PROLOGUE
全15話
完結まで1日4回6時間置きに投稿予定です
"オリヴィア・ネーデルヴァルト"
自分の名前を自覚したときに、ふと、気付いてしまった。
うわこれ、続編じゃん。
ё ё ё ё ё ё
『暴君皇帝の愛した野花』
平民出の平凡な少女であるヒロインが、ひょんなことから皇帝に目を付けられ、共に過ごすようになり、恋に落ちて結ばれると言う、よくあるシンデレラストーリーを描いた小説だ。よくある王道物語だが、だからこそ気軽に読めて、しかも挿し絵がとんでもなく美麗だったので、それなりに人気はあったのだと思う。コミカライズもされて、続編も出て、話題になった。
話題になったのは続編がとんでもなかったからで、普通はヒロインとヒーローはそのままに、幸せなふたりに新たな事件が起きて……と言う内容を出すであろうところ、作者はなにを思ったか突然次世代編を始めたのだ。思いが通じ合って結婚したふたり。その続編と来れば甘々の新婚生活が見られるはず、と期待していた読者たちを裏切り、突然三十年後に飛んでいる舞台。ヒーローはオッサンになっていて、ヒロインはあろうことか、すでに故人である。なんでや。
しかもヒロインに矯正されて暴君でなくなったはずのヒーローは、なぜか暴君に逆戻り。続編のヒーローである皇帝の息子もまた、とんでもない暴君皇子になっている。どうしてこうなった。そしてやっぱり続編ヒロインも平民の平凡女。これはこれで面白いけど続編名乗る必要あったか、思てたんと違うと、読者を大荒れさせて、その炎上のせいでむしろ売り上げを伸ばすと言う、もう炎上商法狙ったんかなと言われたくらいの問題作なのである。
『暴君皇子の愛する小鳥』
その、問題作で、知らんあいだに死んでた前作ヒロイン以上に、不遇だと言われたキャラクターがふたりいる。ひとりは、ユステイン・マイスタージンガー。前作の当て馬侯爵とヒロインの友人が結婚して生まれた息子と言う、もう立ち位置からして不遇。いろいろやらかす暴君皇子の尻拭い役で、今作でも当て馬に抜擢されている。しかも最終的に冤罪で投獄され処刑されかけるも、ヒロインによって救い出されるが、それが暴君皇子の不興を買って国外に飛ばされると言う、可哀想過ぎる役回りなのだ。
そしてもうひとりは。前作で暴君皇帝の補佐に奔走していた補佐官、続編においては出世して宰相になっている男の、末娘である。宰相の娘だけあって父は公爵、母は皇帝の姉と言うやんごとない血筋のお嬢さまで、血筋だけならむしろ平民混じりの皇子より良いくらい。さらに、三歳で水の精霊王の加護を得て、教会に聖女認定を受けると言う超ハイスペック令嬢。なのになぜ不遇かと言えば、皇帝・皇子、さらにその姉である二人の皇女に至るまで、皇族が不倶戴天の勢いで聖女を毛嫌いしているからだ。その力を良いように利用して馬車馬のように働かせるくせに、冷遇に次ぐ冷遇。続編ヒロインが庇ったお陰でようやく待遇改善かと思いきや、それすら気に入らないと無理矢理戦場に行かされ、そのまま戦場で過労。魔法による爆撃に巻き込まれて死亡し、死体すら残らないと言う。
作者、聖女になんか恨みでもあるのか。
そのくせヒロインが光の精霊王の加護を得て聖女認定を受けると、手のひらクルーで褒めそやし始めるのだから、わけがわからないよ。もっとオリヴィアちゃんも大事にして!!
そう。そんな不遇キャラの襤褸雑巾聖女、名前をオリヴィア・ネーデルヴァルトと言う。
なにを隠そう、今世のわたしの名前である。
拙いお話をお読み頂きありがとうございます
転生幼女オリヴィアちゃんの奮闘記
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