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狐依コンの異世界大冒険  作者: 狐依コン
ウェアとの別れ、勉強編

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第37話「ウェアからの依頼」

ウェアとの別れじゃ。



 ワシらは何日かかけてデルタ街へ行ったのじゃ。ワシも無理に戦わなければ分体を維持できるようになってきたわい。

 デルタ街に着くと、ウェアが口を開いたのじゃ。


「あたしはこの街であなた達と別れるわね」

「え!? どうしてですか?」

 ルナとジーナとグーシャは驚いておったのじゃ。じゃがワシは何となく理由がわかったのじゃ。


「皆もう私より強いわ。ルナに関してはまだだけど、神様が三人いるんだもの。旅の目標も決まって、私がいる必要はなくなった」

「やだ! あたしまだウェアと一緒にいたい!」


 グーシャが我儘を言うのじゃ。流石は強欲じゃのう。

「私もまだウェアと別れたくない」

 ジーナはウェアの服の裾をつまむのじゃ。


「二人とも、ウェアを困らせるのはやめるのじゃ。元々港町のアルファ町から船で旅立つつもりじゃったのを、無理に方針転換してもらったはずじゃろ?

 ここはアルファ町にも道が繋がっとる。じゃがこの先に行けばその目的から遠ざかるのじゃ。

 ウェアにはウェアの旅があるのじゃぞ。無理強いしてはいかん」


 ワシの言葉に俯く二人じゃ。ルナは二人の肩を叩いて言ったのじゃ。

「生きていればきっとまた会えます。せめてデルタ街にいる間は笑顔でいましょう」


 ジーナとグーシャは頷いて、ウェアの手を握り、別れまでの時間を楽しもうとしたのじゃった。

 ギルドに行くとウェアは役員さんに語りかけて、依頼をしたのじゃ。


「実は私は言ってなかったことがあるの。ほとんど諦めていたことだから、ギルドには依頼してなかったんだけど、あなた達にはこの無期限依頼を受けて欲しい」


 それは人探しの依頼じゃった。じゃが何で今まで依頼せんかったのじゃろうな?

「ゴーレムマスターの魔族の捜索依頼……どうしてですか?」

 魔族……つまり恐らくこれは……。


「私には兄がいるらしいの。名前も顔も知らない歳の離れた兄が。私が産まれる前に旅に出たそう。喧嘩別れらしくて、誰も名前すら教えてくれなかった。

 唯一ゴーレム使いということだけ知れたの。私は兄のことを知りたかった。世界を見たかったから出たんだけど、もし運良く兄に会えたらという気持ちもあったわ」


「なるほどのう。ちなみにゴーレムマスターはお兄さん一人なのかのう?」

「いいえ、そんなことはないわ。ただ、もし産まれる前に別れた妹がいたら私だと思わない?」


 確かにその通りじゃ。状況さえ合えば、判別は可能じゃ。

「生きているなら会ってみたい。でも難しいわ。だからもし、あなた達が会えたら伝えて欲しいの」


 ウェアはワシの手を握り、ワシの目を見て言ったのじゃ。

「あなたの妹ウェアは自由に旅して楽しく生きています。安心してあなたの旅を続けてくださいってね」


「わかったのじゃ! ルナ、この依頼を受けようのう。これはワシらのウェアとの繋がりでもあるぞい」

 ルナはゴーレムマスターの捜索依頼を受けたのじゃった。


 報酬はゼロじゃ。きっと誰も受けんじゃろう。じゃがワシらにはある意味、何よりの報酬じゃった。

「さぁ、宿へ行きましょう。イプシロン街へ行くための準備もしないといけないでしょう?」


 色々な買い物をしたりしながら宿へ向かったワシらは、雑魚寝になりながら、会話を楽しんだのじゃった。

「私、やっぱりウェアと離れたくない。お兄さん探す旅も一緒にしよ?」

「そうだよ。あたしもそう思う。別れる必要ないよ」


 二人にとってウェアは、ワシと共に命を張って戦ってくれた者じゃ。ウェア自身が殺されるかもしれんかったのにじゃぞ?

 じゃからこそ、ジーナとグーシャはもっと一緒に旅したいのじゃろう。

 きっとワシの苦しんどった時にもウェアは強く二人を励ましとったはずじゃ。


「ありがとう。そこまで想ってくれるだけでも嬉しいよ。でも私もずっと一緒に旅できるわけじゃない。特に目標が魔族の里も入ってるなら無理だわ。それに今より長く旅したら余計離れるのが辛くなるわよ?」


 二人は俯いてウェアの服を掴んどったのじゃ。泣いておったのう。ウェアもジーナとグーシャの頭を撫でながら、ただ笑って一粒の涙を流したのじゃ。


 翌日、ウェアはアルファ町へと旅立って行ったのじゃ。ワシらはウェアが見えなくなるまで手を振って見送ったのじゃった。

 ふとワシの手を握る手があったのじゃ。

「ねぇコン様」


 グーシャが泣き腫らした顔で笑うのじゃ。

「私、沢山人を殺した前科あるのに、こんなに幸せな道を歩んでよかったのかな?」

 ワシはその言葉があまりに刺さったので驚いてしまったのじゃ。


 グーシャはゴブリンの魔王になる時人を沢山殺しておる。それは殺されても仕方ないと言える程じゃ。

 それでもワシは彼女も神にしたのじゃ。それはグーシャに幸せな道を歩んで欲しいからじゃ。


 不幸から幸せになって欲しいのじゃ。罪は罪じゃ、償わねばならん。じゃがだからと言って幸せになってはいかんわけではないじゃろう?


「今が幸せならそれでよい。過去の罪は忘れてはならぬ。じゃがそれに引っ張られて未来を失ってはならんのじゃよ」

 ワシはグーシャと、ジーナもルナも抱きしめて言ったのじゃ。


「正しくありたいなら幸せを掴まねばならんよ」

 ワシは不幸が間違いを呼ぶことを知っておる。間違いは不幸を呼ぶし、正しくあっても不幸になれば間違いを呼ぶのじゃよ。

正しい人でありたいならじゃ。


ここまで読んでくださりありがとうなのじゃ!続きを読んでくださるとありがたいのじゃ!

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― 新着の感想 ―
[良い点] コン様の言葉はやっぱり沁みますね。罪を犯した人間が幸せになっていいものかって、凄く難しい話だと思います。被害者の遺族は絶対に許せないだろうし。ただ、いつまでも苦しまなければならないとも思え…
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