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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第10章 幻想の花嫁

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#264 ラズリアス新国王と世界会議

 俺の名はラズリアス・ブルースフィア。

 ブルースフィア王国の新しい若き国王である。

 そんな俺はここアメリカ合衆国で行われる世界会議に参加することになったのだが⋯⋯。


「アメリカか⋯⋯久しぶりだな」


 まあ来ること自体は初めてではない、まだ父が国王だった頃にも俺は付き添いで来たことがあったからだ。

 だが今回は父は来ていない、名実ともに俺が国のトップとしての初めての政治的そして国際的な交流というやつだった。


「それがこんな会議になろうとは⋯⋯な」


 他の国の政治家たちはまだ知らんだろう。

 だが俺は知っている。

 今日ここでどんな会議が行われるかという事を⋯⋯。


「まったくレジェイドのやつが余計なことをしなければ⋯⋯」


 俺の弟が知ってしまったからなあ⋯⋯。

 それでブルースフィアのような吹けば飛ぶような小国がこうしてこの世界会議に呼ばれる事態になったというわけだ。


 つまりこの世界会議で議論されるのは例の宇宙人とのファーストコンタクトに関する事ということだ。


「はあ⋯⋯どうしてこうなったのやら?」


 俺はこの歳まで大真面目に一般常識の中で生きてきた人間だからな⋯⋯。

 まだオタクのレジェイドのような人間の方がこの異常事態に適応出来るのではないだろうか?


 俺はそんな事を考えながら用意された議事堂の席に座るのだった。


 周りを見ながら考える。

 やはり油断ならない魑魅魍魎の集まりだなここは。

 気を抜けば利権を根こそぎ持っていかれる⋯⋯そんな恐ろしい場所なのだろう、気を引き締めねば!


 そう決意する俺に話しかけてくる人物がいた。

 それは隣の席の他国の政治家だった。


「お隣ですね。 よろしくお願いします」


 そう話しかけてきたのは女性の政治家だった。


「こちらこそ、私はラズリアス・ブルースフィア。 ブルースフィア王国の王だ」


「ご丁寧にありがとうございます。 私は日本の内閣総理大臣の高橋幸子(たかはし さちこ)と申します」


 そう背筋をピシッと伸ばして見習いたくなるような立派な挨拶をしてきたのはなんと日本の首相だった。


 それにしても日本の首相が女とはな⋯⋯。

 べつに俺は女性を軽んじるわけではないが、それでもこうして国のトップが女というのは素直に驚く。


 まあ我がブルースフィアも建国の国王は女性だし、1日だけあのリネットも女王になった国だからなあ⋯⋯我が国がとやかく言えることでは無いな。


「⋯⋯似ているわね」

「なにが⋯⋯でしょうか?」


 俺はなにげないその高橋首相の言葉を聞いてしまった。

 すると一瞬だけこの鉄人のようだった高橋首相がうろたえたのを俺は見逃さない。


「その⋯⋯以前あなたの父上のネフライト前国王にお会いしたことがあってね」

「そうだったんですか?」


 まあ父上もああ見えてしっかりと国王をやっていたからな、こういう国際会議とかにも何度も出ているし、それでこの高橋首相にも何度か会ったことがあったんだろう。


「それにね⋯⋯あなたの母親のアンジェリカさんとも非公式なコミュニティでだけど長い付き合いの友人なのよ、私は」


「そ⋯⋯そうだったんですか!?」


 なんかこっちの方がびっくりしたわ!


 父はまあいいとして俺の母はいったい何者なんだろうか?

 実質的に母は国王以上の権力でブルースフィアを掌握しているし、それにこうして日本の首相にまでなる女政治家とコネクションを築いていたとは⋯⋯。

 なんという政治的眼力なんだ、見習わなければな⋯⋯。


 こうして国王となって初めて俺は今まで知らなかった両親の偉大さを理解していくのだった。


「母とはどんなおつきあいを?」


「ここで多くを語るような関係ではないわ。 ただ⋯⋯今まで敵対派閥にならずに済んだ貴重な友人とだけ言っておきます」


 なるほど⋯⋯つまり母とは政治的な思想が似ているという事かな?

 偶然ではあるがこの高橋首相と隣の席になったのは幸運だったのかもしれんな。


 そう考えながら俺はこの会議が始まるのを待つのだった。


「ほんとに似てるわね⋯⋯ジェラルドきゅんに」


 ⋯⋯?

 何か言ったか?

