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圧倒的差と最強の援軍

荒山「一応聞いておくが、お主は祇梨蓮斗では無いのであろう?」

蓮斗「.....」

荒山「返事は無しか。では改めて、儂が相手をしてやろう、黒王戦鬼。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

東雲「大丈夫か小鳥遊!?」

小鳥遊「東雲団長...申し訳ありません...。私が戦いに集中してしまったばっかりに、、、」

東雲「気にするな!今はとりあえず治療が先だ!医療班、急げっ!」

医療班「了!治癒系統上位魔法・天使ノ光」

そういうと回復魔法士は数人がかりで小鳥遊優里の治療を始めた。東雲隼人は回復魔法士ではない。だが、長年団長を務めている為小鳥遊優里の負った傷が生半可な物ではないと一目で理解した。

東雲「(小鳥遊がここまで、、、さっき一瞬見えたが小鳥遊は間違いなく根源魔法を使っていた。根源魔法を使っている状態の小鳥遊の攻撃を止めた上で一方的に倒した...そこまでなのか!?黒王戦鬼とは)」

そんな事を考えていると荒山厳十郎と祇梨蓮斗の戦いが始まった。

荒山「土系統上位魔法・土龍双牙」

土の龍が祇梨蓮斗の左右から出現し、祇梨蓮斗に食いつきにかかった。だが食いつく瞬間土の双龍はいとも容易く砕かれた。砕かれたと同時に祇梨蓮斗が動きだした。だが、

荒山「重力操作、加圧200倍」

荒山厳十郎がそう唱えた瞬間、祇梨蓮斗が地面へと叩きつけられた。

蓮斗「......!?」

祇梨蓮斗は言葉こそ発していないが動揺しているのが見て取れる。

荒山「いきなり重力が200倍になった気分はどうだ?黒王戦鬼よ。今までは通常の重力下だったからこそお主はあそこまで素早く動けておった。しかし今はそのスピードも封じた。これで少しは弱体化してくれ、っ!」


荒山厳十郎がそう祇梨蓮斗に話しかけていると突然祇梨蓮斗の体が飛び上がった。そのまま振るわれら凶爪が荒山厳十郎に襲いかかり服を切り裂いた。

荒山「おいおい、今の重力は通常の200倍だぞ?それでもそんな早く動けるんかお主は。」

東雲「嘘だろ...?総司令官の特殊異能を受けても止まらないのか...!?」

荒山「そう慌てるでない東雲。今目の前にいるのは伝説上の存在〝黒王戦鬼〟じゃ。重力が200倍になったところで誤差の範疇じゃろうて。」

東雲「(そこまでなのか!?黒王戦鬼とは...)」

瞬間、祇梨蓮斗が加速した。先程は初撃で動揺していただけなのか、今は先程と同じ速度で動いている。

東雲「今さっきと同じ速度で動いてるってことは、さっきまでは本気じゃなかったのか...!?」

荒山「そうらしいな。ただこちらを無慈悲に殺しにくる鬼そのものじゃ。」

そう言い荒山厳十郎は一筋の冷や汗を流しながら苦笑いをした。当たり前だ、小鳥遊を優里一方的に倒し、国防軍最強である荒山厳十郎相手に本気を出さずに戦いを成立させていたのだから。

