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208 整う大和国の制度

(筆者註・ここでの畿内うちつくにと言う言葉に注意して欲しい。朝廷は何故この狭い領域にこだわるのであろうかと思う。ひょっとすると、これが大和国の実勢ではなかったのだろうかなどと考えてみたくなる。九州・四国・山陰・山陽・東海・越前・越中・甲府・関東・東北は、あたかも国外であるかのようだ。・・・関東・越の国・東北に関しては事実、はるか後期、鎌倉時代初期(1200年ごろ)いまだアイヌ民族の領域であった事が鎌倉幕府の歴史書、吾妻鏡に詳しく描かれている。また地域の区画のあらたな線引きなどは、なぜか歴史ある国であるように思えない。日本書紀によって、大和国は過剰に強大に印象着けられていると言うところである。これは裏返すと、なお、筑紫を中心とする倭国が勢力を保っていることが推測できる)


 三に曰く、初めて戸籍、計帳、班田収授(民に公有地の田を貸し与え、また返す事)の法を造れ。全ての地域において五十戸を以てさととす。里ごとにおさを一人置く。農家一戸一戸を管理し、桑を育てることを割り当て、従わぬ者を取り締まり作業などの役務を勧めよ。山や谷が険しくて不便な田をなるべく止め、便を考えて開け。およそ田は長さ三十歩(540㍍)。幅十二歩(216㍍)をもって段とせよ。十段をちょうとせよ。段ごとに租の稲二束二束ふたつかふたたば(もみ米22升=216リットル=精米150リットル)とせよ」


 四に曰く、旧の賦役(田の広さによって決める労役)を止め、人数によって労役を決めよ。調の絹、糸、綿に関してはその土地の事情によって選べ。田、一町につき絹一丈(10尺=3.3㍍)を出せ。幅は二尺半(80㌢)である。それと粗めの絹布を二丈(幅は同じ)、麻の布は四丈(幅は同じ)。別に戸ごとの調を取る。一戸に粗め絹布一丈二尺、塩又は産物のいずれか一品。官馬として中級のものであれば百戸に一匹、良馬であるならば二百戸に一匹。馬に変わるものであるならば一戸につき麻布一丈二尺である。武器は刀・鎧・弓・矢・旗・鼓を出せ。兵として三十戸ごとに一人であったのを五十戸ごとに一人とし、宮司の家来に当てる。五十戸で兵一人の食糧を賄え。その分として一戸ごとに、兵のための布一丈二尺、米五斗(五十升)を出させる。采女うねめは都の小領以上の者の姉妹または子女で容姿がきらきらしい者を奉れ。その者には従者一人、従女二人をつけよ。百戸で采女一人の食糧を負担せよ。

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