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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
ジーナと死に別れたあと編

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第54話「ダブリュー街へ」

順番を間違えておったのじゃ。



 ワシらはグーシャのスライムに乗ってのんびり旅しておったのじゃ。

 口数は少ないものの、落ち込んでばかりもいられん。

「ダブリュー街では何を食べるかのう? ワシは食えんがのう!」


「……ジーナとパンをたべたい」

 グーシャ……気持ちはわかるのじゃ。ワシはスライムから降りて走り寄り頭を撫でたのじゃ。カチカチに冷え込んだ頭じゃ。ほぐしてやるのじゃ。


 じゃが中々ほぐれんのじゃよ。じゃから抱きしめてやったのじゃ。

 ワシはグーシャの乗っとるスライムに一緒に乗り、ギュッと抱きしめ続けるのじゃ。

 暫くしてグーシャは呟いたのじゃ。


「ジーナじゃなくてあたしが死ねばよかったんだ……あたしは悪いこともしてるから……」

 ゴンとグーシャにゲンコツをかますのじゃ。

「誰が死んでもよくないわい。次死ねばよかったなんて言うたら、誰かに預けてどこかでお別れするぞい」

「嫌だ! ごめんなさい……」


 死にたがりは足手まといじゃ。この先誰が欠けてもおかしくはないのじゃが、その確率を上げてはならんのう。

 ワシらは魔物を相手しながらダブリュー街への道を行くのじゃが、グーシャが前に出たがるのじゃ。


「強くなりたい! あたしもっと強くなりたい!」

 赤いゴブリンは魔物を倒し続けるのじゃ。テンカはため息をついて魔鳥にグーシャを乗せたのじゃった。

「ちょっとは気分を休めなよ。じゃないとジーナもうかばれないよ」

「うん……」


 そうしている時、ルナはスライムの上で何かを考えとったのじゃ。

 どうしたのじゃろうな。やはりジーナが……。

「違いますよ。私はもう区切りはつけてます。悲しいですが背負って前に進む覚悟は出来てます」

 じゃあ何を考えとるんじゃ?


「おかしいなと思って。コン様の神力は確実にパワーアップしてます。その影響を私が受けてないんですよ」

「それはそうじゃろ。お主とワシは違うんじゃから」


 じゃがルナは首を横に振るのじゃ。繋がりは切れていないんだから私もパワーアップしてないとおかしいと言うルナにワシは首を傾げたのじゃ。

 おかしいと思うのはおかしいのじゃ。ワシのパワーアップはジーナの死による力の還元なのじゃ。


「確かにそうですね。でも神力や魔素を地道に上げるにはどうしたらいいんでしょうか?」

「戦うしかないのではないかのう?」

 ワシはそう思っておったのじゃが、何日かしてダブリュー街へとたどり着いた時、ある事を知るのじゃ。


 ダブリュー街は鳥居の門で出来ておったのじゃ。門番は禰宜の格好をしておるのじゃ。なんじゃこの街は?

「おや、珍しいな。ブイ町の方角から神がこの街へ来るとは。デス大陸からの帰還者か?」

 禰宜の兵にはワシが見えておるようじゃ。


「実は……」

 ルナの話を聞いた兵は苦笑してこう言うのじゃ。

「確かに順番は関係ないからな。だがここは神力を鍛える街だ。どうせならこの街に来てからブイ町へ行って欲しかったな」


 やはり選択を間違えとったらしいのう。焦ってデス大陸への情報を聞きに行かんでもよかったのにのう。

「ちなみにこの街のことはギルドには載ってないから無理もない。この街にはギルドはないし、普通の街だと思われている。神がここに自力でたどり着いた時、導くのが我々の仕事さ」


「一ついいですか? こういう街は沢山あるんですか?」

「あるよ、所々にね。神のスタート地点はそれぞれ違うからね」

 ワシの馬鹿じゃ。準備が万端じゃったらドラゴンにもジーナを失わんでも勝てたかもしれんのに……。


 ワシらは中に案内され、街並みを眺めておったのじゃ。普通の街のよう見えるのじゃが、所々に動物の像があるのじゃ。

 犬、猫、鳥、狐、狸、蛇など、様々な種の像があったのじゃ。


「これらの像は、実際に神が操ると言われている動物たちの像です」

 案内人の禰宜が言うのじゃ。そして神社に到着したのじゃった。


「ここは赤依神社。ここが初めてならば新たな力を得られます」

 案内されると神社の前に手水舎のようなものがあり、神主が立っていたのじゃ。

「私の案内はここまでです。神主様からご説明を受けてください」


 ワシらは礼を言い禰宜と別れたのじゃ。神主さんの前に立つと神主は祈りを捧げてワシを見たのじゃ。

「狐の神様ですな? 当神社は初めてですか?」

「うむ、初めてじゃ。ワシらは神力を強くしたくてきたのじゃ」


「でしたらこの湧き水を飲んでいきなされ。神力は戦いの中で上げるか、神力を纏うものを吸収して強くなります。この水を飲めば赤主と呼ばれるものをあつかえるようになりますよ」

「手水舎の水はワシの元いた世界では飲んではいけなかったのじゃ。ここのは飲んでもよいのかのう?」


「手水舎? これはそういうものではありませんよ、神の飲むものとして湧いているのです」

 それならば良いかのう。ワシはまず礼をして柄杓を手に取り飲んでみたのじゃ。水は赤くて飲むのに勇気がいるわい。


「熱っ! 熱いのじゃ!」

「ゆっくり飲みなさい。それ一杯分でここの神力を限界まで吸えますよ」

 ワシらはゆっくり順番に飲んだのじゃった。


 ワシは白コンと黒コンを常に維持しておる。じゃがそこに赤コンが加わったのじゃ!

(熱くいこうぜ!)

 ルナも赤い狐を出せるようになっておった。じゃがグーシャは白以外の神力を出せんのじゃ。


「下位神は白主以外を扱えませんからね。ですが神力は強くなってるはずですよ」

 その証拠がテンカじゃった。テンカは白い鳥を出せるようになっておったのじゃ!


「この後は温泉宿に向かわれると良いでしょう」

 温泉があるのかのう? じゃがワシに効果ないんじゃろうな。

「ここの温泉は神にも効能があります。今までの旅の疲れを癒してゆっくりした後に先へ進んでください」


 それは楽しみじゃ! ワシらは温泉宿に向かい、そこで一波乱あったのじゃった。

神力を鍛えるのじゃ!


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 赤コンの熱くいこうぜ!は可愛いですね!想像してにやけてしまいました(笑) 次、温泉という事は・・・ちょっと期待しちゃいますね!神様もようやくのんびりできる温泉があって良かったなって思います…
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