東雲「そんなもの、冠位じゃないか...」

荒山「あぁそうだろうな。以前はまだ無かったんだろうが、現代で出現していれば間違いなく冠位指定之獣だ。」

冠位指定之獣、厄災や冠位指定執行官が分類される、生物の域を超えた最強種達の総称。そんなものが今、目の前にたっている。

東雲「総司令官!今この場にいる団員全員で掛かりましょう!そうしなければ...!」

荒山「いや待て。」

東雲隼人が言いかけた時荒山厳十郎が言葉を遮った。その目には何やら疑問が映っているのか黒王戦鬼の顔をじっと見ている。

東雲「総司令官...?どうしたんですか...?」

荒山「あいつ、まさか...」

そう呟いたと同時に祇梨蓮斗が突っ込んできた。そしてそのスピードは先程より早く、鋭い物になっている。

東雲「くっ...!火系統上位魔法・豪炎放火!」

荒山「重力操作・加圧1000倍!」

同時に2つの干渉を受けた祇梨君は後方へ押し戻された。しかし、それを無視し魔法を放つ。

祇梨「jdykshsldjy」

言葉は聞き取れなかった。だがその魔法は、

荒山「おい東雲、」

東雲「はい、総司令官...。」

荒山「あれって最上位魔法、だよな...?」

東雲「そう、見えますね。」

そこに顕現したのは獄炎を纏った大蛇だった。体長はゆうに200mを超える巨体、それに加え魔力のみで構築されているにも関わらず生物と同じ性質を持っている。あれは、

荒山「火系統最上位魔法・蛇炎、か...てかあやつ今詠唱してたな、喋れたのか?いや、今喋れるようになったのか...?」

東雲「どちらでもいいですが、こっち来てください!」

荒山「分かった。」

荒山厳十郎が東雲隼人の後ろに着くと同時、祇梨蓮斗はこちらに指を指し何かを呟いた。その時その場に存在していた獄炎の大蛇が動きだしこちらに急接近を始めた。

荒山「儂の魔力も渡す!行けるか!?」

東雲「出来る限りでやってみます!」

東雲「空間系統上位魔法・多層重複結界!」

結界を展開した瞬間荒山厳十郎達は獄炎の大蛇に飲み込まれた。後ろには総司令官を含む計8名が待機している。総司令官と他2名が俺に絶えず魔力を渡し続けるが、それでも尚15枚あった結界の内既に9枚が破壊されていた。徐々に他の結界にもヒビが入り始めた。するとその時、

???「水系統根源魔法・水神神化!」

何者かが祇梨蓮斗に攻撃を加え攻撃を止めた。その方向に目を向けると救援に来ていた第6団隊の団長、清水西夏が立っていた。周りに目を向けるとそこには他の団長が全員到着していた。

東雲「清水団長、竹内団長、天内団長、星見団長、西野団長!皆さん...!来てくれたんですね!」

清水「本部からの緊急での援護要請。何かと思えば、あれは一体...」

荒山「以前話した例の少年じゃよ。人相は変わってはいるが、先月パンデモニウムを捕らえた少年と同一人物じゃ。」

清水「じゃああれが話に聞いていた.....」


全員「「「黒王戦鬼か.....!!!」」」


竹内「黒王戦鬼となるとここにいる全員で同時に挑んでも勝てるかどうか...」

星見「見た所最上位魔法まで使えるときた、これがまだ高校生の1少年に許される力か?」

天内「皆さんなんでそんなに冷静なんですか?私怖くて震えてきたのに。」

西野「シャキッとしな天内。怖くてもやらなきゃ全員死ぬだけさ。」

天内「そんなー....」

荒山「皆にひとつ言っておく事がある。」

清水「言っておく事と言うと?」

荒山「あやつはまだ完全体じゃないようじゃ。」

全員「「「「「「は?/え?」」」」」」

荒山「さっき戦っている時にふと思い出したんじゃが、以前覇王と話した時に黒王戦鬼についての話になった。その時に黒王戦鬼の特徴を聞いたんじゃが、幾つか条件を満たしていないんじゃ。」

東雲「それは一体!?」

荒山「そう急かすな。その1、黒い2本の角が生える。その2、四肢が黒く異形のそれに変わる。その3、眼球の色が両方反転する。この3つじゃ。」

竹内「それなら今は、角が1本、四肢に異常なし、眼球は片目だけ反転している、つまり。」

荒山「今のやつはまだ全力の3割程度と言った所かの。」

その話を聞いた瞬間国防軍の団長達の間に形容し難い悪寒が走った。あれほどまでに強大な力を持っていながらまだ全力の三割程度。どれほど規格外なのか、果たして自分達で止められるのか、そんな考えが全員の脳に嫌でも走る。

