交渉
まず「感想」のことで・・・
返信しようと思ったら間違えて消してしまいました・・・(泣
【無感の夢者】さん、せっかくコメントをいただけたのに、申し訳ありませんでした・・・(もしよければ、お手数ですが、もう一度コメントしていただけると非常に助かります)
それと、お褒めの言葉、ありがとうございます。
これからも頑張ります。
ここは校長室。
ここに今、「絆同盟」の全員が集合した。
今、絆同盟は1つとなっている。
もう誰にもとめられない状況である。
「・・・とりあえず君たち・・・席に座りたまえ。」
校長は冷静にいう。
まぁ、騒ぎを起こさないためにも、妥当な判断だろう。
皆は各自、座る。
「悪ぃ・・・一人で突っ走って悪かったな。」
「ったく・・・世話がやけるやつだっぺ。」
なんて会話がチラホラときこえる。
全員が椅子に座ったことを確認すると、校長が口をひらく。
「・・・では確認するが・・・先ほどの騒ぎは、彼1人ではなく、きみたち9人全員が関係しているのだね?」
「はい、その通りです。」
川中は強く、はっきりという。
絶対にくじけない意思がある。
そう見える。
「きみたちが・・・退学が怖くないのかね?」
「そんなのもう覚悟済みです。それに・・・いざ退学となれば、絆同盟全員でやめる覚悟です。」
「・・・」
校長は目を細める。
「私たちは誰一人見捨てはしません。どんな困難も私たちの絆で乗り越える、それがこの同盟の名前の由来です。」
中島もはっきりと発言する。
・・・ったく、これじゃぁ、学校に宣戦布告感丸出しじゃないか。
「君たちの意思はわかった。・・・で?何が目的だね?」
校長は真剣に少しずつ、手を打ってきている。
「この学校を「帝国主義」から解放するのが目的です。」
「・・・そこにいたるまでの経路は?」
なぜそんなことをきく?
「最初は十六夜と卯月の生徒会の権限「アルファー」解除のために動く予定でした。・・・が、考え方がかわりました。」
そう・・・
それは誰も口にはださなかったが・・・
全員が気づいていたこと。
それはここで僕と咲良にだされた「アルファー」をたとえ解除したとしても・・・
次の犠牲はでる。
「厄介は根から断ち切れ。」
というのが古からの教え。
皆はそれを理解していた。
「・・・なるほど。・・・だが、ここで帝国主義を解除したら、この高校の柱がなくなる。」
それは・・・
この高校が荒れる・・・
ということだろうか。
たしかに帝国主義の絶対上下関係のおかげで、この学校はかなり治安がいい。
まぁ、退学の恐怖に支配されているだけかもしれんが。
「その前に「生徒一人一人がしっかり意見を持てる学校」というのが目標でしたね?」
「矛盾してるんじゃねぇのか?」
そういうと校長は下を向いた。
やはり・・・
答えられないのだろう。
「失礼だが・・・あんたらはこの目標を達成しようとする気はあるのか?」
将軍がストレートを投げる。
「・・・」
だが・・・
相手はダンマリ。
都合が悪くなるとダンマリか・・・
ずるいというかなんというか・・・
「ないなら、こんな目標、世間に堂々いうべきではないんじゃないじゃないですか?」
川中は「敬語」を使っているが、言っていることは厳しい。
「やろうとする気はある。・・・だが、今や帝国主義はこの高校の柱であり、象徴であり、伝統なのだ。」
「伝統を守るのは大切だ。」
学年主任・・・
ったく・・・どこまで僕たちをよく思ってないんだか・・・
「・・・裏でこそこそと続けてるのが、伝統だというんですか?」
中島・・・
お前・・・なんかすごく鋭くないか?
「伝統に裏も表もない。続けてればそれは伝統なんだ。」
・・・なんてゴリ押しな回答だよ・・・
学年主任、そんなんじゃ誰一人納得しないぞ?
「だとしても・・・裏で続けているような伝統を本校の象徴にするのはどうかと思います。」
川中・・・
お前も今日は攻めるじゃないか・・・
「伝統を象徴にすることの何が悪い?」
やっぱごり押しの答え・・・
いつまでこんなごり押しを続けるつもりなのだろうか・・・
「良い伝統は本校の象徴として残すべきだと思いますが・・・いらない伝統は捨てるべきです。そんな伝統、本校の象徴にも誇りにもなりません。」
卯月はそういって校長をにらむ。
・・・なんだ?
