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05.いざ、鞍馬

 そういう訳でMt.鞍馬に挑もうというパーティメンバーを俺は見並べた。

 皆勇み立っている。だが、少し不安な表情も見せていた。俺にはその理由が手に取るようにわかった。

 一般に言われているMt.鞍馬挑戦の推奨レベルよりパーティ全体のレベルが低かったからだ。それでも遠征には誰も異論を挟まなかった。

 俺つまり姫の命令だからである。


 でもなぜ、低レベル攻略を俺は提案したか。

 勝算があるからである。


 通常、Mt.鞍馬攻略に相撲を含むパーティを組むのは難しい。  

 これはただでさえ少ない相撲は初心者層ではライトユーザーが多いために更に少なくなるからである。そのため、攻略サイトのいう推奨レベルというのは自ずと相撲を含まないパーティを想定したものになる。

 だが、俺、つまり相撲がいることでMt.鞍馬の攻略難易度は下がる。よって推奨レベルよりも低レベルでの攻略が可能なのである。ちゃんと計算のうちなのだ。


 それでもほんのちょっとだけ不安ではあった。だが、そこはまあ、根性とプレイヤースキルでどうにかなるだろうと思っている。

 パーティのジョブのバランスははっきり言ってMt.鞍馬攻略に最適と言っても過言ではないのだから。


 現パーティは俺を除けば4人。


 見た目はゴツいショタボイスの侍『†kuraudo†』

 殆ど無口だがことあるごとに俺にアイテムをプレゼントしてくれる薬師『あああき』

 隙あらば俺の個人情報を聞き出そうとする忍『武神★滅王』

 今一意思疏通の難しいオーストラリア人の狩人『satan4368』

 

 前衛に後衛に隙のない布陣である。

 そして皆、一癖も二癖もあるが、俺にメロメロで忠誠心もある。

 俺のためなら例え火の中、水の中、どんなところでも特攻してくれる頼り甲斐のある4人だ。

 こうして俺たちは、俺こと貴重な相撲かつ女の『富士美猫』の号令のもと、Mt.鞍馬遠征に足を踏み出したのであった。

 のだが、俺たちはすぐさま撤退を余儀なくされた。

 

 兵糧が足りないことに気づいたのだ。


 このゲームには兵糧という概念がある。

 遠くに多人数で遠征するにはより多くの兵糧が必要なのである。 

 兵糧はなんやかんやゲーム内のバランスを保っているとの運営の談であり、上級者は兵糧を考慮した立ち回りでゲーム性が凄いと評価しているらしいが、俺たちにとっては面倒でしかない。

 しかも相撲のプレイヤーの俺にとって兵糧はネックである。

 相撲は見た目の通り、特に兵糧の消費が激しいのだ。

 要は相撲は燃費が悪いのである。

 

 それでも、いつもの近場のダンジョンであれば兵糧自体気にすることなくプレイでき、兵糧がなくなる心配もなかった。だが今回は遠くに征くと書いて遠征である。兵糧の計算は必須だったのである。

 

「こういう計算をしといてくれわよ!」


 俺は4人に怒り、4人はしょぼんとする。だが、それを見てそういえば遠征するとは事前に全く告げていなかったことを思い出した。それでは兵糧の計算も出来ないのは仕方ない。

 でも一度怒った手前、退くわけにもいかなかった。あと4人ショボくれたというのも間違いで、忍の武神★滅王だけは何故か隠れてにやけていた。


 純粋に気持ち悪いと思った。

 

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