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【BL】くしゃみのラブラブSS集め  作者: 城山リツ
04 もしもミチルがカフェバイトをしていたら

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21/39

(エリオット×ミチル)「カフェで指名出来たっけ?」

 オレの名前は坂之下(さかのした)ミチル!

 平凡な大学に通う、平凡な大学生さ! だけど今、オレは都会のオシャレタウンでオシャレカフェバイト中!

 ここで働いている時だけ特別な制服を着て、特別なオレになれるんだ!


 特別なオレには、いつかきっと特別な「最愛」が……




 た、大変だあ。

 もんのすごいイケメンが誰かを待ってる……!


 青みがかった髪の毛をボブカットに伸ばして、メチャクチャ色白で王子様みたいな人です。

 なんかキラキラなオーラも見えます。そんな人が待ちぼうけみたいに、もう三十分も一人でいるんです。


 プリンス系イケメンが普通にやってくる所は、さすがのオシャレカフェ。こういうシチュエーションに出会えるからバイト面接受かって良かった。


 でも……


「……」


 プリンスイケメンが、誰を待ってるのか気になっちゃう。

 こんな綺麗な人を待たせるんだから、きっとものすごい美女が来るんだろう。

 そう、こんなぼっちモブのオレには関係ない。大学デビューで滑ったオレなんか。



 

「おい、そこのお前」


「ふえっ?」


 あんまり見ちゃ悪いから仕事に集中しようと思っていた矢先、プリンスイケメンから声をかけられてしまった。


「ご、ご注文で、ですか……っ?」


 きゃあぁ、かっこ良すぎて声が上ずるぅう。

 そんなオレの緊張を感じたのか、プリンスイケメンはニヤリと笑っていた。


「おいおい、そんなに緊張しなくていいぜ。まあ、無理もねえけどな」


「は、はあ……?」


 あれ、この人、自分がイケメンだって知ってる系のイケメンなのかな。だとすると話が変わってくるぞ。

 イケメンは自分の美に対しては鈍感でなければならないのに。(※ミチルの偏見です)


「ふっふ、テレビでしか見られないおれが目の前にいる感想はどうよ?」


「テレビ……? ひょっとしてゲーノージンの人ですか?」


 なるほど。芸能人なら常識外れの美でも納得出来る。オレは知らない人だけど。

 えっ、芸能人!? 突拍子がなさ過ぎてオレは驚きが後から湧いてしまっていた。


「ハアァ? お前、おれ様を知らねえのか?」


「す、すすす、すみませえーん!」


 ヤバイ! 即驚いてしかるべき案件に、完全に乗り遅れた! オレってほんとバカ!


「伝説の子役()()()を知らねえのか、お前は!?」


「ごめんなさい! テレビはアニメしか見ないのでええ!」


 子役からキャリアがあるガチの芸能人だった!

 怒らせたらオレは業界にはいられなくなる!? 業界ってドコ?


「……ンだよ、ちっくしょー」


 だけど子役イケメン・エリィさんは怒らずにトーンダウンして頬杖をついた。

 指でテーブルをトントン叩いてイライラをオレに見せつけてくる。



 

「あのー、お待ち合わせか何かですか?」


 ……って聞いて欲しいんだろうなー。


「まあな。おれ様、今度ドラマの主演やんだよ。その取材なんだけど、記者が来ねえ」


「ははあ。ドラマってどんなドラマですか?」


 ……って聞いて欲しいんだろうなー。


「ふふん! ダメ新入社員のおれが実は某国の王子様だった!っていうラブロマンスだ☆」


「お、おお……」


 すんごいB級コメディ臭がするけど大丈夫かな。ど深夜帯ですかね? ……とかは言えなかった。


「おい、絶対見ろよ。一話の感想、聞きに来るからな!?」


「えええー? まあ、見ますけどぉ」


 内容はさておき、貴方の姿が見れるなら録画までしますけど。

 オレの受け答えに満足したのか、エリィさんは席を立とうとしていた。


「ハイハイ、時間切れだ。撮影が始まるからおれは行くぜ」


「撮影ですか、頑張ってくださいね」


 ……って言って欲しいんだろうなー。


「ふん。まあ……収穫はあったな」


「ほえ?」


 エリィさんはなんだかほっぺを紅くしてオレを見る。

 さすがのキャリアでも主演のプレッシャーとかがあるんだろうか。



 

「おい、おれ様は休憩のたびにここに来るからな。いつでも準備しておけよ」


「はわ、わかりました!」


 大変だ、店長に言わなくちゃ。超極太客をゲットしましたよって。


「……お前が必ずいろって意味だからな!」


「はい?」


「おれ様の給仕はお前にしかさせないから、そのつもりでいろよ!!」


「ふええ!?」


 カフェで指名はできません! 聞いたことないよ、そんな制度!


「お前、名前は?」


「ミ、ミチルです!」


 しまった、なんか雰囲気にのまれて名乗っちゃった。

 するとエリィさんはにまぁと笑って言う。


「よし、ミチル! お前はおれ様こと『天才主演俳優エリオット』専用メイドだぜ!」


 どこ見て言ってる!?

 オレのナニを見てメイド指名してんの?


「じゃあな、愛してるぜ!」


「ぴえ……っ!?」


 最後に爆弾的な捨て台詞を残してエリオットは去って行った。




 事の顛末を店長に話したら、鬼のようなシフトを組まれました。

 あ、でも時給もちょっと上がりました♡

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― 新着の感想 ―
ミチルに一目ぼれしたんですね。 声をかけて自分専用のメイドにする事に成功。 うっきうきで毎日カフェに来るんだろうなぁw 最後に捨て台詞を残してすぐ去って行ったのは、ミチルから断られるのを聞きたくなかっ…
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