竹内「土系統根源魔法・土神神化」

星見「風系統根源魔法・風神神化」

天内「氷系統根源魔法・氷神神化」

西野「火系統根源魔法・炎神神化」

その詠唱と共に全ての団長が根源魔法を発動させた。すると後ろで治療していた小鳥遊優里が立ち上がった。

小鳥遊「こんな事態になったのは私の責任。私が立たずして、償う事すら許されん...!」

小鳥遊「雷系統根源魔法・雷神神化!!!」

そういった小鳥遊優里の目には決意があった。

東雲「皆さんに今から1人5枚の結界を張ります。結界が破られたそばから張って行くので何も心配せずに行ってください!」

全員「おう!/了解!」

その瞬間こちらの反撃が始まった。足止めに天内団長、竹内団長。攻めに星見団長、西野団長、小鳥遊優里。サポートに東雲隼人と清水西夏が回り、荒山厳十郎はその場にあった動きをしていた。

荒山「こいつ、硬いな...!」

小鳥遊「皆さん後ろに飛んで!」

その声を聞き全員が後ろに飛ぶ。

小鳥遊「雷系統二重詠唱・大貫雷!!」

瞬間頭上より特大の貫通性の雷が落ちる。それに直撃した祇梨蓮斗は一瞬動きを止めた。その隙を見逃す程、国防軍の団長達は馬鹿じゃない。

西野「火系統最上位魔法・蛇炎」

天内「氷系統最上位魔法・氷獄華」

竹内「土系統最上位魔法・大陸崩牙」

間髪入れず最上位魔法を叩き込む。しかし、祇梨蓮斗は一向に止まらない。東雲隼人の結界では祇梨蓮斗の攻撃を2発食らうだけで破られてしまう。絶えず結界を張り続け気づけば東雲隼人は魔力使用過多と脳の許容演算能力を超過し鼻血と血涙を流していた。すると

清水「水系統最上位魔法第二・清流ノ癒」

清水西夏が東雲隼人に向けて最上位の回復魔法を使用し傷を癒す。それにより東雲隼人はその場に持ち直す。

東雲「空間系統最上位魔法・次元断層結界!」

荒山「重力操作・反転・超力斥力〝破〟」

荒山厳十郎が特殊異能を反転し斥力に変え祇梨蓮斗を吹っ飛ばした。この攻撃で何とか祇梨蓮斗に傷を付ける事に成功する。だが、離れた瞬間だった。

祇梨「ksjfjsyaiakdua'pejwt'd」

東雲「っ!?」

その場に鳴り響いた轟音。それは紛れもなく雷系統魔法の最上位魔法〝大落雷〟だった。

荒山「火の次は、雷じゃと!?まさかあやつは、全属性の最上位魔法をっ!?」

団長達は全員が祇梨蓮斗の放った最上位魔法を間一髪の所で回避していた。

星見「二重詠唱・風嵐斬牙!」

星見団長が放った魔法は祇梨蓮斗にクリーンヒット。ダメージはあるようで祇梨君の体にも震えがでてきた。

荒山「いいぞ!このまま押し切る!」

他「おう!」

小鳥遊「雷系統最上位魔法・雷撃発体!」

荒山「重力加速・蹴!」

清水「水系統最上位魔法・水龍衝破」

徐々にではあるが、このまま行けば勝てる、その場で戦う全ての者がそう思った時だった。

祇梨「「闇系統根源魔法・黒王戦鬼」」

全員「は?」

祇梨蓮斗が喋ったのだ。だがその声は祇梨蓮斗の物では無かった。突然の事に全員が立ち止まり様子を伺う。その時、祇梨蓮斗の身に異変が生じる。黒く、夜を思わせる闇が祇梨蓮斗の体を包み隠す。

小鳥遊「だれ、今の。それにあのモヤは一体...」

小鳥遊優里がそう言った瞬間、なんの前触れも無く、本当に突然、小鳥遊優里の右腕が宙を舞った。

小鳥遊「っ!?!?!?あ゛あ゛あ゛あ゛!?」

その場の全員が硬直した。今の一瞬で何が起こったのか理解が出来なかったのだ。ある者は息を整えていた。ある者は異変の生じた祇梨蓮斗を注意深く見つめていた。それなのにも関わらず、誰も、何も見えなかったのだ。