今日の女性陣はやけに気合が入ってるみたいだ・・・
そういえば五月雨が前に僕に教えてくれたな・・・
「女は怒らすと怖い」とか・・・
・・・怖いッ!
「・・・きみは・・・」
「卯月です。・・・卯月咲良。」
「!!」
校長室の空気がかわった。
「・・・なぜ言わなかったのだね、学年主任。」
「・・・すみません、隠してたことは謝ります。ですが、いくら卯月家の人間でも、生徒に学校の方針をかえさせるわけにはいかないんです。」
「・・・なぁ、咲良。お前、何したんだ?」
ひそひそ話しで卯月にきく。
「父上がこの高校に莫大な援助をしてるの・・・もちろんお金でね。」
ははぁ~ん・・・
よくあるやつだな・・・
ドラマとかアニメとかでもよくあるやつだ。
・・・やっぱ金持ちってこういうことするんだな・・・
これで実証されたぜ。
「・・・というか、なんでそこまで帝国主義にこだわるんだ?」
「帝国主義は、上下関係をしっかり教えるための要となる。今の子供はお前らのように、上の人間にも平気で暴言をはくからな。」
学年主任・・・
明らかに「絆同盟」に喧嘩を売ってるよね?
「あのなぁ・・・これは考え方の問題だ。地位なんて関係ねぇんだよ、じじぃが。」
桶狭間が学年主任をにらんでいう。
「ふん・・・桐山先生、あなたはどう思いますか?」
くっ・・・
よりにもよってなんで担任に話をふるんだか・・・
「・・・私がこの高校にきて早3年。最初はおかしいと思いましたが、今はむしろ帝国主義は上下関係をはっきりわからせるために必要だと思います。」
その言葉をきいて、学年主任は鼻でフンッと笑った。
まるで「お前らに味方なんていねぇんだよ」とでも言いたげである。
「ですが・・・彼らの必死な様子をみていて、考え方を改める必要があると思いました。」
「なに!?」
学年主任は目を丸くする。
「彼らは今、実際にこの高校の目標である「生徒一人一人がしっかり意見をもてる学校」というのを実現しています。」
「・・・」
「もし・・・彼らのように、のびのびとどの生徒でも意見をいえるようになれば、どれほどいいことでしょう。」
「のびのびと・・・だと?単に生徒が生意気になるだけだ。」
学年主任はもしかして子供が嫌いなのか?
だったら、先生になんてなるなよ・・・
「帝国主義は子供たちが意見をいえなくしているだけです。それどころではない、個性・性格までも、抑圧しています。」
「帝国主義はたしかに抑圧しているかもしれんが、この高校には必要なのだ。」
「学校とは勉学を教えるところであり、同時に生徒一人一人の個性・性格・意見をのばすところでもあります。その学校で抑圧していれば、何の意味もありません。」
いつもはおちゃらけている桐山だが・・・
今日は真剣である。
「じゃぁ、仮に帝国主義をぬいて、この高校が荒れたらどうするつもりだね?」
「それこそ、我々教師の仕事でしょう。間違っていることは間違っていると生徒に自覚させる。こんな抑圧よりよっぽど効率的だと思います。」
「貴様!教師だろうが!彼らは学校に歯向かっているんだぞ?注意するのが普通だろうが!!」
「彼らは彼らで正しいと思っていることをやっているのみです。それを私にはとめる権限はありません。」
よく考えれば桐山が始めて、真剣な意見をいっているところを見た気がする。
「我々は教師です。教師の仕事は生徒たちの指導・育成であり、抑圧ではありません。」
「帝国主義と抑圧はイコールではつながらない。」
「私たちは生徒たちの意見をきき、それが正しいか間違っているか、そこを指導しなければなりません。その意見を言えなくている帝国主義は抑圧とイコールでつながります。」
こうしてきいていると、桐山先生はよく僕たちを見ていてくれたんだな・・・
ということがわかる。
彼も・・・僕たちと同じ考えなのだろうか。
「やめたまえ。」
「・・・」
「・・・」
校長の一言で、2人は静かになった。
やはり、校長の権力は大きいのだろう。
「桐山先生のいうことは正しい。学校は生徒の心を育てるところだ。」
「・・・」
「納得いかねぇ」という顔を学年主任がしている。
「私は、彼らをとめることはしません。むしろ・・・「絆同盟」を応援します。」
それは桐山がこちらについたということ。
先生が1人でもついてくれると、かなり心強いものである。
「絆同盟・・・それが君たちのチームの名前かね?」
「あぁ。」
「・・・」
少し校長は考え込んでいるようだった。
「・・・彼らとゆっくり話しがしてみたくなった。すまんが、皆は席をはずしてくれないか?」
そう校長がいうと、川口と桐山、それに学年主任が立ち上がった。
「桐山先生は残ってもらいたい。」
「はい。」
やはり・・・
桐山は先生だ。
先生は学校側につくべきなのだろう。
ここは校長一人と僕たち絆同盟との交渉にうつるのだろうか。
川口と学年主任が校長室からでると、校長は困り顔で口をひらいた。
「ふ~む・・・まずどこから話せばいいのやら・・・」
何を話すのだろうか?
