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第二章 第七話 どうして俺が入浴中に二人が乱入するんだよ!

「ふぅーいいお湯だぜ。ギルドマスターも気の利いたことをしてくれる」


 魔物の襲撃から一週間が経過した頃、俺は街の温泉に浸かってのんびりとしていた。


 冒険者たちに残りの金を支払った後、俺たちはギルドマスターに温泉を貸し切りにしたから入ってこいと言われたのだ。


「本当に温泉はサイコーだぜ。疲れも吹っ飛ぶ」


 こんなことを言ったら、カリンからおっさんぽいと言われるかもしれない。だけど中身はおっさんなんだから仕方がないよな。


「お兄様、お湯加減はどうですか?」


 セリアの声が聞こえてきた。どうやら女湯の方から声をかけているようだな。


「温かくて気持ちいぞ。セリアも入ったらどうだ?」


「それでは、お言葉に甘えて失礼します」


 あれ? 今、俺の後ろから声が聞こえなかったか? き、気のせいだよな。さすがに常識を考えて、彼女が男湯に入ってくるはずがない。


 よし、確認しよう。今のは俺の聞き間違いだ。


 俺は振り返った。するとそこには全裸のセリアがいた。タオルで身体を隠すこともなく堂々としている。


「セ、セリア! どうしてお前が男湯の方に来ているんだよ! 女湯は隣だぞ!」


「そんなことは知っています。お兄様が男湯に入ったので、私もこちらに来ました」


「どう言う理屈なんだよ! 今すぐ女湯の方に行け!」


「それはムリです。私を女湯に連れて行きたいのなら、お兄様が女湯の方に来てください」


「そんなことをしたら俺は変態になるじゃないか!」


 分からない。セリアの考えが全く読めない。彼女はいったい何を考えているんだ?


「風が吹いて少し寒いので、温泉に入りますね」


「だから、女湯の方で入ってこい!」


 俺の言葉を無視して、セリアは温泉の中に入った。


 いつもなら俺の言うことを聞いてくれるのに、なぜか今日にかぎっては頑固だな。もしかしてカリンと何かあったのか?


「なぁ、もしかしてカリンとケンカでもしたのか?」


「カリンさんとはいつも仲良しですよ。ケンカなんかしません。急にどうしたのですか?」


「いや、なんでもない」


 カリンとケンカして、一緒のお湯に浸かりたくなかったわけでもないのか。それ以外に何か可能性があるものってあったか?


 セリアが俺と同じ温泉に入りたり理由が思い当たらない。


 とにかく身体を洗ってから考えよう。


 俺は温泉から上がると、洗い場に向かう。


 俺以外の足音が聞こえるな。セリアも身体を洗うのか。


 桶に温泉のお湯を入れ、イスに座る。


「お兄様、お背中を流しますね。」


 セリアが浴場に置かれてある石鹸を取った。


「それでは失礼しますね。うんしょ、うんしょ」


 なんだこの感触は? 妙に柔らかいのだが。


「なぁ、セリア? 今何で洗ってくれているのだ?」


「天然スポンジを使っています」


 そうか。天然スポンジか。天然スポンジってなんだ?


「またの名を、セリアの女体とも言います」


「ちょっと待て!」


 俺は驚いて振り向く。するとセリアの身体は泡がついていた。


「どうしたのですか? お兄様」


「いったい何を考えているんだ!」


「だって、お兄様はこういうのがお好きなんですよね? 宿屋のベッドの下にこんなプレイをしているエッチな本があるのを知っています」


 アスラン! お前そんな風俗関係のエロ本を持っていたのかよ! しかもベッドの下に隠すとか中学生か! 一番に探されるところじゃないか!


 それは誤解だと言いたい。だけど俺ではないがアスランの所有物である以上は、強く言えない。俺の性癖ではなくとも、アスランの性癖なんだから。


「とにかくもういいから」


「わかりました。では、今度は前の方を洗わせてもらいます」


「背中はしなくていいという意味ではない! 前は自分でするから、セリアも自分の身体を洗ってくれ」


「そう……ですか。私に洗われるのが嫌だったのですね」


 やばい、セリアの表情が曇って今にも泣きそうだ。


「そうじゃない! セリアに洗ってもらえるのはお兄ちゃんとして物凄く嬉しい。ただやり方が悪かったと言うだけで」


 ああ、もう。今日のセリアはいったいどうしたんだ?


