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守ること

こんにちは!ご愛読くださると嬉しいです!

「…分かりました…。これから、私の…なんというか、その……昔のこと…?をお話します…。」


少し緊張しながら口にすると、校長先生は「よくやった」という顔で、静かに部屋を出ていった。


「昔のこと…?」


「はい……。」


ニトさん、リオンさん、シアさんが駆け寄って来る。

そして、私は“あのこと″……

今でも思い出したら頭が痛くなる過去を、みんなに話した。


みんなは、黙って聞いてくれた。

「そうなんだ」「うんうん、それで?」という相槌もうたずに、聞いてくれた。


そのくらいが、私には嬉しい。

だって、いちいち反応を気にしなくていいから──。


私が話終わると、気まずくなる暇もなく、シアさんがすぐに質問してきた。


「……ユノンさんは…妹さんに会いたいと思わないんですか?」


「…え」


今まで自分のことで精一杯で、妹…リノンのことってあんまり考えてなかったな…


「…正直、会いたいけど……私が、家を勝手に、リノンにも言わずに、リノンを置いて、出ていったから…合わせる顔なんてないよ………守れなくてごめん、遊べなくてごめんって謝るだけで、実際には助けられてばっかりで何も出来なかったんだから…。」


その時、私はもうタメ口になっていた。

敬語なんて忘れて。


「…でも、妹さんもユノンさんに助けられてたんじゃないですか?」


「え?」


どうして?

なんで?

こんな私が?

守られてばっかりの私が…?


「…シアが考えただけだけど…妹さんがユノンさんの味方をしてたってことは、妹さん、お母さんを警戒してたってことですよね?」


「まあ、そうだけど……?」

確かに、リノンはお母さんを警戒してた。

けどそれがなんで今…?


「じゃあ、妹さんはユノンさんと遊んだり話したり出来る時間が楽しかったんじゃないでしょうか。」


「…」


確かに、私と話してる時のリノンは楽しそう……というか、生き生きしてた。

でも、だからと言って私がなにかした訳でも、守ったわけでもない……よ…?


「ちゃんと守ってるじゃないですか、ユノンさん。」


「え?…え…?」


私が、リノンを?

そんなことしてないのに…


え?


「…守ることって…誰かを大きな危険から助けることだけじゃないと思うんです。

そばに居て、一言でも言葉を交わすだけでも、守ってるってことになるんじゃないでしょうか…。

……あっ、妹さんの気持ちは本人にしか分かりませんが。」


「…」


そっか。

私、守ってたんだ。


確かに…学園に来たばっかりの頃、校長先生が、そばに居ただけで心強かったな。

なんというか、私は独りじゃないんだ、って思えた。


自分も、他人も守る魔術師…

私には遠い、大きい夢だと思っていたけど、そういう事なら…私にも、出来るかも。


「ありがとう、シアさん。授業中なのに。……みんなも、ごめんっ。授業から抜け出したりして。心配かけちゃった、よね…」


「大丈夫だよ、ユノンが元気になってくれて…うちらを頼ってくれて、こちらこそありがとう!」


「そうそう。これからも、何かあればぜひ僕らを頼ってね。」


「みんな…!」


…ありがとう、本当に。

本当にっ…


「わーっユノン泣かないでー!!」


「ユノンさん?!大丈夫ですか??私達が居ますからー!!!」


「あっ追い討ちかけたー!!!」


「ごめんなさいいいー!!!」


これからも、みんなを頼ろう。

みんなの頼もしさを、実感した1日だった。

読んでくださりありがとうございます!

次回もお楽しみに!

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