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リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~  作者: 鮎咲亜沙
第10章 幻想の花嫁

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#265 幻想の花嫁

 突然始まったこの世界会議。

 その中で衝撃となる宇宙人とのファーストコンタクトが告げられたのだった。


 やがて各国の首脳陣も大いに悩んでいるが、その疑問にたどり着く。


「ところでミスタートランク? そんな未来の宇宙人がこんな地球と通信しかできない現状で一体どんな文化交流をするつもりなんだ?」


 当然の疑問だった。

 そんな現状では人はおろか物の交易すら不可能だからだ。


「それはだな⋯⋯向こうではいずれ我々が打ち上げて流れ着く人工衛星からいろいろ学習したらしいんだが⋯⋯。 その中でもゲームにご執心らしい」


「ゲーム⋯⋯だと?」


「ああゲームだ! テレビゲームだ! 他にもアニメーションなどの娯楽が大人気でその最新作が欲しいらしい!」


 ポカーンとなる議事堂だった。


「まあこの辺が宇宙人の欲しがっている作品リストなんだが⋯⋯」


 そうトランクがスクリーンに映したのはほとんどが日本発祥の作品たちだったのだ。


「くそ! またジャパンかよ!」

「汚いぞジャパンめ!」

「また一人勝ちは許さんぞ!」


 そんな現状を理解する一同はそう喚きたてるのだった。

 だが俺の隣の高橋首相は⋯⋯。


「⋯⋯来たわね。 この日本にビックウェーブが」


 そう不敵に呟いていた⋯⋯。


「向こうはたしかに高度な文明人だが娯楽に関しては我々地球側が圧倒的にリードしている! それを取引材料にしていく方針だ!」


 そう日本の娯楽産業をあたかも自分たちの物だと言わんばかりのトランク大統領だった。


「向こうのメリットはわかったが⋯⋯こっちにはなんのメリットがある? まさか金とか払えんだろう?」


「それはだな⋯⋯こういう物をすでに提供してもらっている」


 そう次に大スクリーンに映し出されたのは⋯⋯人工衛星に搭載されたスーパーコンピューターの設計図だった。


「これは地球のコンピューターの数世代先の性能らしい。 それをこっちで製造し、設置して使わせてほしい⋯⋯というのがエルトアール星団の要求だ」


 ⋯⋯なるほど。

 そんな未来のコンピューターの製造知識を受け取ったのならばゲームやアニメなど取るに足らない取引材料だと言える。


 ⋯⋯だがしかし?


「⋯⋯? よくわからんな? そのコンピューターをこっち⋯⋯地球側に設置することになんの意味があるんだエルトアール星団には? 自分たちで作って使えばいいだけじゃないのか?」


 当然の疑問だな。


「それなんだがな⋯⋯。 実はこの地球とエルトアール星団を繋いでいる時差のある時空断層なんだが⋯⋯縮まっているらしいのだ」

「縮まっている?」


「最初は1000年くらいの時差だったのが現代では500年くらいの時差になっている。 その分だけ向こうと我々の時間の速さが違うのだ」


 そう⋯⋯地球側とエルトアール星団側では時間の速さが異なるのだ。


「まあ単純に言えば⋯⋯こっちは2倍の速度で時間が進んでいる。 つまり我々の地球はあと500年間は向こうから見ると2倍の速度で未来に近づいているのだ。 なのでエルトアール側から見るとこっちにコンピューターを置くだけでその処理速度が体感2倍になる⋯⋯という事だそうだ」


「なんだと!」


 大きくざわめく⋯⋯。

 俺はコンピューターにはあまり詳しくないが専門家のレジェイドが言うには──、


『エルトアールはコンピューターの開発技術が頭打ちに近づいているんじゃないだろうか? しかし文明をコンピューターに依存しきっているけど処理速度が追いつかなくなっている可能性がある。 そのための対策なんじゃないかと思うんだ』


 ──だそうだ。


 つまりそのレジェイドの仮説が正しければエルトアール側はかなり追い詰められた状況という事に。

 この地球との取引が成立するかはまさに大きな分水嶺だという事だ。


 こうしてこの国際会議は真剣にエルトアール星団との文化交流について議論されていくのだった。


「トランク! もちろんそのコンピューターの図面は俺たちにも公開してくれるんだろうな?」

「そうだ! アメリカの独り占めは許さんぞ!」


「⋯⋯国際法により宇宙人との交渉による技術獲得は地球人の共有財産となる。 よってこれらの技術は平等にすべての国家に公開するさ」


 そうトランクは言う。


 まあホントはアメリカ様は独り占めしたいだろうが⋯⋯そんなの絶対にいずれバレて世界中から非難されるに決まっているからな。

 さすがのアメリカでも全世界を敵に回して孤立するのは避けたいのだろう。


「そう言えばトランク? 大昔に地球に来たという連中のタイムトラベラーはどうなっているんだ? もう戻ったのかエルトアールに? それともまだこの地球に残っているのか?」


 ⋯⋯まずいな。

 そこが究明されると我がブルースフィアがその宇宙人を先祖に持つ王家だとバレてしまう⋯⋯。


「いや、向こうの調査ではまだ戻って来ないようだ。 こうして時空断層が地球と開通している以上⋯⋯そのタイムトラベラーは確実に地球に来ている。 だがまだこの地球に残っているのか? そして可能かは知らんが⋯⋯その子孫がまだ生き残っているのかとかは不明だ」


「じゃあこの地球にその宇宙人がまだいる可能性が?」

「交配可能なのか!? その宇宙人と我々は!」


「どちらもまだ不明だ。 その件は調査を続けていく」


 ⋯⋯まずいな。

 このままだとブルースフィアは世界を敵に回しかねん。

 よくてもこの連中のモルモットになるかもしれん。


 俺はともかくあの可愛いリネットがこんな連中に捕まったら!


