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ゲームは下手だけど、世界一のチームを作りたい!!  作者: 龍崎
第3章 STRIKE FRONTIER PRO LEAGUE編

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第21話 司令塔の条件

BLACK WOLFとの激闘から数日後。


BLUE HAWK本部の練習室。


午前中のスクリムを終えた選手たちは、それぞれ休憩に入っていた。


そんな中。


ANGEL。


SAGE。


NOVA。


三人だけが別室へ呼ばれていた。


モニターの前。


そこに立っているのは天城美琴だった。


コーチ就任から数日。


まだ少し緊張する。


特にNOVAはそうだった。


憧れだった元日本代表キャプテン。


その本人から直接指導を受ける。


数週間前なら想像もしなかった。


「始めます」


美琴が静かに言う。


大きな声ではない。


それなのに自然と背筋が伸びる。


モニターにはBLACK WOLF戦の映像が映し出された。


「まず聞きます」


美琴が三人を見る。


「自分がIGLだと思う人」


真っ先に手を挙げたのはANGELだった。


「私です」


迷いはない。


世界大会を経験したベテランらしかった。


「俺もですね」


SAGEも続く。


そして最後。


NOVAが少し考えながら答えた。


「私は……勉強中です」


その答えに美琴は頷いた。


「良いですね」


そして少しだけ笑う。


「全員正解です」


三人が顔を見合わせた。


「IGLは一人ではありません」


会議室が静かになる。


「最高のチームは複数のIGLを持っています」


その言葉にANGELが頷く。


世界大会では当たり前だった。


一人だけで試合を見ているわけではない。


全員が考える。


だから強い。


美琴は映像を止めた。


映し出されたのはBLACK WOLF戦終盤。


ANGELのコールが飛んだ場面だった。


「ANGELさん」


「はい」


「何を伝えましたか?」


「白狼左高台です」


即答だった。


美琴は頷く。


「なぜ良かったと思いますか?」


ANGELは少し考える。


「位置が分かるからですか?」


「それだけではありません」


静かな声。


だが自然と耳に入る。


美琴はモニターを指した。


「敵」


「場所」


「優先順位」


短い言葉。


それだけだった。


「全部入っています」


NOVAも思わず頷いた。


確かにそうだ。


白狼。


左高台。


危険。


全部伝わる。


「良いコールです」


ANGELは少しだけ照れ臭そうに笑った。


次に映像が切り替わる。


今度はSAGEだった。


「SAGEさん」


「はい」


映像には試合中の音声。


『右から来てるので一回引いてULT温存して次で戦いましょう』


内容は正しい。


判断も正しい。


NOVAもそう思った。


だが。


美琴は聞く。


「問題があります」


SAGEが苦笑した。


「長いですね」


「そうです」


即答だった。


会議室に小さな笑いが起きる。


美琴は続けた。


「言い換えてください」


SAGEが少し考える。


そして答えた。


「右」


「引く」


「次ULT」


美琴が頷く。


「その方が速いです」


「味方は考える時間がありません」


SAGEは真剣な表情でメモを取った。


NOVAも一緒に書き込む。


確かに。


試合中は一秒が大きい。


長い説明を聞いている暇なんてない。


「IGLは頭の良さを見せる仕事ではありません」


美琴が言う。


「味方を動かす仕事です」


その言葉は重かった。


そして最後。


モニターにNOVAの映像が映る。


BLACK WOLF戦。


白狼たちに集中的に狙われていた場面だった。


NOVAは思わず姿勢を正す。


「NOVAさん」


「はい」


「この時何を考えていましたか?」


「私を狙ってるなって」


美琴は頷く。


「その次は?」


NOVAが止まる。


答えが出ない。


あの時は必死だった。


生き残ることしか考えていなかった。


すると美琴は別の角度から聞いた。


「NOVAさんに三人来ています」


「はい」


「では誰が空きますか?」


少し考える。


モニターを見る。


戦況を見る。


そして答えた。


「Reiさんです」


「そうですね」


美琴は頷く。


「他には?」


「KINGさんも動きやすいです」


「正解です」


NOVAの胸が少し熱くなる。


褒められた。


それだけなのに嬉しかった。


「だからIGLは自分を見ません」


美琴は続ける。


「試合全体を見ます」


その言葉にNOVAはハッとした。


今までの自分は。


狙われた。


倒された。


活躍した。


そんなことばかり考えていた。


でも違う。


チーム全体を見る。


それがIGL。


それが司令塔。


美琴はNOVAを見る。


「あなたはFLEXです」


「はい」


「全ロールを理解しています」


NOVAは頷く。


タンク。


DPS。


サポート。


全部やってきた。


「だから向いています」


「え?」


思わず声が出た。


美琴は当然のように続ける。


「全員の考え方を理解できます」


「それは大きな武器です」


NOVAは言葉を失った。


そんな風に考えたことはなかった。


するとANGELが笑う。


「期待されてるわね」


SAGEも頷いた。


「羨ましいですね」


NOVAの顔が少し赤くなる。


照れ臭かった。


でも。


嬉しかった。


講習は二時間続いた。


世界大会の映像。


コール。


視界管理。


情報共有。


集団戦の組み立て方。


学ぶことだらけだった。


そして最後。


美琴が三人を見た。


ANGEL。


SAGE。


NOVA。


BLUE HAWKの頭脳たち。


「最後に一つだけです」


三人が顔を上げる。


「良いIGLは味方を動かします」


静かな声。


会議室が静まり返る。


そして。


美琴は続けた。


「最高のIGLは味方を迷わせません」


誰も言葉を発さない。


その一言が深く刺さった。


ANGELは静かに頷く。


SAGEはメモ帳を閉じる。


そしてNOVAは拳を握った。


もっと強くなりたい。


もっと見えるようになりたい。


ReiやKINGに追いつくだけじゃない。


チームを勝たせられる選手になりたい。


そんな思いが胸の中で静かに燃えていた。


世界一になるために。


BLUE HAWKは今日も進み続ける。


まだ誰も見たことのない景色を目指して。

これはあくまで個人の感想です。素人の考えなのでお手柔らかにお願いします笑!!

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