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【BL】くしゃみのラブラブSS集め  作者: 城山リツ
05 おてて繋いで散歩しよ

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21/30

(エリオット×ミチル)「スーパーダダメン」

 【注意! 現代地球設定です!】


 フーフーフフーンを使うと、手を繋ぎたくなる〜♪

 思わずそんな鼻歌が出るほどに、ミチルはご機嫌だった。

 

 エリオットとおてて繋いで、街をお散歩。

 道行く人がみんな振り返る。「なんて素敵なイケメンかしら」「隣のオクサマ(?)もとっても素敵」と思われている気がした。


「今日は随分と機嫌がいいな、ミチル」


「ん? うん、えへへ♡」


 だって隣には超絶な地球一(?)イケメンがいて、自分の手を握り、愛情溢れる眼差しで見つめてくる。

 これが幸せでなくて何だと言うの。

 ミチルはエリオットの手をぎゅっと握って、リズム良く振ったりしてみる。


「まあ、このおれ様と連れ立って歩くんだ、機嫌良くねえと困る!」


 ミチルが笑えばエリオットも幸せ。


「うふふふ! うんうん♪」


 そしてエリオットが幸せならミチルはもっと笑う。

 何これ幸せのスパイラルじゃん。究極の循環じゃん?


 おーててつーないで、ランララーン♡

 街行く人が二人を振り返る。「大丈夫かしら、あの人達」「美形だけど紙一重っぽいわね」──これが街の本音である。



 

「ミチル、スーパー寄ってくだろ?」


 歩みを止めたエリオットが、目の前のいつものスーパーを指差した。


「あ、そうだね。夕飯の買い物して行こう」


 おてて繋いで散歩の後は、一緒にらぶらぶスーパーなんて。


「うふふふ!」


 ──ほんとに大丈夫かしら、あの人達。


 二人の世界に雑音(街の声)は聞こえない。

 ウッキウキでショッピングを楽しむ気マンマンのミチルであった。




「ダメったらダメ!」


 だが数分後、らぶらぶだった二人は突然の仲違い。


「イヤダ、これ買えよ!」


「先週も買ったでしょ! 月にひとつって約束でしょ!!」


「ヤダアァア! 買えよぉ! モケモンチョコレートぉ!!」


 エリオット(見た目が二十五歳)が地団駄踏んでお菓子コーナーから動かない。


「コレ! コレにぜってえキラシールが入ってる気がすんだよぉ!」


「買わないよ! 今月は色違いモケモンが出たって喜んでたでしょ!」


「でーもぉお、コレにおれはすんげえインスピレーションを感じるんだよぉ!」


「ダメ! 戻しなさい!」




 そんな押し問答を繰り返す事五分。いいかげんにすれ違う人のヒソヒソ声が冷たくなる。


「ミチルのケチぃい!」


 スーパーで。

 駄々をこねるイケメン。

 つまり、スーパーダダメンが爆誕している。近所ではそう揶揄されてもいる。


「も、ど、す!」


「……」


「も、ど、せ!」


「……チッ」


 惚れた弱みで大抵はエリオットが諦めるのだが、毎度の駄々こねが近所ではすっかり笑いもの。

 大変なのはこの後だ。ヘソを曲げたエリオットの機嫌を回復させなければならない。


「エリオットぉ」


「……んだよ」


「ボディソープ、切れそうだったよね。泡のやつ買ってこ」


 ミチルは身を切って特大のエサを投げた!




「! いつものヤツだな、取ってくる!」


 急に目をランランと輝かせて、エリオットは売り場へダッシュする。


「ふっふっふ、こいつはおれが管理するからな」


「はいはい」


 エリオットの目がにまあと笑う。ボディソープをしっかりと握って離さない。


「これを使えるのはおれだけなんだ。お前は黙っておれに洗われろよな!」


「はいはい」


「あわあわの、ふわふわで、お前の♡♡♡を丁寧に洗うぞぉ……♡」


 いやあん、外でそんな事言わないでえん♡ ……とか思っちゃうミチルである。


「はいはい、エリオットに、お・ま・か・せ♡」


「よぉーし、すぐ帰るぞ!」


 ──ヒソヒソヒソ!!(by 街の皆さん)




 スーパーダダメンは、家に帰ってスーパー♡♡メンに変身するのです……

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― 新着の感想 ―
おてて繋いで散歩して機嫌が良かったのに、盛大に駄々こねてますねぇ。 オタクなのでエリオットの気持わかるw そしてそれを我慢したのが偉すぎる!(地団太踏んだ現実からは目を背ける) エリオットはアレですよ…
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