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7-1. カワキタ・ザ・ゴッド記念庭園

 この物語はフィクションです。

 作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、

 特定の事件・事象とも一切関係はありません。

「で、結局。サンキューって何の虫からできてるんですか?」


 まだまだ暑い夕方。サトウが隣を歩くワンに質問する。

 本日一八時からのカワキタ前宰相の演説を見るため、二人は庭園に向かう最中だ。


「あれナ、えート。ゴキブリ、蝉、まぁ不快害虫ってやつらだナ」

「ゴキブリに蝉‥‥、なーんだ!子どもの定番おやつ(・・・・・)じゃないですか!もっとヤバい虫かと思ってました」

「お前ハ、無駄にたくましいネ」


 ワンの発した「たくましい」を褒め言葉と受け取ったサトウは、照れながら「へへっ」と言うと鼻の下を擦った。


「おやつって言ってたけド、特に蝉なんカ、帝都じゃ見ないだロ」

「確かにそうかも。というか帝都って夏でも蝉の声しませんよね」


「帝都は外国人のための街だからナ、ずっと前に蝉やコオロギみたいな鳴く害虫は駆除されたヨ」

「何で外国人のための街だと駆除されるんですか」


「上級国民はみんナ、外国から来てる外国人だロ?外国人は虫の鳴き声を『騒音』だと感じるのナ。『声』って感じるのハ、帝国人ぐらいらしいゾ」


 国内のほとんどの上級国民が住む帝都において、蝉のような鳴く虫の存在は騒音公害と同等に問題視されていた。


 帝都の中心部に住まう上級国民。

 彼らA、Bランクには、帝国人の血が一滴も入っていない外国人が振り分けられている。

 帝国に何かしら利益をもたらせばAランク。移住するか不法滞在するだけであればBランクといった具合だ。


 その上級国民と帝国人の間に生まれた者は、帝国人の血が1/2(ハーフ)ならCランク。

 3/4(クォーター)であればDランクと振り分けられる。これらが中級国民である。


 最後に下級国民。

 これは純帝国人か、Dランクの者よりも帝国人の血が濃い者が落とされる階級(ランク)だ。

 まずはFランクに振り分けられ、金さえ払えばEランクへ昇級できる。

 中級以上の国民からすれば目くそ鼻くそだが、下級国民間では両者には壁がある。


「なるほど。でも僕、蝉だったら一昨日に見ましたけど」

「マジカ?珍しいネ。まァ、帝都外から飛んでくることもあるカ」


「ゴキブリはよく見かけますけどね。何かお腹空いてきたな」


「サトゥ。普段おやつって言ってゴキブリ食べてないだろナ」

「食べてませんよ!ゴキブリって腹壊す率高めなんですから。あれは最終手段です」


 二人で昆虫食について話していると、巨大な壁に辿り着く。


 ウォール・ヤマノテ。

 上級国民の居住区画、商業区画。果ては高級娯楽施設などがこの壁の内側に広がっている。


 ワンの手続きによりヤマノテ内に足を踏み入れるサトウ。

 そこはハッチョーボリの倒壊寸前の建物ばかりの町並みではなく、清潔で緑豊かな町並みだった。

 そろそろセミファイナルに遭遇する季節がやってきますね。

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