第39話「神と巫女」
仙人はここでしか出んかもしれんわい。
白いスライムと白いゴブリン、そしてワシの白コン黒コンで何とか切り抜け、数日後イプシロン街へ着いた頃には、疲労困憊じゃった。
交代で休んどるし、移動に関してはジーナのオレンジ色のスライムが活躍しとるから問題ないのじゃが……。
戦闘になると疲れが溜まり、どうしても疲労が抜けない状態で旅したので、イプシロン街に着いたら速攻で宿に向かい寝っ転がったのじゃ。
ワシらは眠るのじゃが、ワシは分体を維持して目を瞑る。
そうして神力も回復したところで宿を出たのじゃ。するとある老人に声をかけられたのじゃ。
「神様三人に巫女とは中々不思議な子らじゃな」
「お爺さん、ワシが見えるのかのう?」
その爺さんはワシには人間に見えたのじゃが、もしかすると神なのかのう? それとも魔王?
「あなたはもしかして巫女がどう立ち回ればいいか知っている人ですか?」
ルナが尋ねたのじゃ。確かに状況的にそうじゃろうのう。
「儂は仙人。この街の長老もやっているが、人の修行を見守る者じゃ」
仙人か……凄そうじゃ。それにしても神様三人と当てたのは意外じゃった。
「ジーナとグーシャのことも分かるのかのう?」
「当然じゃ。人から神になった者じゃろう?」
「正確に言うと魔王から神になった者なんですけどね」
「なんじゃと!? そんな事例は初めて聞いたわい」
仙人さんは驚いておったのじゃ。
「どうして二人が人から神になった者じゃとわかったのじゃ?」
「どうしても何も、神力に黒主がないからじゃ。白主のみの神力なら人から成った者というわけじゃ」
どうやら仙人さんは神力の色が見えるらしいのじゃ。確かにジーナとグーシャは白い魔物しか出せんかったし言っとることは何となくわかるのじゃ。
「黒主と白主には出来ることの差があるのじゃ。簡単に言うと黒主の方が強いのう。狐の神様の方はどちらも使えるじゃろう?」
「うむ。なるほどのう」
ここでワシは名乗ることにしたのじゃ。名乗りを聞いて仙人さんは、シゾフと名乗ったのじゃ。
「じゃが謎があるのじゃ。ワシはジーナとグーシャを神にする時黒いのも体に入れておる。なのに黒主は宿らんのかのう?」
「黒主は上位神にしか授けられんらしいぞい。ワシもそこまで詳しくないのじゃ」
「あの、あの! 私、ルナという名の聖なる巫女です! 私、戦闘に全然役に立てないんですけど、どうすればいいかわかりませんか?」
ルナはシゾフさんに尋ねたのじゃ。
「むしろ人から成った神より戦闘に役立つぞい」
「本当ですか!?」
それを聞いてジーナとグーシャがムッとしたのじゃ。
「私だってコン様の役に立つもん」
「あたしを舐めると痛い目にあうよ?」
まぁまぁとワシは二人をなだめて、話を続けさせたのじゃ。
「巫女も神力には白主と黒主を使えるのじゃ。じゃが、ルナちゃんにはまだ白主も黒主も宿っておらん。神力があるだけじゃ」
「どうすれば白主と黒主が宿りますか?」
「神様から分けてもらうんじゃよ」
ふむふむなるほどのう? ワシがジーナとグーシャにしたようにしたらよいのかのう?
「いや、それは死人にしか通用しないのう。一番は体液を送ることじゃな」
た、体液!? つ、つまり……そういうことかのう!? だ、駄目じゃ駄目じゃ! ルナはまだ子供じゃ! それにそういうのは段階踏んでからと……。
「何を慌てとる? キスじゃぞ? キスくらいで慌てるほど経験ないのかのう?」
何じゃキスか。うーん、まぁワシ、ルナのこと好きじゃし、ワシはよいのじゃが……。
「私はそういうことしてでもいいですよ!」
「よくはないわい!」
ワシ真剣じゃぞ。するとシゾフ仙人が笑って言ったのじゃ。
「神には生殖機能がない。そういうことしたところで、体液は出ないぞ」
えっ! そうなのかのう? 確かにワシ、ムラムラしたりせんのじゃ。それに食事をせんからトイレもせん。
男としてイチモツはついておるのじゃが、形としてついておる飾りなのじゃな……。
「あ、あの……? 私、コン様の子供作れないってこと?」
「あたしそういうことしたかったのに!」
何を馬鹿なことで騒いどるんじゃ。じゃが確かに重要な点じゃ。
「そもそも死んだのに生殖機能が生きとるはずないじゃろ? 子供は産めないし、ヤッても感じることもないぞい。
神様の感覚というのは神力エネルギーの揺らぎでしかないのじゃ。性行為では感覚が働かんようになっとるぞい」
ジーナとグーシャはショックを受けたのじゃ。ガックリ項垂れた二人は蹲ってしまったのじゃ。
「まぁ神は口から体液を出せるのじゃ。それには神力が宿るからキスくらいはできるがのう」
ガバっと起き上がったジーナとグーシャはワシに詰め寄る。ええい! 落ち着かんか!
「とにかくキスをしたらいいんですね! ありがとうございます!」
「白主と黒主を宿すにはそれが手っ取り早いのう。とはいえ、使いこなすには巫女は神と違って修行が必要じゃ。この街の中央にワシの家があるから、やることやって力を得たらワシの所にきなさい。勿論全員でじゃ」
ワシらは礼を言って、街の鍛冶屋に行ったのじゃった。刀も目的じゃからのう。
ワシの髪を今回は五本抜き、刀を作ってもらったのじゃった。
何回もキスしとる気がするのじゃ。
ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!




