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【完結】無双無敵少女は超超超絶な青春を諦めないッ!!  作者: ラクルドゥ
最終章『心から愛している無双無敵少女』
249/255

最終章後編『紅金魚の告白』


 ▼▲▼

 ヒトメの視点。

 ▼▲▼



 なんだ!?

 あれ!?



 血が当たったところ。



 ――血が当たった床が消えて行く!

 

 

 歯を食いしばりながら放ってる無双無敵少女の血。

 アレに触れたものが消えて行ってる!

 塵になって消えて行ってる!

 これが真の能力!

 


 血に触れてはならない!



「ここにいるみんな!アタシが消し飛ばしてやる!」

 完全に頭に血が上ってる。

 止めないと!

 人間の出血量的に限界はある。

 このまま粘れば出血死で勝てるかもしれないけど……。






 ――殺してはダメなんだ!!







 彼女は……。




 

 あの子は……。








 ――私の親友だ!!



 私の青春の辞書に『親友を見捨てる』の文字はない!

 あの技をこれ以上使わせやしない!

「ヒトメ!右腕、右脚を伸ばせ!」

 サイムが後ろから声をかける。

 私の遺体の右脚と右腕を投げつける。

「カオスミックスをかけておいた!触ったら混ざるぞ!」

 右腕を伸ばして、右脚を蹴る要領で触る。



 



 サイムと手を繋いだ思い出。

 みんなで笑いあった教室。

 レイトさんと一緒に夕日を見ておにぎりを食べたことを思い出す。





「な、なんだ!さっきのは!」

 無双無敵少女が何か焦りの顔をしている。

「アナタが置いていったものよ。」

「何かわからないけど、やはりここで倒す!!

Id+高達流闘術!伍匹目!」

 ジャンプしている。

 恐らく連続蹴りが来る。

 さらに血がついているから蹴った部分が消滅する!



 ニチ、力を貸して。


 


「拾捌匹目!」

 相手の身体を包むように!

 そして捕えたら相手の関節を外して投げ飛ばすように!!

 最上の最高の投げ技!砕いて投げる!



「なに!?」

「ジキン!」

 


 絶対に消えるわけがない!

 髪の毛が少し消えるが、とっさに能力を解除する。

 この人の目的は私を消すことじゃない。

 生かすことだ。

 私のことを生かしたいなら、体を包み込むような技だと血が体中に付着し大量に飛び散っているようなこの能力は絶対に使用しない!



「うおおおおりゃあ!!」

 思いっきり関節をとらえて粉砕しながら投げる!

 彼女を投げた先にはサイムがいる!

「武山流槍術!

参合目!浅間ッ!!」

 槍を一点に込めて無双無敵少女へと放つ!



「負けないんだよ!!

デメキン!!」

 サイムの槍を思いっきり弾く!

 まずい!武器が!

「応木流!欅ッ!!」

 そこへすかさずソライの一撃が来るか、思い出の生き物が盾となる。

「お前ら2人の攻撃など恐れるに足らない!!」

「正確には4人よ!キャノンファイア!!」

「そういうことだ!目を覚ませ!イチジク!

応木流!桃ッ!!」

 ネリィさんとユミさんが刀とキャノン砲で別角度から応戦する。



 隙ができた!



 この上からなら!

「高達流闘術!拾仇匹目!!」

 最重量の掌底攻撃でその生き物ごと破壊してやる!

 私が弱くなるよりも打破する方が早い!!

「アズマ!!」

「デメキン!!」

 掌底とパンチが互いに交差しあい、私は吹っ飛ばされる。

 その瞬間を追撃しようと、腕を抑えながら無双無敵少女が蹴りを繰り出そうとしてくる!

「肆匹目!ニシキ!!」

「弐拾匹目!ブリストル!」

 私はうっちゃりで攻撃をいなして互いに距離を取る形になる。

 それでも互いにのけぞりながら体制を強引に立て直し、見つめる。



「「絶対にあきらめない!!」」



 思いっきり無双無敵少女を。

 いや、()()()()()をぶん殴る!!

 イチちゃんも私をぶん殴る!!

「ッ!!」

「うおおおおっ!!!」

 私はたけりながら無我夢中で拳を友達の顔面へのばす!!

「ヒーちゃんに死んでほしくないんだよッ!!!」

 イチちゃんも私へと殴り返す!!

 


 ▼▲▼

 サイムの視点。

 ▼▲▼



「サイム!チャンスだ!」

「……。」

 ユウジは乗り気で銃を構える。

 だがそれを俺は、銃を手でふさぎ首を横に振る。

「なにやってんだよ!サイム!」

「みんな……介入しちゃだめだ。」

「な、なんでなんだよ!イチジクさえやればあとはマルだけだ!

