兵の魔女12
両親の顔を憶えていない。
いたことは覚えている。優しくしてくれた記憶もある。
優しく声をかけてくれたし、いつも食卓を共にしてくれたし、悲しい時には慰めてくれた。
勉強で何がわからないのかすらわからなかった時、嫌な素振り一つ見せず根気よく話を聞いて何度も何度も丁寧に教えてくれた。
寝る前にはおとぎ話を聞かせ、寝入ってしまうまで髪をなでてくれた。
階段から落ちて腕を怪我した時は屋敷中ひっくり返したような騒ぎになって、腕のいい医者を呼んで診させてくれた。
遊びたい時には必ず相手になってくれたし、こちらが顔を向けた時には必ず向こうも振り向いてくれた。
赤い夕日と燃えるような空と雲、背負われながらそれを一緒に見上げ、ゆっくりと帰路につく。あの美しさ。
少し辿るだけで、輝かしい思い出はあっという間に掘り当てられる。
だが、両親の顔は決して思い出せなかった。
自分を存分に愛してくれたはずの両親。
その顔が全く記憶に無いのだ。
しかし、出来事は鮮明に憶えている。
ある日を境に、引越しを繰り返すことが多くなった。
両親とおじさんと、二人の使用人と、いくつもの家を渡り歩いた。
使用人の懐にはいつでも剣が貼り付けてあり、彼らは常に鋭い目で周囲を観察していた。
家を変える度に、移動距離は長く、住処は狭くなっていった。
終いには民家の屋根裏を秘密の部屋に改造した場所で親子三人、一切外に出ることもなく引きこもって暮らしていた。
それはそれで、楽しい思い出であった。梁や柱は格好の遊具になったし、父母とおじさんは前以上に構ってくれるようになったからだ。
今思えば、それは私が外に出ないようにするための、必死の策だったのだろう。
一週間程度が過ぎたある日の昼下がり、私は母に本を読んでもらっていた。
その時、父は隅で手紙を書いており、おじさんはそんな父と小声で会話をしていた。
そこに、下の階で暮らしていた六人家族と使用人二人のうち、六人家族の長男が駆け込んできた。
何事かを喚いていた彼の左手に短剣が握られていたのは憶えているが、何を叫んでいたのか、推測はできても思い出せはしない。
だがそれを聞いて、両親とおじさんは慌てに慌てた。父とおじさんは激しく口論し合ったが、その間にも父は隠していた兜を身に着け、盾と剣を握っていた。
父が常にこれらの品を自分の傍に置いていたのには気付いていた。本人は、隠そうとしているようだったが。
母は私を抱き上げると、クローゼットの中に隠した。
いつものように頭をなでて、泣き出しそうな声で「心から愛してる。絶対に無事でいて」と言い残して扉を閉めた。
隙間からわずかに見えるのは、人々の足元だけだった。
それでも、音はとてもよく聞こえた。
床板を破る音と同時に、何かが下から飛び込んだ。
父の足がその方を向いた直後、その足が一瞬のうちに両断されて視界の外へ吹き飛んでいった。
うめき声が響いたが、一瞬後には液体混じりの泡音に変わり、私の視界内に落下するはずだった父の体は壁まで吹き飛ばされていった。
そしてその代わりとばかりに、兜を着けたままの父の首が床に転がっていくのが見えた。
見たことのない、黒衣の誰かさんの足も。
母の悲鳴が響き、母の足がこの隙間からでもわかるぐらいに震える。
黒衣の足は瞬きするよりも速くその足に肉薄すると、母の足はこれまでと性質の違う一震えの後に、だらりと垂れ下がった。
ゆっくりと上昇し、それから投げ捨てられるかのように、視界の上へと消えていった。
それから、黒衣の足はおじさんの足の方へ向いた。
おじさんは隅で尻餅をついたようになっていて、足だけじゃなくその付け根と腰、床に這わせた手までが見えた。
黒衣の足は、今度はのんびりと、確かかつ軽快な足取りで接近する。
だが、それでもおじさんの怯えた声は止むことも変わることもなかった。
「おやぁ、かのご高名なフェルマー博士じゃありませぇん?」
聞き覚えのない声。それでいて生涯忘れないであろう声。
その後におじさんは立ち上がった。というよりも立たされた。胸ぐらを掴んで無理やり引っ張り起こされたのだろう。
彼の足は相も変わらず、恐怖で震えていた。
「あの時斬り損なった首がこの手に戻るだなんて、素敵よねぇ? 心残りが一つなくなって、嬉しいわぁ」
優しげな猫なで声。これまで聞いたどの女性の声よりも、魂に響く音色だった。
そう、女性の声だったのだ。
「お前の日誌は回収したけど、肝心な部分が抜けてるのよねぇ。どこに隠したのかぁ、言ってくだされば、少なくともこの場では死なずに済むわよぅ? 刑場の露と消える前に、わずかな時を思索や逆転の謀略や遺言作りに費やせることでしょうねぇ」
