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第37話『オドロと技の源流である少女』

 


 放射性物質を含んだ生命体……。

 あの水餅さんがごときが!?

 目玉がぎょろっと側面にあって気持ちは悪いがまさかそんなやばい敵だとは……。


 

 ……問題は本気でこのタイプの敵は殴れない……。

 近くに弾丸(都合のいい敵)がいないから肆匹目 ニシキで蹴り飛ばしてあいつにぶつけることもできない。

 っていうか私の技は全部派手だからぶっ飛ばしたりしたら、放射能が周りに飛び散ってここにいる人達が被ばくしてしまう!

 爆散させないように威力を抑えた遠距離技……。

 へなちょこの技……。

 雑魚の技……あったよぉ~な…………。

「お嬢ちゃんは下がってな!!」

「ここにいる人たちは万歳ストームが守る!!」

 くぅうう~~!!

 思い出せない!!




 

 ――モンスターをひきつける体質の私がいて、それのしりぬぐいを他人におわせていいの!?



 いいわけないでしょ!そんな情けない青春!!全力で私が望んでいない!!

 そんな私が少しでも心にいるなら前歯折ってやるッ!!



 思い出せ……!!クソザコ遠距離技!!

 相手の急所を狙い定めて撃つ技!!





 ――――いや、私の技にそんなの本当にあったのか!?



 クソザコの時点で私の技じゃないんじゃない?





 いや、そう考えるとあるはずだ。

 私は武器を使わない。弱くなるから。



 ――つまり武器を使った技……。



 サイムを守るために作った……。

 あ!!ある!!あいつを遠距離から射抜く技!!




 ――――私は周りを見渡す。



 このビオトープに水か空気を送っていそうな鉄パイプのを発見し、壁からもぎ取る!

 タマシイさん達が接近しつつある。

 息を急速で吸い込み、水餅さんの側面にある『目ん玉』に狙いを定め叫ぶ。

「どいてェッッ!!カンミおじいさんッッ!!タマシイさんッッ!!」

「「あの構えは!!?」」

 万歳ストームの2人は足を止め振り返り、唖然として私を見る。



 恐らく彼らが驚いたのは二重の意味だ。

 1つは鉄パイプを持った可愛い私にときめいたこと。

 2つ目はこの構えは『サイムの技の構え』



 私がサイムに教えた高達流闘術その『派生』。

 ヨガのポーズと不規則なリズムで臨機応変に戦うサイムの流派。



 この技は足を一歩踏み出しどっしりと構え、腰を落とし肩を意識しつつ、全筋力で腕をしならせ槍を射出する技。

武山流槍術たけしやまりゅうそうじゅつ弐合目(にごうめ)!!高尾(たかお)ッ!!」

 槍に見立てた鉄パイプは水餅さんこと、オドロさんのそのぎょろにょろの目をゆがませて貫き通すッ!!

 




 ……。






 ……ん?



 どういうことだ……?







 いつもの勝利宣言と行きたいところだけど……。

 オドロさんは目を貫かれたところから、黒い血をぽたぽたた流すだけで死んでない?

 生きてる。動いてる……!!

 水餅のような体をくねらせて球体を引き延ばし、いたるところが変形して腕の様にくねらせている!







 彼氏(サイム)のクソザコ技だとやはり威力が足らない!!







「「よーーくやった!!嬢ちゃん!!」」

 私が仕留めそこなったのを見て、突然前方にいる万歳ストームの2人が叫びだす!!

「残り目玉の数は3つ!!さっき体の中に潜った!!おやっさん!!」

「見たぞ!!おそらく背中に移動した!!」

 2人は素早く移動しており、遠目でイマイチはっきりしないが……歯車の形の穴の開いた楕円形の手のひらサイズの道具を懐から取り出す。

 あれは冒険職が使う武器だった気がする……確か……『ガジェット』だったかな?

 あの歯車の穴の中に『武器ギア』をぶち込むことで特定の武器に変形するそういう武器だった気がする。

 ようは日曜朝のヒーローものみたいに突然現れる武器みたいなアレだったはず!

「「ガジェットギア・セット!!」」

 2人がギアをセットするとガジェットに収まった歯車はくるくる回りハンドガンへと変形し、彼らの手元に収まる!

 あれが冒険社の武器……。

 ギアを変えるだけで別の武器に変化できる汎用性に優れた最もコンパクトな武器。





「タマシイッ!」

「おやっさん!単縦陣!!」

「了解!!」

 あの2人……私から見てもすごい練度だ……。

 『了解』と返事したそのころには、フォーメーションを組み終わってる。

 しかも走りながら、かつ相手の動きを観察し、自身が被ばくしないように距離を取り他の人に配慮しながら……。

 さらに攻撃の隙を与えないようにしているし、2人とも呼吸のタイミング、足並み、身長差があるのに速度が完ぺきに揃っている。

 ここまで来るのにどれだけの時間を彼らは費やしたのだろう……?

