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代理人のダイアリー  作者: とうゆるあ
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プロローグ

 「昔話をしてやろう。」

 そう言って彼は、長いようで短い話を始めた。「まずは、俺が生まれた頃の話からだな。俺が生まれる少し前くらいから、生まれつき普通の人間にはできないような特別な能力を持った奴らが現れ始めた。人々はそれを『ギフター』と呼び、能力のないもの達を『コモン』と呼んだ。当時、ギフターとコモンは対等な関係を築いていた、だから平和に共存出来ていたのさ。


 だが、二十年ぐらい前、俺がお前たちぐらいの年齢の頃だ。それまで共存していたギフターの中で、現状に異を唱える奴らが出てきた。奴らは、「我々は無能力コモンより優れている。コモンよりも優位な位置にあるべきなのだ。」と主張し始め暴動を起こした。


 初めの内は、小数だったがしだいに暴動の輪は大きくなり、数で勝る戦い方をしていた国家の軍では太刀打ち出来ないようになり、無力なコモンたちはギフターに怯えることを強いられていた。それでも俺は、諦められなかったね。俺はギフターだったがこの力はこんなことをするためにあるんじゃないと信じていた、まだ俺みたいに共存することを望んでいる連中もいるはずだ、そう思った。そんな奴らを俺はひたすら探し続けた。探しているうちに、俺と同じ考えのギフターが集まっているという噂を聞きつけ、なんとか俺はそいつらのグループに参加することができた。そのグループが国家の重要研究施設に直々に出向き、ギフターを止めるための武装の作製に協力したことが紛争終結の大きな理由となっただろう。


 国家の科学力は驚くべきものだった。人員を総動員し、交代しながら休むことなく研究と開発を繰り返し4日で何とか対能力者用特別規格武装が完成。『ツーラー』と呼ばれる武装の適合者をコモンの中から見つけだし、早速戦線に導入し徐々に巻き返していった。結局、二週間ほどで暴動は鎮圧され、当時暴動を起こしたギフターの指導者・幹部たちは最後の戦いで死亡し、同時にツーラーたちも武装の大半を破壊され、同志の数を半分にしてしまう結果となった。が、戦いは終わった。国家に協力したギフターと国家の間で共存協定が結ばれるという形で一連の騒動は幕を閉じる。」


 センリのおやっさんの話を俺を含め3人がよそ見することなく聞き入っていた。おっさんがしてくれた話は25年前に起きた事件の話だった。

 「それで所長おじさんは、こうやって民間警察《P.P.》を立ち上げて平和を保とうと思ったのですか。」

 今、さらっとこの組織の誕生に関して触れた彼女は、東雲綾しののめ あや。確かに俺がここに来て二年ほどたつが、こんな話は初めて聞いた。

 「まぁそうだな~、そんなところだ。」


 このあんまりはっきりしない返答をしたのは、このP.P.の所長だ。みんなからは親しみを込めてセンリのおやっさんやおじさんと呼ばれている。彼のことをそう呼ぶのは、所長というキャラよりおやっさんというキャラだったからだろう。かなり陽気なオヤジだ。

 

「ところで、おやっさんの能力って何なんですか? 僕、最近ここに来たばかりでおやっさんと組んだことないんですよ。なのでまだ知らないんですけど。」 

 このちょっと話についていけてないおっとりとした男は柴田弘作しばた こうさく。自分で言ってた通り、最近入ってきた新人だ。ここの環境に慣れてきたようだ。

 さてさて、この辺で俺も自己紹介しておこう、碓氷綯音うすい なおとだ。よろしく。おやっさんの話に夢中になって忘れていたが10数坪ほどの10はいるのかとういう空間は俺たちの手によってパーティー一色状態になっていた。なんでこんなときにあんな話をしたのには、何か意味があったのだろう。そんなことを考えていると


「ただいまーー!」


 おっと、ちょうど買い出ししてたメンバーが帰ってきた。所長は座ったまま動かず、俺たち三人で入口まで迎えに行く。開いたドアの向こうから差す光はまるで、ここでの新たな仕事を運んでくるようだった。





代理人のダイアリー 目を通していただきありがとうございました。今回が初投稿となります。誤字・脱字・間違った文法等々あると思いますが、ご指摘していただけたら幸いです。

さてさて、プロローグ終わりましたが全然情報量が足りませんね。プロローグだし、文章量が多いと読み手が疲れてしまうだろうかとか悩んでいたらこの有り様に...ですが、次回からいよいよ本格的に始まりますので皆様どうか暖かい目で見守って下さい。

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