おじさんは常に私を見守っていた。
両親のように積極的に関わったりはしなかったが、いつでも傍にいた。
父の友人のようであり、母の助言者のようでもあったが、私にとっては守護精霊のようなものだった。
「や、やるが、いい。わた、わた私を、こ、こ、殺せっ」
震えながら、精一杯絞り出したであろう声。
ここから顔は見えないが、間違いなく、怯え、恐怖しながらも全力で引きつった睨みを相手に利かせていただろう。
「な、何も知らないっ、魔法使いの、ひと、ひとりに、託して隠させた。私、わたしもっ、あれの場所など、知らん!」
「ふぅぅん」
鼻で笑うように応える響きには、おじさんの言葉を信じていないとの意思がありありと表れていた。
だがそれでも、彼は言葉を全力で振り絞った。
「私の、私の魂を喰らうなら、喰らうがいい! だが、あれは私の研究成果だ! お前らに易々と渡してなるものか!」
「じゃあどうしてお前はこんな場所にいる?」
声は変わらない。
だが口調が、嘲るような、責めるような、独特の張りを帯びた。
「私がルネイの首を狩ってるのは知ってたでしょぉ? なのにぃ、どぉして、そのルネイと一緒にいたのかしらぁ? しかも今はネズミみたいに怯えきっちゃって、一緒に行動しなきゃいけない理由があったんでしょうねぇ」
おじさんの足が一瞬びくりと震えた後、ゆっくりと持ち上げられる。
空中でばたばたと動く足は命としての主張と抵抗を示してはいたが、それがただの徒労であることも証明していた。
うめき声のような、かすれ声のような細い音も響く。首を掴まれているのだ。
「それはきっと、あのクローゼットに隠れてる誰かさんが答えてくれるわよね?」
直後、おじさんの体が墜落した。
首から上は切断されてなくなっており、体は筋肉の痙攣を見せるだけで命としての光は既に消え失せていた。
黒衣の足は既に興味など失せたとばかりに翻り、まっすぐこちらに向かってきた。
それは私には死の足音に聞こえた。歩み寄っている。忍びすらせず、さも当然であるかのように。
動悸が早まり、呼吸は荒くなり、どちらも聞かれまいと抑えようと思うほど更に激しくなった。
既に無意味だとわかってはいても、そうする他になかったのだ。
そしてついに、クローゼットの扉は開かれた。
身を守るように体を縮こまらせ、頭を腕で抱える。
しかし、胴体から頭が離れるべき時間がとっくに過ぎたというのに、私はまだ生きていた。
恐る恐る腕の防御を解いて見上げると、そこにあったのは若い女性の弾ける笑顔だった。
全身黒衣に、黒いとんがり帽子。帽子のツバには薔薇の刺繍。細身の体に白い肌。
表情も柔らかく、おおよそあのような殺戮を行える人間には見えなかった。
彼女の顔は眉一本から顎の線まで鮮明に思い出せる。
これまでの人生で最も美しく、可憐な虐殺者だった。
「あなたのお名前はぁ?」
揃えた両膝に手をついて私を覗き込むしぐさや表情は、まるで姉であるかのように親しげだった。
鼓動が早まるが、既にそれは恐怖ゆえのものではなかった。
「クラン、ツ」
嘘をつくべきだったのかもしれない。
だが、私は真実を答えた。
既に過去は変わらない。
「ふぅん、クランツ・ルネイちゃんねぇ?」
こくり、と頷く。
私の目は潤み、頬は上気していただろう。
しかも、彼女は更に顔を寄せて、小動物のようにくんくんと私の顔を嗅ぎ始めたのだ。
鼻が私の頬や顎に時々こすれる、そのかすかな感触にえも言われぬ熱さを覚え、思わず体がぴくりと応じてしまう。
鼻と鼻が触れ合った時などは、心臓に締め付けられるような痛みすら走った。
「クランツちゃん、気が変わったわぁ」
ややあって、彼女は顔を離した。
体も起こし、立って私を見下ろす。
その柔らかで絶対的な笑顔は、安心感すら覚えさせた。
堂々と、余裕しゃくしゃくで、相手の全てを掌握しているという絶大なる自信。
この顔をずっと向けられたいと感じた。包まれていたいとも。
そして、何かをされたいという欲求は、即ちそれをしたいという欲求をも芽生えさせた。
「あなたを、許す。必死に生きなさい」
母親がそうしてくれたように、頭をなでてくれた。
その立ち居振る舞い、圧倒する優越。それは、憧れだった。
こうなりたい。このようになりたい。
たった一日のおしなべた不幸が、私の理想像を固定した。
そうして、彼女は私を置いて立ち去った。
彼女の顔を今でも憶えている。
首のない死体の山の中に、一人私を置き去りにした。
稚魚を、川に放つかのように。
