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初恋は実らない  作者: 柏原ゆら
*First Love*
5/18

#05

「希帆、最近晴人君とはどう?」


とある日のお昼の時間。

私は、数少ない仲の良い友達 (ゆず)ちゃんこと小日向柚華(こひなたゆずか)ちゃんと昼食を摂っていた。

「どうって?」と、私はお昼ごはんのサンドウィッチを食べながら聞く。


「何か良いこととかなかったってことだよ!!」

「うーん…特に何もないかな」


「それでいいのっ!?」と声を張り上げる柚ちゃんに、肩がビクッと震える。


「いいのって言われても…実らないってわかってるから…」

「んもう!希帆のそういうとこがダメなの!」

「え…?」

「希帆はネガティブすぎ!顔は可愛いんだから、自信持ちなっ」

「柚ちゃん…!」


柚ちゃんの言葉に涙が出そうになるが、さっきの言葉を思い出して涙がひく。


「…柚ちゃん、“顔は可愛い“って、性格はよろしくないってこと…??」


私の言葉に、柚ちゃんは「あっ…」と“ヤバイ“という顔をする。


「いや、あのねっ…性格がよろしくないってワケじゃなくはないんだけど…。ほら、希帆って、人見知りで内気なとことかあるじゃん?」

「そういうこと?」

「そういうこと!」


それは確かに、自分でも自覚している。治す気はないと言ったら嘘になるけど。


「あ、そうだ。八月の最初の方にさ、夏祭りあるじゃん?それに、晴人君誘ったら?」

「夏祭り…?」


柚ちゃんが言ったとおり、毎年八月の最初に夏祭りがある。私は毎年、岳と中学校の頃の旧友と行っていたのだ。


「…でも、もう予定入れちゃってるかも…」


今は七月の上旬。入れてるか入れてないか、微妙な時期だ。


「うーん…。入れちゃってるかもだけど、誘ってみないとわかんないよ?」

「えぇ…でも無理だよぉ…」


私には、そんな勇気はない。っていうか、断られるのが目に見えてるし。


「んじゃあ、二日目はどうするの?」


一日目は柚ちゃんと行くことになっている。柚ちゃんの二日目は、彼氏さんと行くんだって。


「うーん…」


岳かな?って思ったけど、もう高校生だし、いくら幼馴染みだからって女子と行くのはヤだよね、岳。


「星川君は?もう、行かないの?」


私の心を読んだのか、柚ちゃんは私に訊ねた。


「…わかんない」

「話変わるんだけどさ。希帆、晴人君との恋は実らないって思ってるなら、星川君に変えたら?結構、顔はいい線いってると思うし」


柚ちゃんの言葉に今までは反論していたが、今はちょっといいかも、なんて思ったり。…実際、この前岳に頬を引っ張られたときの岳の笑い顔に、一瞬キュンとしてしまった自分がいるし。


「…でも、私の好きな人は晴人君だよ」


柚ちゃんに聞こえてるか聞こえてないか。そんな声量で呟いた。

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