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RPG 〜剣と魔法と古龍の世界〜 その⑨

更新遅れてごめんなさい。

入学シーズンでバタバタしてます(昨日更新休んだのは同期と遊んでたからだけど)

 

『古龍の王』との戦いが終わり栄と智恵が感動の再会を果たす中、残る6人は2人のカップル水入らずの密談に水を差さずに百鬼夜行の消滅を見届けていた。


「──やっぱり、栄のことは智恵に任せて正解だったね」

 栄が落下死してしまうのではないかとヒヤヒヤしていた稜は、盾を構えて栄の方へ駆けつけようとしていたけれど杞憂だったようだ。

 梨央は2人の方を見ながらそんなことを口にする。


 百鬼夜行は、魔法や龍種の最期と同様に霧消してこの世から無くなった。

『古龍の王』としての役目を全うしたのだろう。最後まで戦い抜いた彼を弔うものはここにはおらず、限界まで戦闘を続けた勇者一行は達成感に満ち溢れていた。


 栄の救出。

 第8ゲーム唯一の目的であり、クリア目標を達成した。

 一体、どれだけの時間をこの第8ゲームに費やしたのだろうか。ゲーム内の時間では2週間とちょっとだけれど、彼らは体感時間では500日以上もゲームの世界で過ごしたような感じがする。

 特に、王国戦争はたった1日の出来事のはずなのに1年以上かかっているような感覚だ。

 想像と現実の時間の差でボケてしまいそうになる。


 ──と、壮絶な冒険をした勇者一行でもそんなに長い時間が経ったと錯覚してしまうのだから、牢屋に閉じ込められていた栄はもっと大変だっただろう。


 好奇心は猫を殺し、退屈は人を殺す。

 栄は、この3週間と少しでどれだけの退屈を味わったのだろうか。だけど、こうして百鬼夜行を倒して栄を救出したのだから安心だ──。


「──まだ安心はできない。僕達の倒すべき敵は百鬼夜行だけじゃない。茉裕も倒さないと」

 油断の予断を許さない純介は、魔法杖をしっかりと握ったまま悪女の乱入に警戒する。


「じゅんじゅん、その心配はないよ」

「どうして?」

「智恵ちゃんが茉裕を倒してからここに来たんだって!」

「え、本当!?」

 先程、回復魔法をかけた時に智恵から伝えられた衝撃情報を、紬は他の皆にも伝える。

 流石に、純介にとっても智恵が茉裕を討伐して駆けつけていたのは想定外だったのか驚いたような声を出した。茉裕と百鬼夜行の両方を討伐し、栄を救出した智恵こそが今回のデスゲームのMVPだろう。


「となると、『剣聖』は『魔帝』を探しに行っちゃったけど大丈夫かな?」

「『剣聖』だし問題ないんじゃない?戦いの終わった私達のところじゃなくて、どこかで行われてる戦場に駆けつけてくれたら万々歳よ」

「まあ、そうだな」

 健吾の素朴な疑問に、美緒がそう返す。この戦場に『剣聖』がいればもっと楽に百鬼夜行を倒せたか──というと、きっと答えは否だろう。『剣聖』がいるだけ、百鬼夜行は警戒していたはずだ。被り物を外されていたかもしれない。


「──って、見て。栄と智恵の上の方」

 そんなことを口にして、稜が指を差した先は空中。栄と智恵の頭上に、1人の女性が浮いていた。

 魔法の力で浮いているようにも見えるが、その女性を取り巻く時間が止まっているようにも見えた。


「──あれは、えっと……」

「プラム姫、だっけ?」

 誰か忘れていた健吾の代わりに、梨央が答えを導き出す。


 6人は栄のことでいっぱいで完全に忘れていたが、この第8ゲームは『RPG 〜剣と魔法と古龍の世界〜』というゲームの世界に入ったっていう設定だったはずだ。

 そして、そのゲームは「プラム姫」と呼ばれるお姫様を助けるための冒険譚である。


「プラム姫が、どうして空中に?」

「それについては、私がお話しましょう」

 ポンッと可愛らしいエフェクトと共に虚空に現れたのは、羊の執事もといコンシェルジュのコンだ。

 本来のデスゲームではスマホの中におり、第8ゲームでは設定メニューと同義の八役割を果たしていた彼(彼女?)が姿を現す。


「本来であれば、『古龍の王』が倒されたことを条件に檻が開かれてプラム姫が地面に降り立ちます。すると、ストーリーが進んで一度スタッフロールが流れます」

「スタッフロールが」

 ゲームの要素であるスタッフロールが本当に流れるのか、と怪しみたくなるところもあるがコンが言うのであれば何かしらの演出が加わるのだろう。


「ですが、今回の代8ゲームでは池本栄君も捕らえられている。彼との再会を邪魔したくはないな、と考えたので一度ゲームの進行を止めさせていただきました」

「プラム姫が地面に着地しちゃうと話が進んじゃうから空中で止まってるのか」

「はい。空気を読んでタイミングを見てお二人にもお伝えします。動き出すまで少々お待ちください」

 二頭身に近いコンが可愛いお辞儀をした後で、登場と同じ演出で姿を消す。


 ──そして、2人が落ち着いた後で上記の事実が伝えられる。

 どうやら、2人共自分たちの真上にプラム姫が静止していることに気付いていなかったようで、2人で上を見上げては驚いたような顔をしていた。


「ゲームを終わりにしよう」

 プラム姫を見上げた2人の意見は、即座に一致してゲームの再開を望む。2人はプラム姫が着地できるように6人と合流し、少し言葉を交わした後でゲームを再開させた。


 そして、プラム姫がその白くて細い2本の足で城内都市パットゥの地面に立ったのだった。

次の更新は10分後です。


次回の話はパソコンで、マウスを押し込んで自動スクロールで見てください。

スマホの人は諦めてください。マウスが無い人も諦めてください。

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雨城蝶尾様が作ってくださいました。
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