決意
しばらく取り乱したロゼッタを見ていた私だがそこで彼女の友人エーデルが、
「ロゼッタ、ロゼッタ」
「何よエーデル、私もう……」
「アニス様は公爵令嬢だけれど。後、デートをしているそちらの方も貴族なのでは?」
エーデルの言葉に、はっとしたようにロゼッタが私を見た。
ようやく彼女は気づいたようだが、そこで、ロゼッタは、
「アニス様、お願いです、何とか宝物庫のものを手に入れるための方法を、お願いします」
「それは構わないんだけれど、昨日私は王子様に婚約破棄されたばかりなのよね」
「う……それは……確かに噂になっていましたが」
ロゼッタが呻くように呟く。
婚約破棄されたばかりのこの状況、仲は最悪。
貴族同士とはいえこの状況でお願いごとを聞いてもらえるようには思えない。
普通に考えればそうだが。
私はそばにいるオズワルドを見上げる。
「どうかしましたか?」
「……貴方は何処まで、この婚約破棄について知っているの?」
「? デイジー嬢を嫌がらせをして退けようとした、といった話がありましたが、確か調べさせて昨日の夜聞いた範囲では、アニスの話は何処も間違ってはおらず、そしてその話も王子は知っているようでしたね。もっともアニスがそんな事をする人物ではないと私はおもって、その汚名を取り除ければと思って調べさせたのですが……アニスを私が手に入れてからでも遅くはないと考えていました」
わざわざ調べさせたらしい。
しかも私がそんな事をするはずがないと信じていたらしい。
口先だけ、と取ってもいいのだけれど、
「……時々貴方が、他の人が誤解された時に手を差し伸べていたことも、私は知っているわ。トルア男爵の話がつい最近だったかしら」
「……私に興味がないと思っていたのによくご存じですね、アニス。でも、私を見ていてくれて嬉しいです」
オズワルドがそう答えるのを聞きながら私は、決めたのだった。




