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第33話『社会科見学前日の授業中少女』

 


 ――3日後。社会科見学前日の3限目。



 今は理科の授業中だ。



 あれから独自に記憶とサイムの手がかりを得ようと走り回ったが、収穫は無し。

 おとなしく敵を屠り続けながら学生生活を謳歌しているところだ。

 なお、今朝も私に絡んできた暴走族の禿げ頭と極道のおじさんたち……10人くらいだったかな?

 とりあえず歩道にめり込ませつつ、昏倒させてきた。

 ただこの時代に来てから戦闘の調子が悪い原因はまだ解明できてない。

 戦闘の調子が悪いと弱い雑魚のサイムを守ることができないから困る。

 私はこの調子が悪いことについて、意外に科学的なことが絡んでいるのではと思いこの理科の授業について少しばかり期待している。



 ちなみに今日は座学じゃない『化学室』での実験だ!

 ちょっと楽しみ!



「はーい、では皆さん。今日する実験が何かわかりますか?」

「植物の成分分析です!」

「はい!その通りです!」

 科学の教師にしては珍しい女性のおばちゃん先生がクラス委員長に対して、おばちゃんらしく小さな可愛い拍手をする。

 ちなみにこの人、背はだいぶ小さい。

 恐らく小人っていう人種なのだろうか?

「この世の様々な植物の中には、キンギョソウなどアルカリ性の土壌を好む植物。

そして珍しいものだと昔このあたりで大量発生した酸性の液を放ち、身を防御する食獣植物『パープルメルト』など様々な性質の植物があります。

中には薬などの原材料になる植物もありますが、それを科学的に分析するためにはどうすればいいですか?」

「は?そんなのスマホで調べればいっぱつだしぃー。」

 先生が質問するとギャルがそう言ってのける。





 ただ、それに困り果てた様子で、先生は少し項垂れ。

「いいですか?この都市の外で電波を通っている場所など少ないのです。

ネット回線が通っていない場所で、調べることができず都市外で傷を負ってしまい、適当に薬を作ってしまったら毒だったという事例が毎年必ず報告されます。」

「は?ネット通ってないとかマ?草なんですけど?」

 まぁ草の話をしてるけど……。

「そこで、先人たちはこの花を利用することが多いのです。」

 先生は懐から赤、青、黄、橙、白、紫、緑の七色の花弁をした花を取り出す。

「これは『七色花(なないろばな)』。分類は雑草でこの国の道路脇にだって生えている生息分布が広い花です。

これは古来より農業で土を調べるために使われていたとされる花です。」

「リトマス紙の代わりになるんですよね!」

 すごいな委員長、おばちゃん先生がしたり顔になってる。

「その通り、これは土壌から様々な栄養素を吸い上げる花なんですが、花弁がリトマス紙の代わりになりまたこれが生えている土壌の栄養素の量を測れる花なのです。

赤い花弁が青に染まればアルカリ性、青い花弁が赤に染まれば酸性、ほかにも毒性があればオレンジの花弁は紫に染まり様々な用途に使える自然界の万能検査ができる花です。」

 へえーーーあれ、結構便利な花なんだ。





 色もカラフルできれいだし、サイムにあった時あげようかな。

 雑草って根性合って私好きだし。

「ただし、注意してほしいのが。

この花弁が全部『黒』に染まった時。

それは『放射性物質』を含んだものです。

その場合は防護服などを着てほしいのです。

この花はいわゆる天然物のガイカーカウンターにもなるわけです。」

 おーーおっかな。クラスもざわつくよね。

「明日行く社会科見学のエイドスドアルームですが、見学コースには含まれていませんが、かつて上層の階には15年前まで核燃料らしき物質があったと聞きます。今は撤去され民間人が見学できるまで安全性が確認されていますので、これは余分な知識として覚えておいてください。」

 ちなみにクラスメイト曰く、この『余分な知識』とやらテストの引っかけ問題として出てくるらしい。

 早速メモしておいた。







 しかし……かつて危険な場所だったなんて……そんなところへ初めて突入し攻略した万歳ストームのタマシイさんってどんな人なんだろう?

 頭のキレる人なんだろうか?

 




 ◇◇◇





 ――4限目。





 移動教室の後の授業って休み時間少ないから超損した気分になるよねー。

 今、まさにそんな気分である。

 4限目はナオト先生の社会科の授業だ。



「はい、今日教えるのは明日エイドスドアルームです。

張りきって予習していきましょう!」

 あ、ちょうど知りたかったところだ。


 

「エイドスドアルームは2021年9月15日午後18時にここトーキョート、旧ショーワ町の地面より出現した球体の巨大建造物です。

出現した瞬間、赤黒い血のような雲がこの惑星を覆い、世界を破壊しかけました。

全長約100㎞、半径約16㎞、内部にはいくつかの階層構造の施設が存在しており、内部の面積も含むと約600㎢。

ざっと小さい都市が丸々一個内包することができるほど、大きな建造物です。

世界を創りだしたといわれる装置であり、そして世界を破壊することができる装置でもあると言われます。

俗にいう『テラフォーミング装置』です。

ここら辺の詳しい部分は現地でガイドさんに聞きましょう。」





 広いねぇ……。

 あれを攻略するって聞くと途方も無いように思うけど……。

「当時の第110代内閣総理大臣はこの時のことを『九・一八事変』、通称『エイドスドアルーム攻略作戦』と命名した。

だが実はこれは引っかけで、実際の攻略が開始されたのは9月17日だ。

そして攻略が決着したのが9月19日。その間で起こった攻略作戦だから『九・一八事変』と呼称されている。

ここはテストに出ようと思っている。」

 クラスメイト曰く、ナオト先生が一番テスト範囲がわかりづらいらしい。

 実はこのテストに出ると言ってまったく出すつもりがないってことはままあるらしいのだ。

 極めて陰湿で意地悪なテスト内容が多いらしい。

 


 しかし……先生の言うことが正しければこれ3日間で600平方キロメートルのダンジョンを攻略して、世界の危機を救ったってことよね?

 ますますタマシイと言う人物が率いる万歳ストームという組織が謎に満ちてきたぞ……。

「そしてこの攻略に関してだが、冒険職を中心として800社が集まってできた合同企業連合が、エイドスドアルームを攻略したのです。」

 へ―――そうなんだ……。


 



 ………………でもそれを始めに攻略考えた人凄いよね。





 しかし、そんな場所を3日で良く攻略で来たよね……。

 どうやったんだろう……?



「ちなみにだが、これは我々の住む国『旭我国きょくがこく』では知っての通り各政党のトップ10人+各省庁大臣+総理大臣が話し合う議会制で政治は進められているが、この時ばかりは満場一致で攻略に関する全面支援をしたのです。

ココもテストに出ると思います。たぶん。」

 だいぶ情報量が多いけど、なかなか面白い授業だね。

 私がいない間の世界情勢とか、サイムを探す手がかりがどこに落ちているかわからないから、これは大切な授業だ。





 


 まぁ戦闘はできても授業で情報を手に入れても、このナオト先生のテストは本当に強敵そうだ……。





 ――――この授業は攻略するのがマジで難しそうだなぁ……。

 








 ――――まぁ、明日の社会科見学を楽しみにまとう。




 ――――……どうでもいい話だけど外の方で、野犬が出たっていう叫び声が出たからそろそろ突っ込んでくるだろうし、デメキンで頭蓋骨を木っ端みじんに粉砕するくらいの覚悟をしておこーっと。

 


※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます!

この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。



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本日のヒトメさんによる被害/買い物

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牙と体格がでかい野犬:描写するまでもなく死滅

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