頭を小突かれて、クロスは目を覚ました。
「マードック、さん?」
最初に目に入ったのは、老いた爬虫人の顔。
萎れきった瞳の色に、なんとか長杖にしがみついて立っているような、頼りなさ。
実際、杖を掴む手は小刻みに震え、立っていても背は曲がっていた。
「一体どうなって。ここは?」
周囲を見回そうとして気付く。
自分が椅子に座っていることに。その椅子に縄で縛り付けられていることに。
そして思い出した。アイランとゴーレムが戦い始めた時に、後ろから魔道士に昏倒薬を嗅がされたのだ。
一瞬で一時的に意識を奪うような薬。間違いなく違法なものだろう。
で、あるならば、自分をさらったのは"薬屋"だと考えるのが妥当と言えた。
「マードックさん、あなただったんですか? 黒幕は」
だが、状況が理解できたとしても、クロスは狼狽していた。
その状況自体が、非常に危機的であったからだ。
アイランから引き離され、自分は一人捕らえられてしまっている。
生かすも殺すも、煮るも焼くも、敵次第なのだ。
数少ない利点といえば、周囲に人気が無いのと、相手が年老いた魔道士であるという部分だけである。
「それは違う」
その利点も霧散したようだ。
暗がりの奥から張りのある声が響き、一人の男が薄明かりの下に歩み出た。
マードックが尻尾を引きずりながら横にどけると、代わりにその男がクロスの前に立つ。
それで理解できた。この男が、黒幕だ。
その男は、人間だった。アーゲルンでもスロヴでもオルキシュでも爬虫人でも魔道士でもない。
クロスと同じ、現界人の男だった。
見下ろす表情には堂々たる余裕があり、瞳には自信の炎が灯っていた。
クロスよりも年上なのは間違いなさそうだが、体格は壮健で、衣服は労働者然とした簡素な平服だった。
──誰だ?
偽らざる、クロスが抱いた第一印象である。
スロヴ共同体の者でも、カーギ・カリンの者でも、魔界守旧派の者でも、魔道士会の者でもない。
想定していた黒幕の姿と全く異なる佇まいの男が、そこにいたのだ。
いずれかの組織の長が、他の組織をまとめているのだと思っていた。
複数組織の連合体など、結局はその中で最も強く影響力のある組織が舵取りを行うだけのことだ。
しかし、目の前の男は、背後に何らかの組織、その力を感じさせない。
何らかの組織内文化の臭いや、権威によって他者を従わせようという気風を感じないのだ。
「君がクロス・フォーリーズだな。一度会ってみたいと思っていた」
男は新しい椅子を引き、クロスの対面に座った。
どうやら、すぐ殺すつもりはないようだ。
目の前の男の正体はわからない。
だが、会話をしようとはしてくれていると思われた。
ならばいくらでもやりようはある。
「ここは、どこですか?」
「教えるわけにはいかないが、大体察しはつくはずだ」
全面石造りの広い部屋、だが天井は低く、寒冷地にも関わらず湿度は平均的。
そこかしこに積み上げられている木箱の中身は、色味と臭いからして寒干ししたヒョウガンマス。
並んでいるカメやタルの中身も、恐らくはヒョウガンマスを使った発酵食品だろう。
「井戸城、それも地下の倉庫、ですか?」
回答に答え合わせはなかったが、にやりとした笑みは返ってきた。それは、答えも同じであった。
窓もなく閉め切った石製の部屋。そして天井が低いのは地下だからだ。
寒冷地の地下で湿度が並程度まであるのは、近くに水源か川があるから。
格納している荷がヒョウガンマスの加工品ばかりなのは、漁場が近いか、もしくはここが流通のルート上である証拠だ。
これらの条件を満たしつつ、これだけの規模の地下倉庫を置ける場所は、専門施設である井戸城を置いて他にない。
「自己紹介が遅れたな、私はクランツ。クランツ・フェルマー・ルネイだ」
フェルマー、ルネイ、この二つの名の羅列を聞いて、クロスは純粋に驚いた。
それは表情となって、相手にも伝わってしまうだろう。
しかし、フェルマー・ルネイ? そんな名前が存在するはずがない。
「偽名、ですか?」
すぐに平静を取り繕い、鋭い一撃を放つ。少なくとも、鋭くあろうとして打ち出された一言ではあった。
「名前というのは自分が気に入ったものを名乗ればいい。余人がそれに従うかどうかは別だがね、少なくともこの名前は私の本質を端的かつ正確に表している」
クランツは余裕を崩さなかった。崩すはずがない。圧倒的に優位なのは自分なのだ。
「私はルネイ国人衆、そして"フェルマーの子供たち"の生き残りだ」
しかし、この大言には笑い声がこぼれた。
相手を打ちのめそうだとか、強がりのためではなく、心からの笑いだった。
