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ゴリラ先輩ラーメン子  作者: 彩女好き
いつもの三人編
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10日目 謎のヒマラヤ(解答編)



購買でヒマラヤと言うとカレーパンが出てくる。

そう先輩から聞いた僕は、のこのこと確認しに来たのだった。


「おばさん、サンドイッチ下さい」


「はぁーい。300円です」


ざわざわ賑わう購買。

さあ僕も行ってみるか。ヒマラヤを買いに。

意を決して窓口に進む僕。

さあ言うぞ、と心の決めた瞬間だった。


「おばちゃん、大阪一つ!」


「はぁーい、大阪一つね」


「おおきに! ほな250円な」


「ありがとうねぇー」


僕は呆然とそのやり取りを見ていた。

大阪? 大阪って何さ? なんでナチュラルに購買で大阪が買えるの?

いやまて、大阪って名前の新しいパンが出来たとも限らない。

というか、それ以外の可能性が見当たらない。


あまり行儀の良い事では無いが、僕は『大阪』を買った男子学生を盗み見た。

その手元にあるのは、確かにパン。

パンと言うか……どう見てもこれは!


「焼きそばパンじゃねーーーか!!」


思わず絶叫した僕。辺りが一瞬、静寂に包まれる。

その静寂を破るように、焼きそばパンを買った学生が堂々と宣言してきた。


「いや、焼きそばパンやない! 大阪や!」


「大阪だねぇ」


謎のコンビネーションを見せる男子学生と購買のおばさん。

なんだ、なんなんだこの学校の購買は。


「どうして大阪なんだよ!」


「大阪は大阪や」


「大阪……大阪?」


僕の左脳が大阪で埋め尽くされようとしている。

もはや大阪と大阪が縦横無尽に走り回る環状線である。

そんな僕を前にして、自信を深めたような表情で男は言った。


「そうや。大阪や。俺が、俺自身が大阪や」


ますます訳が分らなくなった。

そして僕は……考える事を放棄した。

もういいや。この人は大阪、焼きそばパンも大阪。それでいいじゃないか。

疲れ果てた僕は、何気なく注文してみた。


「おばさん、僕にも大阪を一つ下さい」


「はい、焼きそばパン一つねー」


「つまりどういう事なんだよ!?」


絶叫する僕に対し、大阪な男は爆笑していた。


「あっはっは、お前は面白いなー」


「僕は全然面白くないよ!?」


憤慨する僕を見て、大阪男はますます爆笑した。





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