエリートたちの為の会社が出来上がったと思ったのに……! 大卒の何人かが辞めるとは……!!」
あの宇佐美 京也を始めとした高卒の社員が田尾下によって退職に追い込まれた後、彼らを庇った大卒の社員もこぞって辞めたのだ。
田尾下一家やもう一つの一家は、自分達に逆らうとこうだという形でパワハラを平気で行った。
さらに女性社員に対しては、トイレの妨害やスカート捲りなどのセクハラも行った。
奴らはこれで、おとなしくいう事を聞くだろうと言う自信があったが、男性社員の多数と女性社員全てが退職をしたのだ。
「しかも、多くの取引先から取引をしないと言われたし……! なんでこんな……!!」
さらに、多数の取引先の会社から、この会社とは取引をしないという宣言が立て続けに起こった。
取引を中止した会社の中には、高岡 達也が経営する会社も含まれていた。
その影響で、【TT商事】の本社は破産法の申請を行ったのだ。
「どうします、課長。 他の会社や本社に捜査のメスが入った上で、我々の行為がバレて逮捕されてますし……、本社は既に破産法の申請中なのに……」
「まさか、退職した者の一人がさらに上の政治家と知り合っている財閥と仲がいい弁護士を使うとは……!」
だが、そこで退職した女性社員の一人が弁護士を使って警察に詰め寄ったのだ。
その弁護士は、世界的にも影響力を持つ財閥の妹で、父親の後を継いで二代目の最強弁護士の称号を手にしていた。
彼女も様々なパイプを持ち、TT商事や買収された会社の状況を探偵などを使って証拠を集めてから、警察に詰め寄ったのだ。
その結果、TT商事の一員である田尾下を始めとした大卒の者が、労基に不満を抱える大物政治家の圧力で労基や警察に圧力などを掛けて相談などに応じないようにしていた事が発覚。
正義感の強い刑事の指示によって、強制捜査に踏み切った。
その強制捜査で、他の会社にも女性社員にトイレ妨害やスカート捲り、お尻を触るなどのセクハラ行為や、男女問わずのパワハラをしていた事や高卒の社員の財布からお金を抜き取る窃盗行為や横領、虚偽報告だけでなく政治家に賄賂も渡していた事などが発覚した。
中にはトイレ妨害で無理やり失禁させられ、精神的ダメージを負った女性もいたという。
それにより、TT商事の幹部たち全員が逮捕されると言う異例の事態となった。
「警察が来るまでに何としても証拠を隠滅させねば……!」
「そうはさせんよ!」
田尾下は、部下に命じて証拠を隠滅しようとしていたが、既に遅かった。
「TT商事の一員の田尾下 悪人とその部下達だな!!」
「なっ!?」
「警察が……、早すぎる……!!」
すでにアタリを付けていたこの【白須カンパニー】に警察が入り込んでいたのだ。
「田尾下 悪人、そしてその部下たちは強制わいせつ未遂と横領、窃盗、そして虚偽報告で逮捕する!」
「さぁ、大人しくしろ!!」
「く、くそう……!!」
刑事の掛け声で一斉に警察官が田尾下を捕獲する。
そして、そのまま連行されていく。
多数用意されたパトカーに乗せられ、そのまま警察へと向かって行く。
この流れはマスコミを通じて報道され、田尾下ともう一つの一家とも繋がっていた大物政治家にも影響を受ける事となった。
そして、TT商事は暫くの時を経て、倒産したのだった……。
TT商事に買収された会社を巻き込んで……。
一方で田尾下たちの知り合いであった大物政治家に圧力を掛けられていた労基や警察も人員を入れ替えて、相談受付の強化などを図ったようだ。
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