エピローグ
『クリス』
魔王様の元で、お世話になってどれくらいたったでしょうか。
大けがをしていた魔王様は、順調に回復していました。
「魔王様、もうお怪我は大丈夫ですか。勇者様はかなり強かったでしょう」
「ああ、さすがにな。気遣い、すまない。ところで窓の外に見えるメイドは、お前の所のじゃないか。見覚えがある」
「ネロ? 探しに来てくれたのね。こんなところまで。無事で良かった」
「何か新聞を持っているように見えるが」
「本当ですね。一体どうしたのでしょう」
あのあと、毎日は平穏そのものです。
勇者様は、いったいどこへ行ってしまわれたのでしょうか。
どこへ行かれたとしても、私のやるべき事は決まっています。
国の姫として生き、務めを果たすだけです。
勇者様は今はご乱心なさっています。
けれどその勇者様がくれた恋心が、私に姫として生きる覚悟をくれました。
一人の女性クリスティーゼとしてではなく、一国の王女として、民の期待に応え多くの者達を幸せにするための。
この先何があっても、私はこの気持ちを忘れずに生きていこうと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
楽しんでいただけたら幸いです。
その後のクリスの心境については、第27話と第31話のタイトルがヒントになっています。




