キャラバンは行く
「冷やし中華1つ」
「冷やし混ぜ麺1つ」
今日も勇者の兄ちゃん達が、食べに来た。
「毎日、ありがとなっ!
大銅貨1枚づつだ」
代金を受け取り、作る。
麺を茹でてる間に、カボチャと魚の天ぷらを揚げ、油切りをしておく。
麺が茹で上がったな…
湯切りしたら冷水でしめて、器に盛る。
冷やし中華の方は、水菜、カイワレ大根、千切りきゅうり、錦糸玉子、椎茸煮の薄切り、天ぷらを飾り付ける。
特製ゴマダレをくるりとかけて、完成だ。
混ぜ麺の方は、熱々の坦々風の肉ダレをかける。
たっぷりの刻みネギと、とろける温玉、仕上げの煮干し粉を振り掛けて…、完成だ!
「へい! お待ちどう!」
瓶入りの醤油、樽入りの味噌、顆粒だし、瓶入りの塩コショウ、コンソメの素…
「これ、やるよ」
兄ちゃん達に、日本の調味料を次々と渡す。
生麺とスープも押し付ける。
受け取りやがれ!
ようやく、泣かずに食べてくれるようになったな…。
勇者の兄ちゃん達は、昼夜と1日に2回、7連チャンのお得意様だ。
ランチの後は、他の9台の屋台号を毎日巡る。
若いからな~
沢山、食ってくれよな!
今日は昼過ぎ迄の営業で、街を出る。
夜までには、次の街への移動。
明日は別の街で営業だ。
「明日からは、弟のカレー屋や、別の屋台号が来るからな。
泣かずにしっかり味わってくれよなっ!?」
異世界でも、日本でも、俺のやる事は変わらねぇよ。
街を移動して、屋台を出す。
お客さんに『旨い!』って、食べてもらえたら、それでいいんだ。
1杯のラーメン。
これが、俺の全てさ。
「じゃあな!
また、異世界ラーメン号を見たら、食べに来てくれよな!?」
ラーメン号を含む80台の屋台号は、異世界転移先でも変わらず日本の味をお届けしています。
どの屋台も、大銅貨1枚以上は頂きません。
手軽さがウリの屋台ですから!
取り敢えず、これにて完結です。
お読み下さり、ありがとうございました♪




