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第一章 第三話 原作と違うじゃないか! どうしてボスが魔族なんだ!

 第九層そろそろだな。


 階段を降りて地下第九層に来た俺は、周辺を見る。


「お兄様、あそこにスライムがいるよ」


「ああ、だけどあいつらではない。本当に倒すべき相手は、この先にいるスライムストラテジストだ」


「スライムストラテジストって、スライムの中では一番賢いスライムですわね」


「ああ、だけど俺には秘策がある」


 まずは原作どおり、こいつが効くか試すか。


「カリン、セリア、あのスライムたちは俺一人で相手をする。お前たちは俺が危ないと判断したときにサポートしてくれ。因みにセリアは一番火力の弱い魔法を使えよ」


「分かりましたわ」


「えー、私もたまには派手な魔法を使いたいです。お兄様」


 あほう! お前が火力の高い魔法を使ったら、このダンジョンが消滅して俺たちも死ぬことになるって。


 だけど、派手な魔法を使いたい気持ちは十分わかる。だってかっこいいものな。


「セリア、お前の魔法はいざというときのための秘密兵器だ。だから強い魔法はいざというときとためにとっておいてくれ」


 魔力を制御できればいいのだけど、彼女は上手く操れない設定になっているからな。使ってもらう魔法は弱い魔法限定にしてもらわないと。


「分かりました。セリアはいい子なので、お兄様の言う通りにします」


 うん、本当にいい子だ。


「ありがとう。お前は本当に自慢の妹だ」


 セリアの頭に手を置いて、赤い髪を優しく撫でてあげる。


「ふにぁ〜。お兄様から頭を撫でてもらえた」


 頭を撫でてもらうのがそんなに嬉しいのだろうな。セリアは目を細めて顔を綻ばせた。


「セリアちゃんばかりずるいです。わたくしにもしてください」


 頬を膨らませながら、カリンが頭を俺に近づける。


 くそう。可愛すぎるだろうが。アスランが羨ましいぜ。まぁ、今は俺がアスランなんだけどな。


 俺はカリンの頭に手を置き、藍色の髪を優しく撫でる。


 二人が喜んでくれているからついついやってしまうけど、そろそろスライムを倒して先に進まないといけない。


「はい、これでおしまい。俺はスライムのところに行って来る」


 二人の頭から手を離した俺は、スライムに近づく。


 侵入者である俺に気付いたようだな。三体が一斉に飛びかかってきやがった。


 頼むぜ。原作どおりに上手くいってくれ。


 懐から瓶を取り出すと、中に入っている白い粉を掴んでスライムたちにぶっかける。


「それ、こいつをくらいな!」


 白い粉を浴びたスライムは、俺に届く前に地面に倒れた。やつの身体からは勢いよく水分が噴射され、ぐったりとする。


 よし、原作どおり。やっぱり今どきのスライムの倒し方は調味料だよな。


「凄いですわアスラン!」


「お兄様凄すぎです。Bランク指定のスライムを一瞬で倒してしまうなんて」


「何を言っているんだよ。これくらい朝飯前だ」


 いける。原作の知識さえあれば、例えスキルなしの身体でもざまぁされることはない!


「よし、このまま最下層に行ってスライムストラテジストを倒すぞ」


 ふふふ、塩が効いたんだ。なら、砂糖の方も効果抜群のはず。


 原作のように『溶けてりゅううううううう! 俺の身体が溶けてりゅううううううう!』と言わせてやる。


 そのまま九階層の奥へと進み、最下層につながる階段を見つけて階段を降りる。


 十階層は一本道で、奥に大きい扉があった。


「この先がボスのいるフロアだ。カリン、セリア、準備はいいか」


「ええ、いつでもいけますわ」


「私とお兄様がいれば、どんな魔物だろうと負けることはないもん」


「よし、行くぞ」


 さぁ、スライムストラテジスト。お前なんか俺が瞬殺してやる。絶対にざまぁなんかさせないからな。


 扉に手を置こうとすると、扉が独りでに開く。


 まるでゲームみたいだな。


「おや? こんなところで人間と合うとは思ってもいなかったな。お前たち、もしかして冒険者か?」


 な、なな、何でスライムじゃなくて魔族がいるんだよおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!


 俺は心の中で思いっきり叫んだ。


 ボスの部屋にいたのは巨大なスライムではなく、灰色の肌に黒い眼球が特徴の魔族だ。


 頭には二本の角と背中には翼が生えている。


 飛行が可能の魔族かよ。確か原作では第三部くらいに出てくるやつじゃなかったか。


 物語の序盤に出てくるようなやつでは絶対にない。それなのに、どうしてこんなに強い魔族がここのダンジョンに現れる!


 落ち着け、一応このタイプの魔族の戦い方も原作で予習済みだ。冷静になって戦えば、負けることはないはず。


「お前たち、どこかでスキル玉を見つけていないか? もし持っているのであれば、そいつを置いて逃げるのであれば、命だけは助けてやる」


 スキル玉? 何を言っているんだ? ここのダンジョンには、そんなものは存在していなかったはずだぞ。


 スキル玉は、使用することでスキルを追加することができる。それさえあれば、俺もスキルなしからスキルありとなり、戦いも少しは楽になる。


 ここは、キーファが言いそうな言葉を使って様子をみるとするか。


「スキル玉? そんなもの俺は知らないぞ。そもそも、仮に持っていたとしても、お前のような弱そうな魔族に渡す訳がないだろう」


「ほう、この俺が弱いだと。人間如きにしては威勢がいいじゃないか」


 あ、やべぇ。よく考えたら、チートスキルを持っているキーファだからこそ言えるセリフだった。


 あいつ額に血管が浮き出ているし、かなり怒っているようだな。


「なら、俺が本当に弱いのか確かめてみろ! 人間如き下等生物が!」


 やっちまったことは今更変えようがない。ここは原作の知識を使って乗り切るしかない。


「カリン、セリア、戦闘開始だ!」


 最後まで読んでいただきありがとうございます。


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