「まず・・・私、前の校長、それから前の前の校長は・・・もう帝国主義を解除したいと考えている。」
「!!!」
それがとんでもなく意外な言葉。
今まで学校側にたっていた校長が、「解除したい」と考えていた・・・
そうたしかにいった。
「まず一番最初に思い始めたのは言うまでもなく、前の前の校長。それから、その意思は前の校長へ、そして私へと受け継がれてきた。」
「・・・なら、なんで解除しないんだ?」
将軍は校長に質問した。
疑っているから、確認のため・・・というのもあるだろう。
「問題が大きすぎるのだよ。」
「・・・大きい?」
皆は首をかしげる。
「まず1つ目の問題は・・・「学校」が解除したいと思っても、「生徒会」の許可もないと解除できないことだ。」
「!?」
そ・それはどういう意味だ?
「諸君らも知っての通り、うちの高校では「学校」と「生徒会」協同で「帝国主義」を貫いている。それをやめるには、学校だけでなく、生徒会の許可も必要なのだ。」
「・・・つまり、生徒会は学校と同じ立場・・・と?」
「ほぼそういう意味になる。」
その言葉をきいたとき・・・
大きな絶望を感じた。
生徒会が帝国主義解除を了解するわけがない。
「それっておかしくないですか?いくら生徒会でも、所詮は「生徒」の集まり。学校と同じ立場って・・・」
「・・・」
だが校長は下を向いたままだった。
「うちの高校ができたのは戦前だ。」
戦前?
太平洋戦争前ということか?
そういえばこの高校はとてつもなく歴史が深いとかいってたような・・
となれば・・・
国の考えは帝国主義である。
だが・・・
「だが、帝国主義は敗戦で、潰れたはずだ。」
時津風は険しい顔でいう。
「いや、現実には帝国主義そのものがなくなったわけではない。」
「・・・というと?」
「国が帝国主義じゃなくなった。・・・それだけだ。」
なっ!?
たしかに国が帝国主義ではなくなったが・・・
「GHQは1つ1つの学校までは調べなかった。・・・それに、他の学校が帝国主義じゃなくなったのは、単に国の考えに合わせるためだ。」
「じゃぁ・・・なんでうちの高校は国の考えに合わせなかったんですか?」
「当時の本校の校長は元帝国海軍少将だ。」
しょ・少将!?
超偉いじゃん!
だが・・・
帝国軍の元上級仕官となれば・・・
やはり帝国主義は残しておきたいもの。
「帝国軍のエリートは当然だが、帝国主義を捨て切れなかったんだ。」
「・・・」
「だから、この高校の校長であった少将は、帝国主義を貫いた。」
・・・いろんな意味で・・・
帝国主義万歳だな。
「だが、少将もいつかは帝国主義そのものが消えることを理解していた。だから、この高校の帝国主義が簡単に消えないように、生徒会とより結束を強めたんだ。」
つまり・・・
生徒会にさらに大きな権限を与えた?
それが、学校と同じ立場になった原因・・・
おいおい、少将様。
なんて余計なことをしてくれたんだ!!!
「2つ目は・・・「学校」そのものも解除しようとしていないということだ。」
え?
解除には「生徒会」と「学校」。
両方の合意が必要。
なのに・・・
学校ですら、解除しようとしてないってのか!?
「この学校には「伝統」を大切にする教師が多い。」
いわれてみれば、どいつもこいつも古臭い考え方をしてたな・・・
「今は「民主主義」の時代だ。民主主義の基本は「多数決」だ。」
・・・1ついっていいか?
「帝国主義」と「民主主義」の都合のいいところだけとってるんじゃない!!
なんで2つにしてるんだよ・・・
欲張らなくていいよ・・・
1つにしておけよ・・・
この高校が「帝国主義」一筋なら、校長が解除したがってる。
帝国主義は上からの命令は絶対。
だから、この高校で一番上の校長が解除するといえば、学校は丸くおさまる。
が!!