『やめろージョッガー! ぶっとばすぞ〜!』


 ⋯⋯謎の研究機関に捕まって改造手術されるリネットを俺は想像してしまった。

 許せん⋯⋯そんな事だけは絶対に!


 だがどう頑張ったところでブルースフィアという一国家だけではどうしようもない。


 ⋯⋯味方が必要だ。

 そう⋯⋯信頼できる同盟国の存在が!


「これは戻ったら緊急会議ね。 ふふ⋯⋯日本が誇るクールジャパンがついに世界の頂点に」


 俺は隣に座っている高橋首相に感心する。


 圧倒的な胆力。

 未来を見据えた信念。

 そして決定力を感じる⋯⋯。


 それにこの高橋首相は母が選んだ政治家だ。


 だから俺は信じてみる。

 この日本を⋯⋯高橋首相を!


「⋯⋯高橋首相。 このあと内密に話せる席を設けてもらえないだろうか?」


 一瞬の間があった。

 俺には永遠に感じられるくらいの間が⋯⋯。


 だが高橋首相は優雅に笑って──。


「なにかいい話が聞けそうな予感ね。 時間を作りますラズリアス国王陛下」


 この俺の決断が正しいのか間違っているのかはまだわからん。

 しかしこの高橋首相⋯⋯いや日本は味方につけたい。


 そう決意する俺だった。




 俺はこの会議が終わった後⋯⋯日本へと旅立つことになる。

 そして日本で高橋首相と密会を行い⋯⋯秘密裏に同盟関係の構築することにする。


「さて、これからどうなるのか?」


 そしてアメリカには最大限の注意が必要だな。

 なぜならアメリカは1つだけ公開しなかった情報があるからだ。


 俺はレジェイドから聞いて知っていたが⋯⋯あの国際会議ではまったく触れられなかった項目だ。


「ミスタートランク⋯⋯油断できん相手だな」






 一方その頃、国際会議が終わったアメリカでは──。


「遅いぞフォブス長官」

「お待たせしましたトランク大統領」


 トランク大統領はFBIのトップであるフォブス長官を呼び出していたのだった。


「それでレグルス皇子様が求める『女神アリス』とかいうVチューバーの正体はわかったのか?」


 そう、トランクは公開しなかった。

 向こうのレグルス皇子がアリスを嫁に欲しがっているという情報を⋯⋯。


 もちろんそれを生かしてアメリカに利益誘導するためだった。


「我がFBIの調査によれば『アリス』と名乗るVチューバーは全世界16ヵ国に225人存在しています」


「⋯⋯多いな?」

「まあアリスなんてありふれたネーミングですからね」


「ちっ⋯⋯フルネームがわかれば簡単だったのに。 ⋯⋯特定は可能なんだろうな?」


「もちろんです! 我がFBIの調査力は世界一です。 その捜査網でアリスという女の居場所は1週間もあれば特定してみせましょう」


 そう自信たっぷりに言うフォブス長官だった。


「ふふふ、期待してるぞ」


「ところで大統領?」

「なんだ?」


「このアリスを見つけてどうするおつもりですかな?」


「決まっているだろう? そのレグルス皇子と結婚させるのだ⋯⋯このアメリカの国民としてな! なんなら私の養女にしてもいいくらいだ!」


 そう、トランクの目論見はアリスをアメリカに帰化させることだった。

 もちろんアメリカにもアリスかもしれないVチューバー候補は多くいたが⋯⋯そうでない可能性の方が高いからだ。


「もしもアリスがアメリカ人以外ならその国に利益をガッポリ持っていかれるからな!」


 それがトランクの本音だったのだ。


「⋯⋯可哀そうにアリスは。 そんな異星人の皇子と結婚させられるとは」


「結婚といってもしょせんはネットを通したヴァーチャル婚姻にすぎんよ。 ようは結婚したフリだけしてもらえばいい! Vチューバーなんてのは自分以外のキャラを演じて金儲けする連中なんだろ? だったらこの皇子の嫁も演じてもらえばいいだけさ! ⋯⋯一生な」


「つらい人生ですな⋯⋯そのアリスは」


「言っておくがアリスには相応の報酬は支払うぞ? それこそトーマス・クルーザーくらいの生活を約束するさ! それに望むならこのアメリカの大支援で世界のスーパースターにしてやってもいいくらいだ! むしろそうなった方が皇子も喜ぶかもな! ハッハッハッ!」


 そう笑うトランクだった。


「一介のVチューバーでは考えられないシンデレラストーリーですな」


「その通りさ! だがアリスには演じ続けてもらうがな、このアメリカ国民として一生⋯⋯。

 この『幻想の花嫁』役を⋯⋯」

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― 新着の感想 ―
トラン◯大統領、完璧な作戦だぜ… アリスという「女性」が存在しないことを除けばなあー!
相変わらず話のスケールがデカくなったものだ……w 最初は等身大の恋愛だったのにw
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