今は絶好の機会だ!」

 …………。

「ここからはガキ同士の大切な喧嘩だ。

ここからは俺らは介入しちゃあ、あいつらの心に決着は絶対につかない。

諦めないのなら、決着がつくまで戦わせるしかない。」

「……わ、わかったよ。」

 ユウジは銃を下す。




 ――俺らはかたずをのんで少女たちの殴り合いを見つめる。


 




 ▼▲▼

 普通の少女、ヒトメの視点。

 ▼▲▼

 



 

 


 ――もう技なんて知ったことではない!






 

 イチちゃんが殴ると同時に私は何とか避け!イチちゃんの顔面をわし掴む!

 それをしたと同時にイチちゃんが薙ぎ払うように拳を横腹にぶつける!

「「アアア!!」」

 ただ私もがむしゃらに片手で何度も彼女の肩を叩く!

 だがイチちゃんも負けじと、蹴りで私を転ばそうとする!

 もう疲れからか、蹴られて体は思いっきり横転しながらイチちゃんに馬乗りになられて、襟元を掴まれる!

「アタシが!どれだけ!!あなたのことを思って!!生きてきたかッ!!!

もうレイトとしても!アタシとしても!何もなくっても!!これだけは忘れられない!!」

 4発、重たい、拳が、顔面に喰らっていく!!


 

 負け、ないッ!

「おらああっ!!」

 足の筋肉を動かして、思いっきり馬乗りの状態を押しのけて私も肩を掴み、イチちゃんを地面へたたきつける!

 逆転した!今度はこっちが馬乗りでぶん殴る!!

「私!がぁ!あなたのことを!いつも一緒にいて大好きな友達だって!いつも思ってるのにッ……!!」

 私の拳をイチちゃんは受け止める。

「でも恋愛的な、意味でも……ないで、しょ!」

「うっ!?」

 思いっきり顔面を叩かれて、床を転げる。




 なんとか体を起こすと、肩で息しているイチちゃんが見える。

 無双無敵少女として力を誇示したいわけでもない。

 ただの弱弱しく泣いている女の子の姿だ。

 それはッ私も同じで、彼女の瞳に映る私も同じように泣いて肩で息をしていた。

「アタシは、ずっと!ずっと!!ヒーちゃんと一緒に!一緒にいたいのに!!

ずっと!!あなたと出会ってから、どんな記憶にもある!

『あなたが好きでずっと一緒にいたい!』

でも、あなたは、あなたは!いつだってアタシを見てはくれない!!

ずっと!!ず~っとだッ!!!」

「……はぁ……はぁ……!

だから何!!何なのよ!!

言葉に出して言いなさいよ!!イチジク!!」

「……い、いつまでこの苦痛をアタシは味わいながら生きて行けばいいの!!?

どこまでもどこまであなたが好きなのに!!

見てもらうどころか離れていくばかりじゃない!!

どこまでも苦しいの!!!哀しいの!!!

アタシの青春は苦しくってたまらないよッ!!!」

 イチちゃんの頭突きが私の頭蓋骨を揺らす。



「う……。」



 気絶しそうだ。



 それを踏ん張り、肉体を強引に動かす。

 拳に力を込めて、ひたすらにブレる視界の中、大切な大切な彼女へ拳を振るう!

「その苦し、さ!を!」

 イチちゃんに拳を受け止められる。

 そこへすかさず蹴りを繰り出す!

「私もッ!!」

 イチちゃんがのけぞったのを見て、全神経を拳に宿し燃やす!

「背負って、みせるッ!!!」

「うぐっ……!!」



 全部出し切る。

 イチちゃんも同じだろう。

 息が詰まる。

 


 涙で、ふらつく。



「わかりもしないのに、背負うとか、言わないでよ!!」

 イチちゃんが肘鉄で私殴る。

 頭から血が流れているのを感じる。

 イチちゃんも私の攻撃で青あざと血が出てる。

「だから、隣にいてよ!!」

 私は爪で頬を引っ掻く。

「それが苦、しい、の!わから、ずやァ!」

 イチちゃんが思い切り足を踏みつけて、骨が砕かれるのを感じ、る。

 痛みと激情でぐちゃぐちゃになっていくのを感じる。



「恋愛、じゃなくて、も!!

()()()()()()()()()()()にならないってッ!!

私以外が決めるなぁァァああアあぁァ!!!」

「エぐっぅぁ!!?」

 右手から血が噴き出し力が入らなくなっていく。



 それでも……。


 

 ――誰に何と言われようと私は私の青春を私さえも超えて貫きとおすッ!!!




 イチちゃんとか私とか関係ない!



 私のこの気持ちはどの次元にいる私さえも打ち破る!

