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星屑の漂流者―ロスト・メモリーズ―  作者: くろめ
ロスト・メモリーズ 上
12/85

7 保護者

 何にせよ、これからこの星で何が起きるか判らないということだ。こちらはこちらで調査を進めることにする。そして、調査が済むまでの間という訳でも無いが、先ずベガには保護者を付ける必要があるらしい。


「僕がやります。いや、やらせてください」


 反射的に、そして心から出てきた言葉だった。

 折角出会った友達になれそうな子なのに、直ぐにお別れなんて嫌だ。もっと親しくなりたい。もっと仲良くなりたい。一緒にテレビを見たい。ご飯を食べたい。楽しく過ごしたい。そう心の底から思っているから。


「うむ、既に引き取り先は決まっているんだよ」

「え……」


 しかし現実は厳しい。ここで報告をしたというのはつまり、最後のお別れをさせようとしていると、そういうことなのだろうか。


 運命は、非情だ。


 僕の思いを汲み取ったのか、ベガはこちらを見ると、肩にぽんと手を置いてくれた。あったかくて、優しかった。


「そんな、二度と会えなくなる訳でもないだろう? だから、安心してくれよ。何だか、お前が悲しむ顔を見ていたくない」


 ベガの顔を見てみて、気が付いた。この子もまた、悲しんでいるのだと。

 この短い期間だけで、僕らの間には僅かながらに絆が出来上がっていたのだ。その理由は分からない。でも、昔から会っていたかのような、そんな感覚がそこに有った。


『やっと会えた』

 

 ベガが言ったこの言葉には、どんな意味があるかは分からない。

 でも、僕としては、前世の思いによるものだと思っている。

 実際そうでなければ普通、直ぐにここまで仲良くなることは出来ない。


 これまた変なオカルト染みたというか、宗教染みているような気がするけれど。


「おやおや……ベガ君。すまない、こちらまで来てくれるかな」

「あ、ああ」


 ベガは理事長の前まで行くと、何かを耳打ちされていた。

 ヒカリは穏やかな笑みを放っていた。一体何だというんだ。


 その、何かを告げられると、ベガは途端に表情がぱあっと明るくなっていく。


「……本当か!?」


 理事長もヒカリも、笑顔で頷いた。

 一体何だろう……。僕は部外者だから、聞くことはできない。そういうことなのだろうか。

 何も間違ってはいないのだろうけど、どこか寂しい。

 会えなくなるわけではないとはいえ、離れてしまうことには変わり無いのだから。


 なんで。どうして。

 僕じゃ役不足なのかな。


「ルイ……顔を上げてくれ」


 僕は悲しい顔を隠すように、目線だけをベガに合わせた。


 ――本当に、真剣な眼差しだ……。


「今からオイラが言うこと、良く聞いていて欲しい」


 受け入れ難い現実を突きつけられることを、ここで覚悟すべきなのだろうか。

 ……大人にならなくちゃいけないのかな。


 僕も、しかと受け止めることにする。


「ベガ、僕、覚悟決めたよ」

「そっか……。じゃあ、言うぞ」


 僕はこの後の言葉で、感情の高ぶりを感じた。


「――保護者は、お前の父さんだ」

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