793話 最先端は原始的
接触不可?ふざけるなと言いたい。そんなもの無敵バリア張って悪質高速タックルしまくるだけで勝てる装置じゃないか・・・!質やら量云々ではなく、そもそも近付けないと言うか、見てダメ触ってダメとか難易度云々以前の問題だろ!
「と、昔なら考え方が・・・、青山無事か!」
「どうにか避けました!」
「ならいい!」
予習もなしに挑むほど奢ってもいない。普通なら生涯を賭ける時間を使い生きて今ここにある。その多くの時間を考える事に費やしたさ。なぜモンスターが溢れるのか、なぜ掃除する者は底にあるのか。そして、それがどう言う機構なのか?
いや、それ以前の問題だ。なぜ、ソーツは俺がここに残り掃除機することを望んだのか?答えは簡単だ。掃除機する者に対して絶対的なカウンターを持っているから。そう、アブザだ。明日の先、有る無いの現象、そして、巻き戻る身体。
要は1人でも底まで進み壊れても、そこであり続けて延々と掃除する者を削り続けられる存在。なんでまた俺の中にそんなモノを封入したのか?捧げた末の魔女達の封入だとしても・・・、それが極少数の選択の末だとしても、事実としてそう在れかしとして選択して作られたなら、そう在れかしと行動するしかないだろう。
「先ずは・・・、1つ!」
見たらダメ?そんなもの、既に魔女を視て俺が求めるものと違うと決別したなら意味はない。今もある精神のひまわりはそれを示し、そして太陽を見るように先を見ている。
拳で一撃、確かに当たり前に消える。だが、その先にもあるならどうだ?巻き戻っては消えるなかでも、確かにあたる。それが極々、砂時計の砂が落ちるか否かの刹那な時間でも。確かにあたった感触はあり、そしてその感触も消える。
一撃離脱・・・、ばやはり俺では出来ないか。攻撃があたるものの、当てた時点でやはり身体消されて巻き戻りよりも更に削られる。確かに存在は確保出来るが、確保出来た存在そのモノがやはり片っ端から邪魔だと消される。
そんな俺の背を青山が引っ張る。想定内、掃除するならゴミを弾き飛ばしてはいけない。なにせそれは散らかすと言う事で、離れられずひたすらに消せるならそれが最適だろう?
「大丈夫ですか!?」
「当たり前だ。この程度で死ぬほど簡単な作りなら、私は既にここにいない。数え切れないほどの死を・・・、消失を乗り越えてここにある。背中は任せたぞ。」
更に飛び込み・・・、一撃。未来の戦争はどうなるか分からない。それは確かだ。仮に今人類が戦争するとするなら、どの次元での戦争?と言う話になる。電子世界も宇宙でも地球でも、コロニー間でも。おおよそ大規模な争いを戦争とするなら、そこに適した兵器を使うのだから、人類がどこまで進んでいるかで変わる。
ただ1つだけ言うなら、同じ土俵で戦うと言う限り最後は互いを見合ってからの素手ゴロだろう。まぁ、これがステゴロと言えるがは分からないが・・・。
(野蛮ね・・・。)
(生憎と人の進化は立って手を使ってから始まった。なら、これが1番原始的で普遍的で最先端だ!)
「ふん!」
ありがたいと言えば相手が待ちの姿勢なことか?そうだろう、勝手に侵入して来た獲物が自身が現れれば勝手に挑み消える。なら、長年底で待っていれば掃除は出来る。ただ、そこにエネルギーであるクリスタルを溜め込みながら・・・。
「青山!エネルギーの抜き取りは!」
「すいません!多少・・・、っ!」
「無理をするな!第一段階で私が引きつけて、お前がエネルギーを抜き続け私の完全消滅を防ぐ!」
完全に消滅しても多分巻き戻る。ただ、その巻き戻るまでの間に青山が死ねば抜き取りは出来なくなり、叩き潰す方向に移行する。それが最初の考え。賢者や魔女は言っていた、バカの1つ覚えの様にクリスタルを使うと。
それがコレを模倣しているなら、抜き取れないことはない。機能停止後に破壊。それが多分安全でゲートが壊れるかは分からないが、それを試す気もない。
ソーツがそれを保証するならややこしくはなかったが、それさえも彼奴等は関与しないとした。ただ、それに対して賢者はせせら笑っていたな。
『あれは壊してほしい。でも、同時に壊されれば自分達の作ってきた物は無駄だと感じてしまう。だから魔女は愚物と言うんだよ、壊されたなら先を作ればいい・・・。でも、今自分達で目をそらして壊せなかったものが、誰かに壊されたら自分達を超える者がまた生まれたとね。全く馬鹿な弟子だよ。』
俺はソーツの作品か?答えは否だろう。確かに身体は作り替えられた。だが、捧げた先は魔女達でそれを使っているのは俺だ。結局誰も彼もが矛盾やらを抱えながら過ごしているのだろう。
ただ、殴り続けて壊れるのか?魔法を使ってもそれは消される。なにせ邪魔だから。だが、あちらも綺麗にならないことに違和感を感じたのか動き出す。それも想定内。ゲートを抜けた先、その先のどこに何が出るかは分からない。だからこそ、高速移動・・・。
「違う!量子テレポート!」
「ぐ・・・。」
モノリスが消えて別の場所へ現れる。狙われたのは俺ではなく青山。確かに殴っているのは俺だが、エネルギーを抜いているのは青山だ。それを先に始末して後は俺が消えるまで削り続ければいい。だが、青山は1度だけで蘇生する。それを知っているからこそ、一気にその場から距離をとる。
そうしなければ蘇生してもまたすぐに死ぬ。歴史上、いくつか蘇生薬は見つかった・・・、らしい。見つかったと言う話は多くあるが、結局誰が所有しているかは分からない。
かつてならそれを持っだけで宗教でも立ち上げられたかもしれない。だが、今は保険と変わらない。その保険は確かに正式に使われた。遠くで青山が巻き戻る様に姿を現している。なら、それに気を向かせない様にひたすらに殴りかかる。
「私は産み出す者。その名を冠する魔女を宿す者。だからこそ産み出そう・・・。アブザ・・・、私の生まれることのない子よ・・・。一時だけ私を先へ連れて行って・・・。」