 恋愛感情すら超える最上の友愛で!!

 その思いを拳に乗せて、ぶん殴る!!

 くだらない戯言、命、腑抜けた感情!!

 すべてぶん殴って私が文字通り『最上』だ!!

 



「はぁ……はぁ……!ぁ……ぁぁあ!!」

「ッ!!ぁぁ!!あきらめな、い!!」



 


 それでもイチちゃんは倒れない。

 まだ立ちはだかる。

 譲れないもののために、戦う。





 

「け、決着を付けよう……!!」

「ええ、次の一撃が最後……!!」











 無我夢中で息を整える。









「「これで、さいごだ!!」」

 私の拳が見たこともないほど異様に赤くなる。

 固めて出た血が鮫を圧縮したように歪み、龍にも魚にも見えるように形作られ、見たこともない品種の真っ赤な金魚のように揺れていく。

 イチちゃんの血が固まり、思い出の生き物と融合してる。

 周りにいくつものの種類の金魚が地面から口を開けて私を見つめているようだ。





 これが高達流闘術の極みまで来た私達にぶつけられる全力だ。







 

 ――――いくよ。




「「高達流闘術ッ!!」」






 わずかな距離を走っていく。



 ――彼女の元へ。




 ――硬く宿った意志を少女へと拳に返す。

 





 その一撃までの一瞬は永遠のようだ。





「「最終奥義ィッ!!」」










 これが最後の技。

 最後の高達流闘術。

 私の青春のすべてがこもった。

 イチちゃんの青春のすべてがこもった。





 一瞬にして最上と無双の一撃。







 赤き、いや紅き金魚の技。

 その金魚を取り囲む技。




 

 筋肉が脈動し2つの拳が互いにぶつかり合う、逡巡。






 

 イチちゃんが、笑っていたあの頃が一瞬頭をよぎった。










金魚鉢(きんぎょばち)ィィィッ!!!」

紅金魚(あかきんぎょ)ォォォッ!!!」







 互いの腕の筋肉がはじけ飛びそうだ!心臓がバクバクなって止まりそうだ!

 だが負けない!諦めない!私はぶん殴る!!何が何でも!!

 私の友愛で突き進むッ!!

 幸せだった彼女のためにも!!

 幸せをつかんでいくためにも!!




 ――彼女の愛に向き合う!!!



 そのためにも殴って見せるッ!!!

「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォオォォォッッ!!!」」

 押されてなるもんかあアアアア!!!

「イチちゃんッッ!!」

「ヒーちゃんッッ!!」

 今までいくつもの敵を屠ってきた私の金魚達が狭い金魚鉢の中口を開き、一番小さな私の紅金魚を食おうとしている。

 愛をわがものとしようとする金魚鉢の中で金魚達は暴れ狂う。

 デメキン、リュウキン、ワキン、ニシキ、ハナフサ、ランチュウ、コメット、オランダカシラ、ライオンヘッド、ピンポンパール、スイホウガン、チョウテンガン、タンチョウ、パンダチョウビ、セイブンギョ、トサキン、ジキン、アズマ、ブリストル。

 そのすべての技を凝縮したような威力だ。



 だが私のは一撃でいい。



 私という一匹だけであればいい!!

 全ての私を私という一匹で上回る!!



挿絵(By みてみん)



 それが最上()の一撃ッ!!



 


「負けないッ!!」

「諦めないッ!!」

 腕がちぎれそうな中、前へ進む!




 

 進む!進む!!

「な、なんで!?」

「負けないッ!!!」

 だって誰にも負けない金魚!

 負けない私の絶対勝つ必殺の奥義ッ!!




 それが、自らたりえる己の技『紅金魚(あかきんぎょ)』だッ!!

 



「押し切られないッ!!」

「負けるわけないんだよッ!!

だって!だって!!」




 私の大好きな青春は!!





「やだ!!」

 サイムやみんなだけじゃない!!



「いやだよおお!!」

 あなたと一緒にいたいから!!








 そんな超超超超超超超超超超超絶な青春()を抱えた私はッ!!!

 誰にも止められないッッ!!!



 ――右腕が大きく輝き、炎のように揺らめき、全ての金魚を霧散させて少女へと届くッ!!



「こんな……う、うそだァッ!!!」

 歯を食いしばり、隣でいつも見てきた彼女へ伝える!!

 全てに引けを取らない友愛の意を込めた最上の告白を!!









 


 

「イチちゃん!!!愛してるよッッ!!!」

「――――――……!」









 


 ――――それを聞いて彼女は床へ伏して、私も思わず、倒れて意識を、失う……。

※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます!

この物語の『更新』は最終章まで毎日投稿+『金、土、日』はさらに量多めに投稿します!

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