表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

78/746

4月9日 その①

 

 ───4月9日。


 俺は、今日は5時半にしっかりと目覚めた。昨日は疲れていたから長く寝てしまったのだろうか。


「今日は本戦か...頑張らないと」

 スマホを見ると、今日の0時0分0秒に「連絡用グループ」にマスコット先生から連絡が来ていた。



 マスコット先生「明日の本戦、参加者が決定しました。予選で敗退してしまった皆さん、お疲れ様でした。そして、本戦に進出した皆さん、おめでとうございます。本戦でも是非、頑張ってください。以下の6人が本戦に進出した人です」


 その下には、池本栄・森宮皇斗・森愛香・村田智恵・津田信夫・宇佐見蒼の6人の名前が書かれていた。この順番はきっと、予選で獲得したポイントの順番だろう。


「智恵も本戦に出れたんだ...」

 美緒達が、俺と話す機会をくれた。本戦が、どのようなゲームかは知らないが共に共闘しようとは思えた。


「───よし、頑張ろう」


 ───そして、突っかかりができてしまう。


「俺と智恵の両方が出るなら...どちらかは確実に1位にはなれない...」

 智恵を勝たせてやりたいが、俺は美緒や稜からポイントを託されている。


「うーん...どうしよう...」

 俺は智恵と、美緒や稜を天秤にかける。どちらかがポイントを得るには、どちらかが落ちるしかない。


「───いや、考えるのはやめよう。あくまで、狙うのは1位。智恵だって、俺を踏み台に1位になることは願っていないだろうし」


 俺は、そう思い朝の準備をして稜達3人と共に学校へ向かう。それは、いつもと同じ7時45分だった。


「おはよー」

 今朝の教室は、特に乱闘やイザコザなどは起こっていない。今日は、極めて平和だった。


「あ、栄じゃん!本戦出場おめでとう!」

 そう声をかけてくれたのは、俺の後ろの席の岩田時尚だった。


「あ、ありがとう」

「いやぁ、本戦に出るって凄いね。だって、この教室の上位6分の1になったってことでしょ?」

「まぁ...そういう事...かな?」


 俺は、小さく頷く。でも、これは皆の力だったのでクラスの上位になったような気はしない。


 ───そして、俺はその後時尚の駄弁に散々付き合わされた。


 特段、俺の利点になるような会話ではなく、俺とは一生無関係そうな、昔に海の藻屑となった艦隊の話をさせられた。


「はい、おはようございます!」

 そう言って、教室に入ってきたのはマスコット先生だった。時尚も話をやめて、マスコット先生の方を見る。


 教室には、しっかりと智恵の姿があった。少し、安堵しつつ俺は先生の話に耳を傾けた。


「本日は4月9日!今日は何の日かわかりますか?」

 マスコット先生が皆に問う。


「第2ゲームの本戦だピョン!」

「はい、それもそうですがもう1つ大切な日です!なんと、本日4月9日は東堂真胡君の誕生日です!おめでとうございます!」

 宇佐見蒼の答えを軽く受け流し、真胡が誕生日であることを伝える。


「そうだったのか...」

「皆さん、おめでとうの拍手を!」


 拍手喝采。皆は、東堂真胡の誕生日を祝う。真胡は少し恥ずかしそうにしながら「ありがとうございます」とお礼を言った。


「誕生日、祝ってもらえるのか...いいかもな」

「うん、そうだね」

 俺は、健吾にそう言われたから返事をする。


「そうだ、栄の誕生日はいつなんだ?」

「俺?俺は10月26日だよ。健吾は?」

「オレは10月18日。結構誕生日、近いんだな」

「そうだね」

 そんな話をする。そして、俺は再度マスコット先生の会話に耳を傾けた。


「さて、話は戻して本日は4月9日。今日は、第2ゲーム『スクールダウト』の本戦です!毎週金曜日にやる小テストの代わりとして、本日は行います!故に、優勝者には5万コインが授けられます!」

 マスコット先生は手を叩く。


「───そして、本戦出場者は内心心臓がバクバク言っているでしょう!ここで、本戦のルールを説明します!」

 ここで始まった、本戦のルール。


「予選とはルールがガラリと変わるので、耳の穴かっぽじって聞いてくださいね!」

 マスコット先生は、そう言うと何かを取り出した。


「まず、皆さんにはじゃんけんをしてもらい1番から6番の順番を勝者から順に決めて行きます!一番、じゃんけんが強い者が好きな番号を選べますね!」

 じゃんけんで順番を決める。このじゃんけんで勝ったほうがいいだろう。選択肢は多いほうがいい。


「そして、1番から順にこんな物がでます!」

 先生の手に持たれていた1枚の少し厚いダンボール紙。そこに書いてあったのは5つの情報だった。


 1.このクラスは3年Α組である

 2.出席番号1番は安土鈴華である

 3.全ての人間には翼がある

 4.2と3は嘘である

 5.生徒会は最低2人だ


「この5つの情報。2つは本当ですが、3つは嘘の情報───ダウトです!今回の場合は、本当のことが書かれているのは1番目と4番目ですね!」


 2.出席番号1番は安土鈴華である ×

 解説:このクラスの出席番号1番は秋元梨花である


 3.全ての人間には翼がある ×

 解説:私(マスコット先生)には翼は生えていません!


 5.生徒会は最低2人だ

 解説:生徒会は最低3である


「───と言う感じで、5つの情報が出てきます!皆さんは、そのうち1つを選択して2つある真実を選んでください!」

「───てことは、2つの内のどちらかの真実を当てればいいってことか?」


 俺は、そう確認する。


「はい、そうです!一番投票数が多かった情報は真偽が公開されます!このゲームで、嘘が『嘘ではない』とされることはないです!全て、嘘か真か正しく述べます!」

「───面白いな...このゲーム」


「このゲームは自分以外の5人の嘘を当てます!最大で5ポイント!最終的にポイントが多い人が勝利となります!頑張ってくださいね!」

 先生はそう述べた。


「あ、5つの情報はこちらが用意しておきましたので!」


 そして、白板にこんな紙を貼る。


 第2ゲーム『スクールダウト』本戦のルール

 1.生徒1人付き2つの真実と3つの嘘、合計5つの情報が提示される。

 2.情報が提示された以外の5人は、5つの情報の内、真実だと思うもの1つに投票する。

 3.投票したものが、真実ならば1ポイント。嘘なら0ポイント。

 4.投票数が一番多かった情報のみ、真偽が発表される。発表されなかった物に関しても、真実であれば投票者にはポイントが入る。

 5.このゲームにおいて棄権は許されない。もちろん、本戦辞退も禁止とする。

 6.棄権or辞退をした者がいた場合、その人は死亡とする。

 7.ポイントが一番多かった者が優勝者とする。

 8.投票数が被った場合、ルーレットでどちらか1つのみ情報の開示とする。


「───これが、全てのルールですので!」



 ───こうして、第2ゲームの本戦『スクールダウト』が幕を開けた。


 ───希望と絶望に塗れたこのゲームを制するのは誰だ。

やっと、スクールダウトの本戦が書ける...

喜びを噛み締めて栄達を苦しめます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨城蝶尾様が作ってくださいました。
hpx9a4r797mubp5h8ts3s8sdlk8_18vk_tn_go_1gqpt.gif
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