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あなたは次期魔王候補に選ばれました  作者: coffeeゼリー
第3章 灼熱のフラッグバトル
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第13話 決着と真実の片鱗

火の龍に呑まれたリリイの運命は如何に…?

 俺は…死んだ…よな?



 火の龍に呑み込まれ、痛み、熱さを感じた瞬間に意識が無くなった…気がする?



「本当に似てるな…我々に…」



 こ、この声は…!あの時の影の声…!



「しかし、君達はきっと我々とはまた違った未来を

 見せてくれるのだろうな」



 あ…え?えーっと…?



「私はここで見ているよ。あの娘の思い、受け取っ

 てくれ」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 こ…ここは何処だ?体が軽い。



 さっきのは一体…?



 目が覚めると辺り一面に土埃が舞っていて周りが見渡せない。



 気付けば、腹部の傷、体中の火傷の痛みがない。



 ここは天国?それとも地獄?



 そんなことを考えていると前方の土埃に大男の人影が写る。てか、突っ込んでくる。叫びながら。



「ウオオォオオォォォォォォ!!!!リリイ君!

 無事かぁぁぁぁぁ!!!」



「えっ…?ドラク…?」



 ドラクは突っ込んできてそのまま俺を抱き締める。



「生きてる!生きてるぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!」



「くっ、くるしっ…」



 何でドラクが!?俺は…生きているのか!?



「むっ…リリイ君、裸じゃないか」



 …どうりで体が軽いわけだ。



 ドラクが指を弾くと、ブカブカの上着を着せられる。



「あ、ありがとう…じゃなくて!決闘の結果は!?

 あと俺…俺は死んだはずじゃ…?」



「決闘は…君の勝ちだ」



「えっ?」



 えっ…勝った…?俺が…?



━控え室━


「ドォォォラァァァァァァァクゥゥゥゥ!!!」


「り、リリン…そんなに怒るなって…」


「あんたねぇ!熱くなるのは自由だけど、力加減を

 失敗し過ぎなのよ!これで何回目よ!?」


「さっ、3…いや、4だったかなぁ…?」



 近くでリリンがドラクに掴みかかっている。控え室に帰ってきてからずっとあんな感じだ。



 かくゆう俺はネベルとサナティエルに抱きつかれている。



「あいぼぉぉぉぉう!無事で良かったぜぇぇぇ!」



「良かった…です」



「おいネベル!どこ触ってんだテメェェェェ!」



 ぶかぶかの上着の下に手を滑り込ませんな!



「それ…私…」



「サナティエル!?なら…OKだぜッ!!」



 結局、決闘はあの火の龍がフラッグと共に台座を跡形もなく破壊したので俺の勝ちとなった。



 未だに勝った、と言われても自覚がない。



 俺の実力で勝ち取ってないし…当然か。



「リリイ君」

 げっそりしたドラクがそばに来て俺の肩に手を置く。



 リリンお叱りタイムは終わったらしい。



「本当にすまなかった。つい熱くなってしまっ

 たよ」



「あぁ…いいんですよ。なぜか生きてるし…」


「そうかそうか!ならば良いんだ!」



 そう言うとドラクは自分の眷属を連れて出口へ足早に歩き出す。切り替えの早さになんだか釈然としないが…まぁいいか。



「あぁ、そうだ」

 ドラクはふいに立ち止まって振り返る。



「?」



「また戦おう。次は俺も全力でいく」



 …!



「あ、あぁ…!俺も…俺も、もっと強くなる!」



「期待しているぞ」



 その言葉と共にドラクは去っていく。



 こうして、俺の初めてのグレート・ゲームは幕を閉じた。



━観客席━


 観客が殆ど帰った観客席で二人の少女が話している。



 魔王候補マイヤ・レヴィヤタンと、同じく魔王候補のヒュプノー・ベルフェゴールだ。



「いやぁ二人とも凄かったね!マイちゃん!」



「そう?ドラクはともかく、リリイとか大したこと

 なかったじゃん」



「なんでなんでー?」



「あいつはあの魔剣と『魔王の魂(サタンズソウル)』なきゃ下級悪魔

 みたいなもんでしょ?」



「私が訊いたのは、そう思ってるのになんでそんな

 に嬉しそうなの?ってことなんだけどなー」



 ヒュプノーの核心を突く一言にマイヤはたじろぐが、一転、ニヤリと笑う。



「…次は私があいつとやるわ」



「ほんと!?頑張ってねマイちゃん!」



ーVIP席ー


 VIP席には5代目魔王リリヴィム・サタン一人だけが残っている。



 彼の独り言を聞いている者はいない。



「計画は無事成功、だな」



「…かなりギリギリだったが、な」



 もう、後戻りは出来ない…そう呟いてリリヴィムはVIP席を後にする。



ーリリイ領 領主の館ー


 領主の館にある巨大な露天風呂に俺は浸かっている。



 とにかく疲れた…



 アナクの魔神、あいつはお腹が空くと活動を停止するらしい。魔力消費無しで動く反面、大喰らいで、少し動かすだけでも大量の食料が必要らしい。そんな食料どこで調達するか…



「はぁ〜〜いい湯ね〜」



 …なんか隣から女の子の声がするんだが?



「…なにしてんの?」


「なにって、お風呂に入ってるんじゃない」


「ちげえぇぇよ!何で!男湯に!リリンがいるんだ

 よ!?」



 ほんっっっと…いつの間に現れやがった!?せめてタオル巻け!見える!見えるだろうがぁ!



「まぁまぁ、落ち着きなさい」



 落ち着けだと!?…とりあえずムスコを隠すか。



 落ち着いて元気なムスコを両手に収納する。



「あなたが無事で本当に良かったわ」



 リリンが突然切り出す。



「リリン、教えてくれ。俺は死んだ筈じゃ…」



「あなたは死んでないわ。あの攻撃を受けてもね」



 …?



「単刀直入に言うわ。あなたは『不死者』になった

 のよ」



「ふししゃ?」



 なんだそりゃ、不審者じゃないよな?



「不死者は魔力の全盛期から歳をとない、死に至る

 ダメージを受けても、超回復で死を回避する者よ」



 なんだそりゃ…不死身ってやつ…?



「なんで俺がそんなのに…?」



「サタナの秘術が原因と思われるわ。バフォメット

 曰く『他人を不死者へ変える能力』がサタナの秘

 術に存在するらしいのよ」



 俺は今日、アナクの魔神を覚醒させたが…それとは別の能力にも目覚めていたということか…?



「まぁ、なんであれ」



 リリンは唐突に俺を抱き寄せる。



「な、なななな何何!!!!???」



 む、胸が!よこちちが!顔に当たってェェ!?



「主の私はあなたが誓いを守ってくれて嬉しいわ」



 そうか、一応勝ったんだもんな…



「ハハ…大分情けない勝ち方だったけどな…せっか

 くのチャンスを俺は掴めなかったし…」



 幻影魔術に気付けていれば…



「それで良いのよ。一歩ずつ進みましょ?」



 至近距離で目が合い、リリンが微笑む。



「一歩ずつ…ね」



「大丈夫!あなたのバックには私がついてるのよ!」



 リリンが得意気に言う。



「それもそうだな…なら次は実力でドラクに勝って

 やるぜ!」



 俺はいつもリリンがしている様に微笑む。



「誓う?」



「もちろんだ…んむっ…!」



 俺を抱き抱えたまま人差し指を俺の口に押し付ける。



 後で知ったが、指へのキスは「信頼」という意味があるらしい。



「あなたなら出来るわ。私は信じてる」


フラッグバトル編終了です。

次回から日常章です。

次回もよろしくお願いします。

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