 チームワークの高さがとんでもなく高い……。

 さらにカンミさんはも76歳なのに全然老いを感じない……。



 これがエイドスドアルームに挑んだ冒険社か……。

 私がいない間、サイムを支えたライバル企業、万歳ストーム……。

 これはおそらく私が割って入り込めないほど研究しつくされ、チームワークの練度をあげた『超戦術型の攻撃』だ。






 

万歳式(ばんざいしき)特一第壱(とくいちだいいち)戦術(タクティクス)!『吹雪(ふぶき)』!」

 


 小柄なカンミおじいさんがジャンプをし、タマシイさんがバレーボールのトスの要領で打ち上げ、オドロが暴れ狂う合間を空中で回避している。

 さらにそこから地面に着くまで、軽くけん制代わりに弾丸を撃っている!

 その空中での激戦を見届けずにタマシイさんが、別方向へ切り替えしダッシュしていく。

 恐らく空中にいるカンミおじいさんは囮!

 派手な動きをして、小柄なカンミおじいさんはちょこまか動き回って気を引いているんだ!

 タマシイさんは、素早く羽のように動いている。

 砂場のようなフィールドにパッと見て足跡がついていない。

 目を凝らさなければ見えない、おそらく特殊な足さばきで移動しているんだ。

 気配もそれなりに絞りつつ、相手の背中へ回り込んでいる……。

 






 私も負けてられない。



 だって、サイムのライバル=私のライバル!!



 なら同じ、動きでオドロさんの背中へ……と……。

 こんな感じ?かな?





 確かに面白い足さばき……。

 足を地面をける瞬間との摩擦を考えながら、モモの筋肉の動かし方、腰の落し方と左右へのくねらせ方がコツっぽいね……。

 体の軸で全身を利用して進む技術ね。

 あとは適当な鉄パイプがあれば私も攻撃できる……!

 周りをきょろきょろと探していると……。

 

 

 

 ――――バンバンという発砲音!



「キュゥウウゥゥゥ!!」

 オドロさんが苦しむ悲鳴!!

 私が鉄パイプを探している間に、万歳ストームの2人が急所に当てたんだろう。

「残り1つ!!」

「頭頂部に目玉が移動した!!攻撃に注意せよ!!」

 そ、タマシイさんの言う通り。

 急所に当てたモンスターはメタボコに暴れちゃう!

 ここは早期で決着を付けなければならない……。

 何か鉄パイプとか物干しざおとか……。

 う~~ん……。


 


 ――問題は武山流槍術は確か遠距離技がレパートリー少なくて、あまり強くないんだよね……。

 

 



 ――――あ、別にサイムの技で倒さなくてもいいんじゃない?



 ――残りの目玉は1つだし。










 ――ってか、技使わなくていいじゃん。









 オドロさんは自分の肉体を変形させて触手のような姿になり、あたりに広がろうとする。

 入り口近くに、イチちゃんとみーさんがいたのが見えた。

 優しく微笑みかけたのち、オドロさんに向かい合う。

 ドーム球場くらいありそうな身長になる。

 急所を突かれて怒っているのか、暴れているね。

 まぁ倒すけど。



 


 

 ――私は自分の靴を半分脱ぐ。





 そして狙いを定め、靴をサッカーボールの要領で蹴る。

 つまりは小学生がよくやる靴飛ばしだ。


 

 

 ――0.5秒後。

「ピュ、ギュ……ぃ!?」

 水餅のような体の頭頂部にある小さなバスケットボールサイズの目玉を蹴りえぐるッ!!

 こういうタイプの敵は『爆発する』って身体が知っている!!

 なら、さっきと違い!全力で少し前にいるタマシイさん達をひっとらえて爆発する前に安全圏である入口の方まで走っていけばいい!!



 と思ったが、考えるより先に身体はすでにその通りの行動が既に完了していた!!



 後方から爆発音と共に黒い飛沫が飛び散る


 

 ヨッシャア!!これが私なんだよ!!女子中学生舐めるなァ!!

 技なんか倒せればいらないんだよ!!

 タマシイさんたち2人と共に入口で水餅の大噴火をみて、いつもの言葉を言う。

「そして私は、敵の存在を(あざ)やかに処理し、対象は絶命した。」

「「状況完了!万歳ッ!!」」








 


 ――私の青春に気持ちの悪いゲボヌブォ目ん玉放射能水餅さんはいらないんだよ!!

 デパートのめちゃうまパフェのように青春に必要とされるものになってから、私の前に来なさい!!

 さ、話の続き聞こーっと!

※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます!

この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。



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本日のヒトメさんによる被害/買い物

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矛盾生命体オドロ:死滅

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