 聞き逃してしまった。


「あの何か?」

「なんでもないわ。 それよりそろそろ始まるわよ」

「そうですね」


 こうして俺の初めての世界会議が始まったのだった。




「あ~。 世界各国の首脳のみなさん、お集まりいただきご苦労です」


 そう司会を務めるのはこの世界会議のホスト国であるアメリカ大統領ミスター・トランクである。


「あれがトランク大統領か⋯⋯」


 見ててほれぼれするくらい余裕たっぷりで貫禄ある立ち振る舞いだった。

 くそ⋯⋯俺もいずれはあんな国王に。

 だがあんな中年太りにはなりたくないが⋯⋯。


「ヘイ! ミスター・トランク! 今日は何の会議だい?」

「そうだぜ! 急に呼び出してよ! まったくこっちの都合も考えてくれよな! ハハハッ」


 そうヤジを飛ばす国の王も居るな。

 まあわからんでもない、この会議は急に日程が決まって召集されたからなあ⋯⋯。


 でもまあ議題があんなのだからしかたないとも言えるが。


「ハハッ。 急に集まってもらったのはほかでもない⋯⋯まずはコレを見て欲しい」


 そうトランク大統領は大画面のモニターに映像を映し始めたのだった。


 それを俺を含めた各国の代表が無言で見つめる⋯⋯。

 まあその内容はレジェイドからだいたい聞いていたのだが。


『私はエルトアール星団の惑星エルトラン代表のレグルス王子である。 このたび我がエルトアール星団は地球との文化交流を始めていきたいと考えている──』


 あれが例の宇宙人の王子か?


 そう⋯⋯そこには異星人の王子の演説がモニターに映されていたのだった。

 まあこれは録画で双方向の通信ではなかったのだが⋯⋯衝撃は大きかったようだ。

 あたりにどよめきが伝わる⋯⋯。


『──それではこの出会いと、これからの親交に⋯⋯感謝を』


 そう言ってこの映像は終わった。

 そして議事堂に照明が戻り⋯⋯沈黙が解けてざわめき始めた。


「ははは⋯⋯ミスタートランク? こりゃ今年の全米泣かせなバリウットの超大作の宣伝なのかい?」


 そう言いたい気持ちは俺もよくわかる⋯⋯。


「⋯⋯端的に答えよう。 これはリアルである! けして映画などではない!」


 そのトランク大統領の言葉に騒然となる議事堂だった。


「このアメリカ合衆国大統領トランクが宣言する! 国際法第838861号に基づき我が地球は異星人とのファーストコンタクトを記録したと!」


 そんな存在すらほとんど知られていない宇宙人との出会いに関する国際法に基づいて集まったわけだ我々は⋯⋯。


「宇宙人?」


 隣の高橋首相も困惑していた。

 まあそれが当然の反応だよなあ⋯⋯。


「こんな国際法が制定された当時は与太話だと思われていただろう。 だがしかし! 宇宙人との接触がこうして実現した以上この問題は我がアメリカだけではなく地球の! いや、人類共通の問題だと言えるのだ!」


 そう力強く発言するトランク大統領だった。


「しかしトランク⋯⋯その宇宙人はいったいどこの惑星なんだ? エルトラン? 私はそんな星は知らんぞ?」


「いちおう向こうの言い分だと、この地球から光速で500年くらいの場所にあるらしい」


「500光年だと!? そんな星とどうやって異文化交流するというのだ! まさかワープや転送装置でもあるのか向こうには?」


「ワープ技術はあるらしいが移動には50年はかかるらしい。 あと転送装置に関しては開発中とのことで、こちらは実用化の可能性があるとのことだ」


 そんな事実が告げられる。


「そ⋯⋯そんな高度な文明とこの地球がどうやって対等の関係を築けるというんだ!? 一方的に侵略されるに決まっているじゃないか!」


 そう悲鳴のような声を上げる者も居た。

 まあ気持ちはよくわかる⋯⋯。


「そうわめくな。 ⋯⋯まあ言いたい気持ちはわかるがな。 だがこのエルトラン星団と直接的な接触はおそらく無いだろう」


「なぜだね?」


「それはだね⋯⋯この地球とエルトランの時差が約500年ほど離れているからだ」


「ご⋯⋯500年だと? どういうことだ!?」


「簡単な事だ。 ようは向こうは500年先の未来人だってことさ。 だから向こうの文明が勝っててもおかしくもない話だ」


「そ⋯⋯そんな? じゃあなぜそんな500年も時間のズレた交信が可能に?」


「それはだな⋯⋯かつてエルトランからこの地球にタイムマシンがやって来たらしい。 そのタイムマシンが宇宙空間に時空断層を作ってしまい⋯⋯その未だに残る時空断層を通してこの500年ズレた交信だけが可能という事になったようだ」


 そうトランク大統領の言葉に水を打ったかのような沈黙がこの議事堂を覆ったのだった。

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銀色の魔法はやさしい世界でできている~このやさしい世界で最後の魔女と素敵な仲間たちの夢見る物語~
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連載再開!楽しみ全開! 最終章……だっけ?オレハシンジナイゾォォォォ! (12月に連載再開するって聞いてた気がするけど……うん、俺の気のせいだな!)
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