夜長月-次の客人
私
連絡がこない
イライラする
日曜10:00メアリー宅
「簡単なお話です、ピンチのお姫様を救った村人という訳ですよ」
なるほど、それがどうやって結婚になるのか教えてください先輩。
「異種族間結婚ってのに憧れの有る国なんですよ、王女様の国は」
憧れとは?
「実はですね異種族間では子供が出来ないのです」
ではハーフエルフとかそういった者は居ない?
「居ません、でどこが憧れかと言いますと」
へー?こっちは鬼と人のハーフとか居るのにね。
「ふむ?どういう事であろうな、世界が拒絶しているのかの?」
どうなんでしょうね、全くわかりませんね。
「世界を救った初代皇帝が5種族の女性と愛を誓ったというお話から来てます」
「子供は出来ないけれどもずっと一緒に居ましょうと」
なるほど、それはそうと初代皇帝ハーレムなのな。
「確かにそうね、綾くんもやっぱり?」
「・・・・・・彼女はその王族のお姫様って事です」
ごまかした、ごまかした!
「そう、私とアーヤは運命の赤い糸で結ばれた者同士なのよ!」
「王族ナラ子供が作れないアヤとは結婚出来ないんじゃナイノ?」
子作りは大事だよね、先輩!
「家は弟が継ぐから問題ないわ!私は愛に生きるの!」
そうかー、弟さん大変だな。
「という訳で王女様は来週金曜に送りますので、あと師匠に報告等...」
はいはい、また三鳥様にお願いするんですね。
「あとは、そうですねぇ。白露さんにお願いするのもアリかもしれませんね」
「・・・・・・どうしてその名が出てくるのかな?綾くん」
ですよねー、何時の間に仲良くなったんですか?先輩。
「・・・・・・えぇちょっと・・・・・・」
不穏な空気。
「綾よ...我では物足りないと言うのかの?」
顔をそらさないでください先輩、こっち見てくださいよ先輩。
「リスクがある以上どなたかにお願いする事になりますから、協力してくださる方は多い方が」
確かにそうなんだけど。
うーんご先祖かぁ、変な感じするよね。
「アーヤ?師匠ってあの九尾の狐ですか?」
九尾の狐?
「あぁ、彼女は私の姉弟子です」
姉?また女か!
じーっと見つめる。
「では誰に師事しているのです?アーヤの力ならそれはすごい人に教わっているのでしょう?」
ってあの爆乳狐だよなあ。
しかし九尾以上なのかあの狐。
「・・・・・・空様です」
お姫様が固まる。
「え?あ?へ?空?もしかしてあの空?」
「あの空様ですよ」
姫様のこの怯え様、やっぱり駄目な奴だったかあの狐。
「空ってあの、一睨みで国が蒸発し、腕の一振りで4つの国が消し飛んだっていうあの空?」
「その空様です」
あぁ、ホントにやばい奴だったよ...
姉も三鳥様も渋い顔をする。
「世界の災厄/最悪と呼ばれたあの空?」
「その空様ですよ...」
そんなのがこっちの世界に来てたのかよ。
姫様が怯えている。
「・・・・・・負けません、私は負けませんアーヤ!」
ガタガタ震えてますよ姫様。
「とりあえず服買いに行きましょうか」
お買い物ね、わたしがついてきますよ。
「全員で行くワよ?車も買ったしネ!」
新車か、メアリーはもうマイクロバス買えば良いんじゃないの?
「アリかもネ」
「という訳ですみませんメアリー、金曜まで私と王女様2人泊めてください」
その後はお姫様の観光となった訳だけど、
「アーヤ!これを帝国に持って帰りたいのですが!」
「お土産は無しでお願いします」
「アーヤ!私も自動車が欲しいです!」
「土産は無しです」
「アーヤ!これ美味しい!」
「土産...向うでも作れるのでレシピメモ差し上げますよ」
五月蠅い、異世界から来たから仕方が無いのだけど。
18:00メアリー宅
「食事ってどうなんですか?」
「初代皇帝のお陰で帝国内は現代に近いですよ、あくまで近いだけですが」
異世界転移者のお陰だね。
「それと帝国は気候が穏やかで水も豊富なので他国より豊かなんですよ」
なるほど。
「あと奴隷の禁止、種族間の争い禁止してあります」
確かに前行った時平和でしたね。
「お陰で各種族の本国からの信頼もそれなりに得ています」
意外と平和なのね、異世界。
「帝国のすぐ近くに大きいダンジョンがあり、ダンジョン需要も有りますね」
危険じゃないんですか?
「大丈夫みたいですね、1500年位でしたか?帝国誕生以来危機はなかったようです」
ダンジョンが溢れるとかよく聞きますよね。
「帝国からダンジョンまで冒険者街と言う物が繋がってまして、温泉が楽しめます」
なにそれ超行きたい。
「いやいや、異世界なんていくもんじゃないですよ」
なんでですか?!
「いやまぁ...色々あるのです」
言えない様な事なんですか?!
「言えない様な事なんですよ」
「女ね」「女ネー」「女か」
「・・・・・・違いますよ」
先輩こっち見てくださいよ、お話しましょうよ。
「もしもし、綾です。白露さんですか?」
『そう』
「実はお願いがあるのですが、今電話大丈夫ですか?」
『大丈夫』
「金曜の夜に化物退治をお願いしたいのですが」
『わかった、だけど前の借りを返してもらってない』
「う...ちょっと今客人を迎えてまして時間を取れそうに無いんです」
『では次にたっぷり返してもらう』
「・・・・・・わかりました、で場所や時間なんですが~」
月曜07:30メアリー宅
「今回は白露さんにお願いをしました」
「ほう?我を差し置いて別の女を選んだとな?」
「・・・・・・毎回三鳥様にお願いするのも悪いかと思いまして」
顔が明後日向いてますよ、三鳥様を見て言ってくださいよ。
「その白露という女みてやるかの」
こっわ、三鳥様と白露引き合わせるとか怖すぎる!
「なにとぞ穏便に...」
無理ですよ先輩。
「すみません千早先生、今週いっぱい休みます。王女を野放しには出来ないので」
「わかりました私が伝えてあげるわ」
『主からの連絡が途絶えて3か月』
『下僕からの連絡も無し』
『不覚を取るお方とは思えないのだが、こんなことは今まで無かった』
3人が囲むテーブルには、ドロリとした液体が注がれたグラスが3つ。
『場所は分かっているのか』
『あぁ、把握している』
『では行こう』