多数決となれば、校長がいったって意味がない。
「この高校には、「伝統継続派」のほうが明らかに多いのだ。」
こいつは冗談抜きできついぜ・・・
学校も生徒会も両方とも説得しないといけないのかよ・・・
面倒が山積みだぜ。
もう面倒の粋を越えてる。
「ハハハ!!!」
な!?
と・時津風!?
「面白いじゃねぇか!いいじゃねぇか、問題山積みでよ!」
皆は時津風の謎な発言に目を丸くする。
「ゲームだって攻略法がわからないからいい。そんな難しいゲームをクリアしたからこそ、クリア後の達成感が味わえるってんだ。」
・・・こいつ、現実をゲームとしてみてるのか?
となると、こいつにいわせれば全部ゲームになっちまうのだろうか・・・
まぁ、僕もアニメ基準だから、人のことは言えないが・・・
「これだってそうだ。攻略法なんてわからない。問題だって山積みだ。だが・・・それを全部解決してこその・・・苦労してこそ、手に入れる勝利だろうが!」
たしかに何の苦労もしないで手に入れた勝利などうれしくもなんともない。
だが・・・
「時津風・・・俺、お前の意見に同感だぜ。」
桶狭間!?
お前もか!?
「それに・・・こんなでかい山を越えてこそ、絆同盟の絆はさらに深まるってんだ。」
「そうだっぺね。それに立ち止まってたら、いつまでたっても前に進まないっぺ。」
たしかにその通りだ。
こんなところで絶望に心を染めて、立ち止まってたら・・・
一生ゴールになんてつかないぜ・・・
「世の連中に絆同盟の強さを見せ付けるチャンスだぜ!」
桶狭間はいう。
「やれやれ・・・どこまでも厄介ごとが好きな同盟だな。まぁ・・・文句はないがな。」
腕を組みながら、苦笑する川中。
「・・・まさか・・・こんなことになるなんて・・・」
卯月は目を丸くしていた。
最初は僕と卯月の喧嘩、その程度だったのに・・・
いつしか、同盟をつくり・・・
今では、生徒会・・・
いや、学校そのものを・・・
学校全体を敵にまわしている。
「面白くなってきたじゃないですか!!」
中島がテンション高めでいう。
「人生山あり谷ありっていいますが、これはもしかして、人生最大の山かもしれせんよ?」
なら、なんでそんなに笑顔でいえるんだ?
・・・決まってるか・・・
絆同盟が味方だからか。
今気づいたが・・・
絆同盟の長所は「絆」「団結力」だけじゃない。
どんなにつらいことでも、難しいことでも・・・
プラス思考に考えている。
それは勇気をくれる。
そして、勇気は元気をくれ、元気はテンションをあげ、テンションは魂に火をつけてくれる。
いわば覚醒である。
「誰も攻略したことがない法則を破壊する・・・なかなかやりごたえがありそうだな。」
五月雨が苦笑する。
「誰も攻略したことがない・・・出来なかった法則を・・・破壊する?」
校長は彼らに魅了されていた。
そのプラス思考。
彼らのくれる勇気。
そして・・・
その勇気はあることを思わせる。
誰も攻略できなかったもの・・・
しかし・・・今までにそれに誰かは挑戦したのか?
自分は校長として仕事を勤めて・・・
単に理想を掲げるだけだった。
それは前の校長と前の前の校長にもいえる。
理想を掲げるだけで、動こうとしなかった。
自らが動かないと、欲しいものは手に入れられないというのに!!
まさか・・・
この歳になって、生徒たちにそんな初歩的なことを教わるなんて・・・
思わず校長は苦笑いである。
目の前には大きな壁が2つ聳え立っている。
「いいか?壁と障子とルールは破るためにあるんだ!」
桶狭間・・・
障子とルールは余計だぞ・・・
「・・・私たち教師も、生徒たちには負けてられませんな?」
「・・・みたいですね。」
校長と桐山は苦笑いである。
「きみたち。・・・とりあえず学校のことは私たちに任せてくれたまえ。」
それは・・・
協力してくれるってことか!?
「へへっ、この高校の校長と担任が味方につくなんて・・・かなり心強いじゃねぇか。」
時津風は笑みを見せる。
「たしかにな。最初から俺たち、かなり有利じゃねぇか?」
なんて桶狭間が言う。
「じゃぁ・・・先生たちのことは任せます。」
「うむ・・・君たちは生徒会を交渉してくれ。生徒会は学校でも無理な相手だ。」
学校でも無理な相手に、たった9人の同盟が挑むのかよ!?