明らかな嘘を自信満々の余裕たっぷりに言い放つ、その姿があまりに滑稽だったからだ。
「そんな嘘、天核からの預言者だって言う方がまだ説得力ありますよ。あなたの部下たちは本当にそんなデタラメ信じてるんですか?」
「同盟者たちに信じてもらうつもりはない。まあ、デタラメではないがね」
「部下の爬虫人の前で嘘を認めるわけにいかないのはわかりますよ。もしくは自分でも信じている嘘なのかもしれませんけど、敵の首魁がどんな人間なのかと思っていたら、こんなくだらない奴だったとは」
「案外、頑ななんだな、君は」
深くため息をつく。自分の呆れが確実にクランツに伝わるように。
わざとでもあり、本心の行動でもあったが、比率は本心にやや寄っていた。
「ありえないんですよ、あのアイランさんがしくじるはず無い。ルネイ国人衆、ことフェルマーの子供たちは"兵の魔女"が全員殺した。首だってあるんです」
「私がいた隠れ家の下の階では、協力者の家族が住んでいた。その末の息子が、当時の私と年齢的に近くてね。彼女が持って行った首はその子だ」
「都合のいい説明ですね。たずねられた時に答えられるよう、一生懸命考えて練習したんですか?」
アイランと行動を共にして一日半程度しか経っていないが、それでも確信している。
彼女が仕事をしくじるはずがない。生き残りなどいるはずがないのだ。
クランツは少し困ったように鼻でため息をついた。
それから、少し身を乗り出して、声を潜める。
「君、彼女に種は仕込んだのか?」
「へぇっ!?」
思わず声が上ずってしまう。せっかく気を張って挑発していたというのに、台無しだ。
しかしだからこそ、それは純な反応だった。
一瞬、自分を混乱させてペースを握ろうとするクランツの策略かとも思えたが、茶化したり小馬鹿にするような態度ではない。
真面目に、というよりも至って当然の質問だとでもいうような、さりげなさだった。
「どうなんだ?」
「あっ、えっ、その、種って、そんな、その」
まっすぐ見据えるような目に射抜かれ、つい視線を逸らしながら赤面してしまう。
彼にとって、アイランとの絡まる記憶は未だ鮮明かつ、刺激的なものだった。
思い出すだけでつい体温が上がり、股ぐらに血が集まってしまう。
「まあいい、その反応で大体わかった。まずは卒業おめでとう。しかしそうなると困ったな、私のことはもう彼女から聞いて知っているものと想定していたんだが」
頭をかき、それから口に手を当てて逡巡する。
ややあって、何かを閃いたようだ。当てていた手を解き、膝を叩く勢いのまま口を開く。
「『フェルマーの日誌』は君らが回収して公開もしてないはずだな?」
「ええ、そうです、けど」
「よし、その表紙には中央に錠前の細密画が描かれているはずだ。装丁はなめしたゴラ皮だが、皮張りに失敗して左下がヨレてシワになっている」
クロスは息を飲んだ。『フェルマーの日誌』の装丁は見たことがあったからだ。
師であるアッサルートはよく、彼の前でそれを持ち歩いたり、読んだりしていたのだ。
"忌み子"の治療に使える情報を探して、幼いクロスに起きている変化を即座に察知し、その意味を知るために。
『フェルマーの日誌』と、先代の"腑の魔女"が著した治療記録は、かつての師がシリネディーク城内で常に携帯していた書物だった。
だからこそ、クランツの言葉が事実であると確信できてしまった。
師は常に持ち歩いていたとはいえ、見せる相手はきちんと選んでいた。
自分がそれを読んでいるという情報も、ほとんどの者には知らせていなかった。
クロスに対しても、隠しおおせるのに無理があるからいっそ開けっぴろげにしていただけで、無頓着だったわけではない。
なればこそ、その装丁を知る者など、いないはずであったのだ。
それなら、この男は、もしや、やはり──
「わかってくれたようだな。その方が話が早い」
背もたれに背を預け、小さくはにかむ。
クロスはあくまで沈黙を守ったが、その心中は見透かされているようだった。
「君をここに連れてきた理由は二つあるが、今ここで実現可能なのは一つだけだ。だから、話させてもらうぞ。多少一方的ではあるがな」
立て続けに襲い来る予想外の事実の連続に、ついつい駆け引きを忘れて聞き入ってしまうクロス。
だが、この言葉に続いてわずかな溜めの後、言い放たれたものはついに彼の思考を凍りつかせてしまった。
このクランツが黒幕であり、"フェルマーの子供たち"の生き残りであるという事実すら受け止めきれていないというのに、である。
「アイラン・ヘルゼンデル。私は彼女と結婚しようと考えている」




