第96話「テンカとの別れ」
まずは宝石を得てアクセサリーに変えるのじゃ。ここら辺が二つ目の大きな区切りとなるじゃろう。狐依ジーナが加わった前話と、テンカと別れる今話で、一区切りとしようかのう?
朝起きたらジーナが抱きついて寝ておったのじゃ。懐かしい光景じゃ。ワシはこの幸せを噛み締めて、ジーナの頭を撫でたのじゃ。
するとジーナも起きて、ワシの頬にキスをするのじゃ。
……新婚かのう!? この状況に苦笑して起き上がり、準備運動をするのじゃ。
皆起き上がってきて、着替えたりして朝の準備を終えたのじゃ。
そうして宿から城のさらに奥にある鉱山の入口に向かい、中に入っていったのじゃ。
広い空間に薄暗いのじゃが、あちこちで鉱石が光っておるのじゃ。奥まで行くと鉱山員さんが鉱石を発掘しておったのじゃ。
「すみません。宝石を売っていただくことはできませんか?」
「おお、なんだ、宝石を欲する人達か。そうだな、確かに自分に合った宝石を見つけるのと、安く手に入れられるからな。採れた宝石の中から選ぶといいよ」
「ありがとうございます」
そうして宝石を選ぶグーシャとテンカとジーザスじゃ。
「私とコン様も選ぼうよ」
ジーナがそういうのじゃがワシらは付けられんじゃろ?
「加工する際髪を混ぜたらいけるかもしれません」
ルナがそう言うのでワシは黄色い宝石を二つ選んだのじゃ。
鉱山を後にして、アクセサリーショップに行き加工してもらうことになったワシらは店の奥に連れていかれて、加工してもらうのじゃ。
魔道アイテムで瞬時に加工できるのじゃが、グーシャは翠の宝石をイヤリングに、テンカは紅い宝石をネックレスに、ジーザスは蒼色の宝石を腕輪じゃ。
そして、ワシとジーナの髪を一本抜いて、それを使って加工した二つの黄色の指輪になったのじゃった。ワシとジーナはそれぞれ右手の中指につけるのじゃ。
「お揃いだね!」
ジーナの言葉に照れるワシを見て、ルナは小さい宝石でもう一つ指輪を作ってもらって指につけるのじゃ。
「ジーナの好き勝手になんかさせません」
頬を膨らませて抗議するルナじゃ。そんな必死にならんでも、ワシはルナをちゃんと愛しとるぞい。
「え?」
「ん?」
ルナがきょとんとしとるのじゃ。どうしたのじゃ? ワシの方を見て顔を赤らめるルナは、ワシに詰め寄ったのじゃ。
「もう一回言ってください!」
「何をじゃ?」
「愛してるって!」
ああ、なるほどのう。ふふふ、どうしようかのう?
「コン様はあたしも愛してる?」
「グーシャ、当然じゃ。ワシはジーザスもテンカも愛しとる」
「ぼ、僕も?」
戸惑うジーザスに近づいてワシは持ち上げるのじゃ。
「大事な大事な仲間じゃ。愛しとるわい!」
そう言った後、ワシはジーザスの頬にキスをしたのじゃ。
顔が真っ赤なジーザスじゃ。これくらいで恥ずかしがってどうするのじゃ?
「コンジーかジーコンか、どちらかだねぇ」
テンカがわけわからんことを言うのじゃ。勝手にカップリングにするでない!
さて、王都クスエにももう用はなくなってしまったのじゃ。ワシらはこの国を出ようかのう?
南西地区から北西地区へ行き宿をとり、その次の日に北東地区へ行って南東地区へ行き、最後の宿を取ったのじゃ。
それはお別れ会じゃった。皆、テンカとの別れを惜しむのじゃ。グーシャはボロボロと涙を流し、別れを嫌がるのじゃ。
ジーザスはテンカに近づいて抱きついて、顔を埋めるのじゃ。
「僕だって男だ。別れは辛いけど、いつかまた出会えるようにおまじないをするよ」
屈んだテンカの額にキスをするジーザスじゃ。
買ってきたケーキを食べながら談笑するワシらは最後の楽しみを満喫したのじゃ。
そして疲れて眠っていったルナとグーシャとジーザスをベッドにのせ、ワシとジーナとテンカは話すのじゃ。
「ジーナ、いつの間にか大きくなって、大人になっちゃったね」
それを聞いて胸を張るジーナじゃ。
「テンカにはコン様の神力が少しだけあるよね? 私のも送っていいかな?」
頷いたテンカにキスをするジーナじゃ。体液を送り神力を送るのじゃ。
「この力がいつか私達をまた引き寄せるよ」
「ジーナ、ワシより神力に詳しくなったのではないかのう?」
トナ様に色々教わったというジーナはワシより知識がありそうじゃ。
「テンカはこの国を出たらどうするのじゃ?」
「コン様は魔法の盛んな国へ行こうと思ってるんだろ? 実は私、皆に内緒でちょっとだけギルドで調べててさ。
ここから北に行ったところに精霊族の村があるそうなんだ。そこに行ってみようかなって思ってる」
テンカの言葉に頷いたワシは、テンカの頭を撫でるのじゃ。
「旅の無事を祈ってるわい」
「私こそだよ。皆を守ってあげてね、コン様」
朝になって皆が準備して宿を出るのじゃ。王都を出た後、騎士の人たちに礼を言うのじゃ。
「ご迷惑をおかけしました。コン様もお礼を言っています。騎士様、ありがとうございました」
「いえいえこちらこそ、堅苦しい思いをさせてしまって申し訳ない。
王都だけのルールですので、後は魔物使いとして行動していただいて大丈夫ですので、ではこれで」
騎士さん達が去っていくのじゃ。さよならバイバイなのじゃ!
そして、大きな魔鳥を出したテンカはそれに飛び乗るのじゃ。
「テンカ! お気をつけて!」
「絶対また会おうね!」
ルナとグーシャが手を振り言うのじゃ。
「どんな時も忘れるでないぞ? ワシらはどれだけ離れていても仲間じゃ」
「私、テンカの事応援してるから、きっと幸せな旅をしてね」
ワシとジーナがそう言ってテンカの手を握るのじゃ。
「ありがとう皆、いつかまた生きて会おうよ。それまで元気でいてね! じゃあ」
ワシらが手を振る中、テンカは魔鳥で飛び立って行くのじゃ。
「テンカ! さよならバイバイなのじゃ!」
いつかまた出会えることを願い、ワシらも歩を進めるのじゃった。
テンカ、さよならバイバイなのじゃ! いつかまた再会する日を待つのじゃ。出会いあれば別れあり。いつかどこかで再び会うまでじゃ!
ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!