「なぁ、どうして今日は俺の言うことを聞かないで男湯に入ったり、自分の身体を使って背中を流したりしてくれたんだ?」


「それは……まだお兄様にお礼ができていなかったから」


「お礼?」


「お兄様、私の魔力暴走を止めるためにムチャをして下さったではないですか。魔力がお兄様の身体を蝕んでケガをしても、お兄様は私の尻拭いのために頑張ってくださいました。そのお礼をと思いまして」


 なるほど、そう言うことだったのか。だから俺を喜ばせようと思って男湯に入ってきたり、自分の身体で洗ってやったりしてくれたんだな。


「お礼なんて別にしなくていい。かわいい妹を守るのは兄の役目だからな。俺は当然のことをしただけだ」


「それでも、私はお兄様に何かしてあげないと気がすまないのです」


 うーん困ったな。今のセリアは意思が固いみたいだし、簡単には納得してくれない。


 何かいいアイディアはないだろうか。


「そうだ。それなら今度買い物に付き合ってくれないか?」


「買い物ですか?」


「ああ、とても大事な買い物なんだ。セリアがいてくれたらとても助かる」


「わかりました。ぜひ付き合わせてください」


 これでセリアも納得してくれたな。俺がこの世界にいる限り、絶対に避けては通れないイベントがある。それに備えるためにも、セリアの協力が必要だ。


「あー! 女湯にいないと思いましたら、男湯にいたのですね!」


 カリンの声が聞こえ、声のした方を見る。そこにはバスタオルで身体を隠している彼女がいた。


「ちょうどよかった。カリン、セリアを女湯の方に連れて行ってくれないか」


「わざわざ女湯の方に向かうのは面倒臭いです。カリンさんも来たのなら、三人で入りましょう。どうせ貸し切りで私たち以外はいないですから」


「それもそうですわね。お湯の成分は同じですし、ここに来てしまった以上はこちらで入りましょう」


 どうしてそんな発想になる! 頼むから女湯の方に行ってくれ!


「カリンさん、浴場に来た以上はタオルで身体を隠してはいけませんよ。さぁ、脱いでください」


「セリアちゃん、それはお湯に浸かるときで、それ以外はつけていても……きゃあ!」


 神業とも思えるような速度で、セリアはカリンのバスタオルを剥ぎ取る。


 一瞬にしてカリンは生まれたままの姿を俺に曝け出した。


 セリアはどちらかと言えば膨らみ始めた頃の幼児体型に近い。ロリコンではない俺は彼女の裸体を見てもなんとも思わなかったが、カリンの裸体は全然破壊力が違う。


 無駄な肉がない引き締まった身体に品格のある乳、そして張りのある肌は生まれながらに高貴な家の生まれだと物語っている。


 彼女は身体を屈めて恥部を隠すが、その姿を見た俺は更に興奮した。


 まずい。俺のムスコが膨張してしまった。


 俺は彼女たちに気づかれないように両手でムスコを隠す。


「外にいたままでは風邪をひいてしまいます。早く泡を洗い流して温泉に浸かりましょう」


 セリアが桶を掴み、俺の身体についた泡を洗い流す。


「お兄様、早く温泉に浸かりましょう」


「悪い、俺はもう少ししてから入る。お前たちだけ先に入っていてくれ」


「わかりました。ですが、絶対に入ってくださいね。抜け出さないように監視していますから」


 セリアは温泉に浸かると、宣言どおりに俺をジッと見てくる。


 こうして俺は、ムスコの膨張が治るまでの間、義妹に裸を見られ続けるという謎の状況に陥ったのであった。


 最後まで読んでいただきありがとうございます。


 この物語が面白いと思ってくださった神様のような方へ


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