東雲「小鳥遊!?」

その場で最初に声を上げたのは東雲隼人だった。その声を聞き他の団長も動き出した。

清水「貴様っ!!」

西野「よくも!!」

小鳥遊優里がやられた事に激昂し二人の団長が黒いモヤに向かい攻撃を仕掛ける。

蓮斗「.......!」

ドゴッっと鈍い音がした。その音の方へ目を向けると清水西夏と西野団長が倒れていた。魔法も解けており完全に意識を失っている。

東雲「どういう事だ!?なんでっ、確かに次元断層結界を張ってたはずだ!!」

東雲隼人は勢いに任せて叫んでいた。すると荒山厳十郎がそれを止める。

荒山「冷静さを失うな東雲。今お主が戦線離脱すれば、儂らは全滅じゃ...!」

その声には驚きと焦り、恐れが含まれていた。そんな時、祇梨蓮斗を覆っていた黒いモヤが徐々に晴れ始めた。そこにあった姿を目視した全員が息を飲む。

星見「総司令官。あれって、覇王の言っていたと言う、」

荒山「あぁ、儂らはどうやら間に合わなかったらしい。あれが、完全体の〝黒王戦鬼〟じゃ...」

天内「そ、そんな....」

完全体。それはつまり、終わりを意味していた。

竹内「俺達の、負け...?」

竹内団長がそういった途端祇梨蓮斗...いや、黒王戦鬼が両手を肩の位置まで上げた。瞬間、国防軍の最高戦力達が軒並み倒れていた。何をされたのか分からなかった。全員が地に伏せもがいていた。だが荒山厳十郎だけが立ち上がった。

荒山「すまんが、儂とてもこの組織の長なものでな、そう簡単には倒れてやれないんじゃよ...!」

そう言いつつも荒山厳十郎は既にボロボロ。魔力すら残っていない。そんな荒山厳十郎を黒王戦鬼は容赦なく蹴り飛ばした。

荒山「あ、が.....」

黒王戦鬼は荒山厳十郎の近くに行き蛇炎を発動させた。ゆっくりと腕を上げ荒山厳十郎を指差す。

東雲「やめろ、やめろー!!!」

竹内「やめて、、、」

天内「だめ...!」

もうダメだ。地面に伏す全員がそう思った時だった。

???「こりゃまた派手にやったね〜。」

???「すごい状況だな。」

この場には似つかわしく無い明るい声とそれとは正反対な落ち着いた声がその場に響いた。その声が聞こえた瞬間黒王戦鬼は後ろに立つ人物へと攻撃を加えた。だが、黒王戦鬼の攻撃は届かなかった。遥か前方200m先まで今の一瞬で吹き飛ばされていたからだ。

荒山「あな、た達は....」

???「3ヶ月ぶりだね。厳十郎。」

???「俺は一昨日会ったよな。」

総司令官の隣に屈みその青年達はそう言った。

竹内「あれって....」

天内「もしかして....」

東雲「覇王様と、祇梨さん...?」

そこに立っていたのは冠位神威である〝覇王〟龍鬼阿修羅と関東便利屋「如月」の社長、祇梨清和だった。

龍鬼「君達もよく頑張ったね。あとは俺達に任せて今は休みな。」

3人「はい...」

そう返事をすると団長達は全員がほぼ同じタイミングで意識を手放した。

黒王戦鬼「.....」

龍鬼「じゃぁ今から君が戦う相手は、俺達だよ。と言ってもやるのはほぼ清和だけど。せいぜい、楽しませてくれよ?少年。」

清和「元に戻すのは頼んだぞ、龍鬼。」

龍鬼「あいあいさ〜。」

そう言い祇梨清和、龍鬼阿修羅タッグと黒王戦鬼の戦いが幕を上げた。

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