0.プロローグ
ーーーアガイン地方を治めるミデレス国では、現国王であるノワール・ヘリオスが病気で倒れ余命も少しとなっており、後継ぎ問題が活発になっていた。
王候補は第一王子ノワール・レイン、第一王女ノワール・ロビン、そして第ニ王子ノワール・シオンの3人だった。第一王子であるレインには国の宰相が後ろ盾となり、第一王女であるロビンにはヘリオスの弟が後ろ盾となっていた。しかし第二王子であるシオンには、有力な後ろ盾は地方の豪族ほどしかいなかった。そうして後継ぎ問題で王家がピリピリしていたとき。
レインがシオンにとある話を秘密裏に持ちかけてきた。ーーー
「兄さん、こんな誰も入ってこないようなところに呼び出しといて、話って何だい?」
「シオンよ、俺と手を組みロビン陣営を攻め滅ぼさないか?」
「何っ、兄さんあんた正気か?」
「そんな反応をすると思っていたよ」
「じゃあまあもしその話に乗るとする、俺のメリットはなんだ?」
「もし俺らがロビンを失脚させることができたら、お前を宰相にしてやろう。お前は今有力な後ろ盾が少ない。そうだろう?」
「汚ねえやり方だな、兄さんよ」
「だがお前は今そうするしかない」
「あんまり気は乗らないが、クソっ、しょうがねえ乗ってやるよ」
ーーーそうしてレイン・シオン陣営は、手を組んだ。
そしてこの会談の1ヶ月後、レイン・シオン陣営は、ロビンについていた宰相がクーデターを起こそうとしていたという理由をつけ、シオンが指揮し国の警察組織であるノワール衛兵団が宰相を捕え王に逆らった罪で処刑された。ロビン陣営の後ろ盾である宰相を失ったロビン陣営はどんどん勢いが衰え壊滅した。
そうして後継ぎ問題は終わったように見えた。
国王が亡くなり、レインが国王として即位する1週間前のことであった。突然レインは、シオンが次期国王である自分を殺し、王となる計画を立てていたとしてシオンを失脚させ、王家での次期宰相としての地位は皆無となった。その後シオンは一応第二王子であったためなんとか命は免れた。
そうして命からがら逃げてきたシオンは、生きていくために泊まる場所をなんとか裏路地に見つけ、そこで生活していくこととなった。ーーー
「クソッ、レインのやつ、俺をまんまとハメやがって」
だが内心、諦めの悪い俺はまだ諦めていねえ。絶対こっから這い上がってやる。
でもまず生きていくためには金がいる。依頼の掲示板でも見に行くか。
ーーーそうしてシオンの下剋上が始まった。ーーー




