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#04
「岳~。誰と喋ってたの?」
メアド交換し終わった途端、希帆が俺のもとへ来た。
「…シラカワ?」
「へ?シラカワ?…白石の間違いじゃん?それ~」
希帆はクスクス笑う。
俺は改めてスマホの画面を見て、シラカワではなく白石だと確認する。
「何喋ってたの?」
「…メアド交換してって言われた」
そう言うと、希帆は「えっ!!」と声をあげた。
「未来ちゃんとメアド交換したの!?まさか、岳、未来ちゃんのこと…」
「いや、むこうからだから。俺は、頼まれたから交換しただけで」
「じゃ、むこうがその気なのかもね~」と、ニコニコしながら言う希帆。
「…俺、今日初めて喋ったんだけど」
「喋りかけなかっただけで、ずっと見てたんだよ!!岳、無表情でちょいこわだからさっ」
“ちょいこわ“という言葉に、俺の体は反応した。だから、希帆の頬を両手でムニッと引っ張ってやった。
「ちょっ…痛い痛い!!」
「“ちょいこわ“って言った罰だ」
「訂正します!!訂正するからっ」
希帆の反応が面白くて、「変な顔」と言い笑いながら手を離してやった。
希帆は、手で頬を擦りながら「もうっ」とちょっと拗ねた顔をした。