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ゲームは下手だけど、世界一のチームを作りたい!!  作者: 龍崎
第1章 世界一のチームを作ろう

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エピローグ 最初の目標

BLUE HAWK始動発表から数日後。


都内の高級レストランを貸し切りにした会食が開かれていた。


韓国遠征。


監督就任。


正式ロスター発表。


怒涛の日々を乗り越え、ようやく一息つける時間だった。


店内には普段の練習場とは違う空気が流れている。


選手たちの笑い声。


食器の音。


穏やかな会話。


それだけで不思議と心が軽くなった。


「これマジで食ってええんか?」


大牙が目の前のステーキを見ながら呟く。


「食うために来たんだろ」


蓮が呆れたように返す。


「いや、絶対高いやんこれ」


「会社持ちだから気にするな」


誠司が笑う。


その瞬間だった。


大牙のフォークが動く。


「最高やな」


「早いな」


「遠慮する理由あるか?」


響が吹き出した。


「お前さっきまで躊躇してたやろ」


「確認しただけや」


「言い訳やん」


すぐに言い合いが始まる。


いつもの光景だった。


その隣では、ひなたが目を輝かせていた。


「美味しい!」


「何これ!?」


「人生で一番美味しいです!」


「もう少し落ち着いて食べなさい」


美羽が苦笑する。


「喉詰まらせるよ」


「大丈夫です!」


全然大丈夫そうには見えなかった。


悠真はそんな様子を見ながら静かに食事をしている。


蒼真も時折笑みを浮かべていた。


数か月前。


彼らは全員別々の場所にいた。


北海道。


大阪。


福岡。


東京。


それぞれ違う人生を歩いていた。


同じテーブルを囲む未来など想像もしなかっただろう。


それが今では同じユニフォームを着ている。


世界一という同じ目標を追っている。


不思議な縁だった。


「しかし」


響がグラスを置く。


「まだ実感ないな」


「何がだ?」


大牙が聞く。


「俺ら世界王者監督のチームやで?」


その言葉に全員の視線が自然と向く。


少し離れた席ではミンジュンが美月と話していた。


世界王者監督。


競技シーンのレジェンド。


その人物が今ではBLUE HAWKの指揮官だ。


少し前なら誰も信じなかっただろう。


「確かにな」


悠真も苦笑する。


「未だに夢みたいです」


「俺はまだ信じてへん」


響が言う。


「たまに起きたら全部夢やったとかありそうや」


「ないから安心しろ」


誠司が笑った。


店内にも笑いが広がる。


そして少しだけ空気が落ち着いたところで、誠司がグラスを置いた。


自然と全員の視線が集まる。


「世界一を目指すことは変わらない」


その言葉に誰も異論はない。


BLUE HAWKが存在する理由そのものだからだ。


「でも」


誠司は続ける。


「世界大会はまだ先だ」


店内が静かになる。


「まずは目の前の戦いに集中する」


「日本リーグですね」


悠真が言う。


誠司は頷いた。


「俺たちはまだ何も勝っていない」


「優勝もしていない」


「実績もない」


それが事実だった。


話題にはなった。


注目も集めた。


だが結果はまだない。


だからこそ。


ここからが本当の勝負だった。


「優勝やろ」


響が即答する。


「それ以外ない」


「当然だな」


大牙も笑う。


「まずは日本全部倒す」


相変わらず物騒だった。


だが誰も止めない。


ひなたも拳を握る。


「私も頑張ります!」


「頑張るじゃなくて勝つんだよ」


美羽が笑う。


「はい!」


返事だけは誰よりも良かった。


蒼真も静かに口を開く。


「俺もスタメン取ります」


その言葉に大牙が笑う。


「来いよ」


「遠慮しません」


「それでいい」


チーム内競争。


それもまた強くなるために必要なものだった。


そして最後に。


蓮が短く言う。


「勝つだけ」


それだけだった。


だが全員が笑う。


Reiらしい。


余計な言葉はいらない。


勝つ。


ただそれだけだ。


その時だった。


ミンジュンが静かに立ち上がる。


自然と全員が口を閉じた。


世界王者監督は選手たちを見渡す。


一人一人の顔を確認するように。


そして口を開いた。


「世界一を目指すなら」


全員が耳を傾ける。


「まず日本一になりなさい」


短い言葉だった。


だが重かった。


世界を見る前に。


まず国内を制する。


それが最初の使命。


「次の目標は一つです」


ミンジュンの声が静かに響く。


「日本リーグ優勝」


誰も笑わない。


誰も軽く受け取らない。


全員が本気だった。


誠司はそんな仲間たちを見ながら静かに息を吐いた。


何もなかった。


選手もいなかった。


監督もいなかった。


チーム名すら存在しなかった。


だが今は違う。


世界王者監督がいる。


世界を目指す仲間がいる。


夢を本気で追いかける場所がある。


ようやくここまで来た。


ようやくスタートラインに立てた。


BLUE HAWK。


その最初の戦いが始まる。


目指すは日本リーグ制覇。


そして、その先にある世界。


青い鷹は今、翼を広げようとしていた。


――第一部 完

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