ルミア、謎のおじさんとお話しする。
ルミアはヤスオを睨んだ。
※ヤスシです。
だが、睨まれた張本人は、のほほんと笑っていた。
「いや〜お嬢さん。そんな睨まなくても…。」
困ったように笑う、ヤスオ。そんな、ヤスオにルミアは言う。
「ヤスオさん、どうやってここに入ったんですか?」
「ヤスシですけど。えーと、それは内緒で。でも、不審者ではないですよ。」
そういうのが余計怪しい。まじで誰だ?
「まあ、私のことはともかく、悩んでるんでしょう?フィルラス学院も、ノーリズ学院も入ればいいじゃないですか。」
「知らない人の情報は信用できません。」
一刀両断すると、おじいさんはカラカラと笑ってそうか、そうか、と頷いた。随分と愉快そうだ。
私と、真反対である。
「だが、本当だぞ?それが、一番手っ取り早い。まあ、しんどいが。正直。それに、学費もいる。もっとも、これだけの財力があれば大丈夫だろうが。」
でしょーね。
「分かりました。参考にします。ありがとうございました。」
こういう人は早く追い出すに限る。小学校の時もそう習ったし。
(関わるなと習ったはずである。)
「つれないですね。でも、気に入りました。マルヴィルにも言っておきましょうか。あの件も、この嬢さんに免じて、許してあげましょうか。」
え?実父マルヴィルの知り合い?
「父様の知り合い?」
「まあ、ただ、別に仲良くはないです。」
なんやねん!
でも、本当に誰だろう。実父マルヴィルの知り合いで仲良くもない。てか、仲良くないって時点で覚えているのかな?でも、なんか許すとしか…。
はっ、もしかして…?
「父様が迷惑かけられた、通りすがりの人ですか?」
私が考えて導き出された答えをいうと、おじいさんは目を丸くして、笑った。
「ほっほっほっ面白い嬢さんですね。ますます、気に入ったぞ!これをやろう!」
なぜか、分からないけど気に入られたの、か?
おじいさんの手に握られていたのは、花の飾りだった。バラのような豪華なもの。反射して、キラキラ輝いていた。ルミアが花飾りに見惚れていると、
「お守りとして持っておいてな。では!」
その言葉を残して、おじいさんはぱっぱと消えていった。さすが、実父マルヴィルの知り合い。変に感心する。けど…、
「結局、不審者じゃん!」
ルミアの声が屋敷に響いた。
そして、思った。
流れで受け取ったけど、この花飾りどうしよう?
読んでくださりありがとうございました。