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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
上位の神との邂逅と、ジーザスとの出会い編

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第72話「選択」

OP町には行かんのじゃ。



 ワシらはキュー町の宿で休んだ後、次の町へと行くための船を探すことにしたのじゃ。

 割と大きな港町らしく、大きな船があるのじゃ。

 ワシらは乗せて貰えんか頼んでみるのじゃった。


「すいません、この町から次の町に行くための船ってこの船ですか?」

 ルナの疑問に船乗りらしいおじさんが頷いて言うのじゃ。

「こっちの船がジェイケー町行きで、向こうにある船がオーピー町行きさ」


 どちらかを選ばねばならんのじゃろうか? ワシらはタツイ王国に行きたいのじゃが。

「ああ、タツイ王国ならどちらから行っても着けるよ。ただまぁ、ジェイケー町は問題が多いけどね」


「問題ですか?」

「オーピー町は誰でも歓迎だけど、ジェイケー町は若い女以外を歓迎しないんだ。だからそっちの胸の大きなお姉さんと、男の子は歓迎されないかもね」

「失礼な話だねぇ」

 テンカが腰に手を当て憤る。なるほどのう。そうじゃな、これはそれならば行く道は決まったわい。


「この船に乗りましょうか」

「えぇ!? ルナ、話聞いてたの?」

 ジーザスが慌ててルナを止めるのじゃ。

「ジーザスやテンカが歓迎されないの、あたしヤダな」

 グーシャが言うのじゃ。確かにそれはワシも嫌じゃ。じゃが、ワシらの目的を忘れてはならんのう。


「人助けが目的の私達はジェイケー町の問題を解決するべきです」

 グーシャとジーザスがそれを聞いて、ため息をついたのじゃ。

 テンカはなるほどと頷いてワシの肩を叩くのじゃ。


「説得はコン様の仕事だもんね」

 テンカがそう言うのでグーシャとジーザスもワシを頼ってくるのじゃ。

 勿論そのつもりじゃから任せてくれよのう!

 ルナが人数分の乗船料金を払い、ワシらは船に乗り込むのじゃ。


 イチ島からナナナ大陸にきた時とは違い大きな船じゃ。きっと安全な航海をしてくれるじゃろう。

 人も多いが、何故か若い女の子ばかりじゃ。それらを護衛する冒険者はおるが、一体何なのじゃ?


「商人とか普通の人は大抵オーピー町を選ぶんだ。音楽の港町オーピー町は賑わってるからな。対してジェイケー町は閉鎖的な町だからな」

 船乗りの人がそう話すのじゃ。一体どう閉鎖的なのじゃ? ルナに聞いてもらうのじゃ。


「ジェイケー町は出会いの港町だ。町に住む男と外からやってくる若い女の子のな」

 ふーむ。これは選択を間違えたかのう?

「男が来ないわけじゃない。むしろ出会いを求めてやってきて住む。数が多くなるから歓迎されないだけさ」


「あたしが歓迎されないかもと言う理由は?」

 テンカが腰に手を当てて言うのじゃ。

「所謂ロリコンってやつがほとんどらしいぜ。中には巨乳好きもいるだろうがな」

 これは説得に骨が折れそうじゃな。数が多いと困るわい。


「ちなみに大抵の女の子はジェイケー町に愛想を尽かし、次の街へ行くそうだがな。なんでも町長が変態だからこうなったとか」

 船乗りはそろそろ持ち場に戻ると言って去ったのじゃ。


 拗らせた町ジェイケー町、どんなところかのう? ワシらは不安も乗せて船で到着を待つのじゃ。

「この魚料理美味しい!」

 グーシャは出された料理に満足いっとるようじゃった。


「テンカ、僕の分のピーマン食べてください……」

「ダメだよ、ちゃんと残さず食べな! ジーザスも神になったんだから!」

 ジーザスは野菜に苦手な物が多いようで、テンカに渡すのじゃが、テンカは返すのじゃ。


「コン様、あーんですよ」

 ルナはワシにあーんをしてくるのじゃ。ルナしかワシに食べ物を食べさせられんのでのう。

「ルナ狡い! いいなぁ……」

 グーシャが聖なる巫女の力を羨ましがるのじゃ。ルナは微笑みながらワシに魚料理を食べさせるのじゃった。


「うむ、美味いのじゃ!」

 じゃがトルネイドさんに食べさせてもらった稲荷寿司の方が美味いのう。贅沢は言えんがのう。

「ルナ、あまり力を使いすぎてはならん。もうよいぞ」


 神力を込めるのも大変なはずじゃ。ルナはまだまだ神力の量が少ないからのう。じゃがこれも修行のうちと、ルナは沢山神力を込めて食べさせてくれるのじゃ。

 じゃがここでワシは思ったのじゃ。ワシが神力を込めたら食べられるのではないかとのう?


「試しにしてみたら分かりますよ」

 ルナが皿をこちらに寄せるのじゃ。ワシは魚料理に神力を込めて食べてみたのじゃ。

「味がせんのう……」

「コン様自身の神力に馴染みすぎて味を浸透させられないのです。だから私が込めないと駄目なんです」


 別に食べんでも生きられるわけじゃし困らんのじゃが、ルナの好意じゃから素直に受けとるとしようかのう。

 それにしても、もしかして今までルナの神力のこもった料理を食べるということはルナの味を知ることと同じ意味じゃったのかのう?


 じゃとしたら大分エッ……。

「しばきますよ? コン様」

 ルナは顔を真っ赤にして怒っておったのじゃ。どうやらかなり恥ずかしい事じゃったらしいのう。それならもう込めるのを止めたらいいじゃろ。


「さぁ、口を開けてください、あーん」

 やれやれ、ワシはルナの味を噛み締めて、船旅を楽しんだのじゃった。

JK町、どんな町じゃろうな?


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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