第3話:続脱走とスキルレベルアップ
俺はフォレスト・ゴブリンから奪った鈍器を握りしめ、山の方へと必死に駆けた。
Lv.2になり敏捷が多少高くなったとはいえ、気持ち早くなったような気がする程度で訓練された教団の騎士に追いつかれるのは時間の問題に違いない。
遠くから聞こえる犬の吠え声のような追跡の音は、山の斜面を駆け上がってくるのと同時に、急速に近づいてくる。
なんとか山頂に到着し、捕まっていた砦の方角を見てみると、砦の更に奥に村が見えた。
(どうやら俺は村とは別の方向に走ってきてしまったらしい。。。選択肢がなかったとはいえ、もう戻れないしどうしよう。。)
そんな状況で絶望していると、俺が登ってきた山の麓に犬と2名の兵士の姿が見えた。
(やっぱり追っ手かよ、最悪だ。あいつらのステータスとか分からないけどレベル至上主義とか言ってる奴らの騎士が俺よりレベル低いわけないし、マジでどうするよ。)
砦と逆方向を見渡すと果てしない森が広がっている。
今いる山の中腹あたりに滝があるのが見えた。
(こっち側に逃げるしかないよな。。。でも腹も減ってきたし、喉も渇いてきた。とりあえず喉の渇きがやばい。おそらく水浴びでもしてしまえば、犬も撒けるんじゃないだろうか?マジでこの世界なんだよ、俺なんでこんなとこいるんだよ。。)
まだ追っ手側からは俺の姿は見えていなさそうなので、悪あがきではあるが滝を目指して反対側の山の斜面を俺は転がるように走って下ることにした。
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なんとか追っ手に追いつかれる前に俺は目的地である滝に到着することができた。
現在っ子の俺にはよく分からないが綺麗な水のように見えたので俺はそのまま水を飲むことにした。
「水!!」
(うめぇ!!)
生まれてからこれまで喉が渇いて死にそうな経験なんてしたことなかったので、俺は涙を出しながら水を飲んだ。そして、ゆっくりする暇もなく俺は衣服を着たまま滝のほとりの水たまりに入水し、自分の匂いを消し、更に森の奥へ駆けていくことにした。
1時間程度森を彷徨ったが、どうやら追っ手は一旦は撒いたようだ。
(一旦は追っ手を巻いたが、まだ諦めてくれないよな。。どうしよう、それにしても腹減った。何か食わないとそろそろやばい。)
気がつけば既に昼は愚か夕方に差し掛かってきていた。夜になる前に何か食べられないと、この森の中で夜に動き回るのは無理だと思うので今のうちに何か食料を探すことにした。
現在社会で育った俺に食べられるものの知識など一切ない。
俺にできることは鑑定スキルを使って手当たり次第に食べられそうなものを見つけるだけしかできない。
「鑑定!」
毒キノコ:毒があるキノコ
「鑑定!」
毒キノコ:毒があるキノコ
「鑑定!」
毒キノコ:毒があるキノコ
「クソがー!!なんで毒キノコしか生えてないんだよ!」
とは言っても、毒キノコと分かるだけでもありがたいので俺は諦めず鑑定を続けた。
「鑑定!」
キノコ:キノコ
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【レベルアップしました!】
【鑑定スキルがレベル2に到達しました!】
【スキル機能が上昇しました】
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「おおおおおー!!食べられる!?のか?!しかも鑑定スキルのレベルが上がった!!!」
どうやらスキルのレベルは使用回数によって上がっていくようだ。
鑑定は10回の使用でレベルが上がったっぽいな。
俺はレベルアップした鑑定スキルの確認のため、キノコを再度鑑定した。
「鑑定!」
キノコ:食べられるキノコ。美味しくはない。
(おおー、マジでちょっとだけ改定されてるな、鑑定スキルさんが神スキル化してきた?!)
(一応、ステータスも確認しておこう)
「ステータス!」
【ユーマ・カエデ】
種族:人間(異世界転異者)
レベル:2
HP:12 (12)/ MP:2(8)
筋力:11(7+4)/ 魔力:10 / 耐久:8 / 敏捷:11
コモンスキル:『鑑定Lv.2』『火魔法Lv.1』『回復魔法Lv.1』『短剣術Lv.1』『生活魔法Lv.1』『錬金術Lv.1』
武器:フォレストゴブリンの鈍器
(どうやら、鑑定のMP使用量も1から2に上がっているみたいだ。レベルが上がるとMP使用量も増えるのか、やっぱ神スキルではないな。。)
この後、俺はなけなしのMPを使用し、火魔法で火を起こしキノコを焼いてむしゃぶりつくように食べた。
味はしなかったし、多分不味かったんだろうが固形物が胃に入ったことで俺は嬉しくなり、涙を流しながらあたり一体のキノコを食べ尽くした。
お腹も膨れて気が緩んだんだろう、徹夜で走り回ってきたこともあり猛烈な睡魔が襲ってきた。
火を消さないようにし、俺が登っても大丈夫そうな大きな木の上に登り眠ることにした。
(明日からどうなるんだろう。なんで俺こんなところでキノコ食って寝てるんだろう)
そんなことを考えながら、俺はすぐに眠りについた。