まぁ・・・この同盟は最高の同盟だ。
まさに敵なし。
どんなに苦労してでも、絶対に勝利を手に入れるだろう。
そう・・・
絆同盟のプラス思考は絆同盟内のみの魂に火をつけさせるわけじゃない。
まわりにいる人たちにも・・・
魂に火をつかさせることも可能なんだ。
まるで・・・引火じゃないか。
「OK!」
桶狭間が親指をたてて、校長室からでる。
すると・・・
そこには川口がいた。
「・・・川口。」
「・・・姐さん。」
やはりこの2人の仲を壊してしまうのはいささか悪い気がする。
「・・・お前ら、本気で生徒会とやりあうつもりか?」
「あぁ。」
「・・・退学になるかもしれないんだぞ?」
「んなの覚悟済みだって何度いれば気が済むんだ?」
桶狭間が少し呆れている。
「だが・・・」
「俺たちは俺たちの正しいと思ったことをやってるだけだ。」
時津風はいった。
「今こそ立ち上がれ き~りしまのために♪・・・てな。」
さりげなく「GONG」のサビを替え歌として使ってみる。
「・・・「第3次スーパーロボット大戦α終焉の銀河へ」のOPですね。」
さすがだよ・・・
中島。
「あぁ。」
「GONG・・・力強い曲ですよね。」
「あぁ、たしかにな。」
なんてどうでもいい話しをする。
校長室では、いまだに桐山と校長がいた。
「・・・まさか、私が説得させられる立場になるとはね・・・」
「教師とて完璧ではありません。時には生徒に教えられることもあります。」
「・・・諦めていたことなのに・・・彼らをみていると、本当に「生徒一人一人がしっかり意見をもてる学校」というのが実現しそうだよ。」
なんて校長は苦笑する。
「実現しそうなんじゃありません。・・・するんですよ、あと少しで。」
桐山は言い切った。
「・・・私は、この学校を帝国主義から独立させねば、と思いつつも、諦めていたせいで、中途半端な状態で学校目標をだしてしまった・・・が、後悔はしていない。おかげで彼らの輝きがより綺麗に見えるのだから。」
この「生徒一人一人がしっかり意見をもてる学校」という目標を作り上げたのは現在の校長である。
その校長は、今までとは違う目をしていた。
絆同盟のプラス思考と団結力に魅了され、「諦め」が、学校を変えてみせるという「勇気」にかわったからである。
「さて・・・さっそく職員会議で先生たちを交渉といきますかね?」
「そうですね。この学校全体を彼らのように輝かせましょう。」
闘志を燃やす校長。
それに協力・そして力を尽くそうとする桐山。
今、新たに2つの炎が燃え上がったのだった。
その日の帰り道・・・
絆同盟全員で帰る。
空には、カラスが「アホー」とないている。
ハハハ・・・生徒会だけじゃなく、学校そのものも敵にまわすなんて・・・
僕たちはアホだよな・・・
「ったく・・・にしても、世話がやける男だぜ、お前は。」
「だからありがとっていってんだろうが!」
なんて桶狭間の声がする。
「今日はサイゼリアのドリンクバーを皆におごりやがれ。」
関ヶ原が桶狭間にせまる。
「いやいや・・・今日は時津風が全員のぶんを払ってくれるそうだぞ。」
「・・・俺はお姫様のしか、おごらん。」
なんてため息を時津風がついている。
「え?なんで川中だけなの?なんで?なんで!?」
その態度に桶狭間が過剰に反応する。
「借りを返してもらったからだ。」
「・・・借り・・・ねぇ?」
桶狭間が目を細める。
「そうだよ・・・おっと、そうだった、桶狭間。」
「ん?」
そういうと時津風は右のこぶしを前にだす。
「・・・今日はお疲れさん。」
「・・・おう。」
こぶしとこぶしをぶつける。
いやぁ・・・青春だねぇ。
「さて・・・ドリンクバーでたくさん飲んで、明日からの戦いに備えるとしますか!!」
今日一日で、また味方が増えた。
しかも、校長と担任である。
だが・・・
これからが本題である。
今はやっと初戦を終えたところである。
・・・戦いはこれからなのだ!
「交渉」 完
遅くなりすみませんでした。
ご迷惑をおかけしました。