18.溺愛系?
「誰?」
「あんなかわいい子いた?」
メガネを壊してしまって初めての登校。
すれ違う誰もがリーリエを二度見する。
メガネ一つないだけで、随分印象が違うようで、クラスメイトまでもが一瞬誰か分からないらしい。
それは先生も同じで、一瞬、目を見開いて、目をぱちぱちした後、自信無さげに問う。
「リーリエさん、ですよね?」
まぁ、瞳の色も違って見えるんだから、印象が変わるのは仕方ないのか。
顔の作りは変わってないはずなのだけれど。
メガネはあの後、結局誰が修理をするか有耶無耶になったので、そのままレオナルドが持ち帰り、修理に出してくれた。
直るまで二週間くらいかかるらしい。
メガネ無しの顔をみんなに見せた後では、もうあのメガネは必要なのかは甚だ疑問だけれど…
放課後の生徒会室。
そう言えばとパトリシアがリーリエを見た。
「ユアンくんのお母様は風邪を拗らせていたみたい。栄養のあるものをしっかり食べて休養すれば、よくなるそうよ」
「そう!よかった。ありがとう。パティ」
ほっとしたリーリエは、ユアンの母親に医者の手配をしてくれたパトリシアの手を両手でぎゅっと握った。
「それはよかったな」
ライハートが笑顔で、リーリエが握っている手をパトリシアから外す。
「……」
呆然と外された自分の手をしばし見つめる。
何!?もしかして、パティの手を握ってたから?
困ったような顔をしているパトリシアと笑顔なのに目が笑っていないライハートを見比べる。
よく見ると、ライハートはパトリシアの手をなでなでしている。
うわー!心狭っ!
女の子同士なのに!
ライハート殿下って、溺愛系!?
まさか!
パティを独占したいライハート殿下によって、近づき過ぎで断罪されるとか…
ははは…まさかね…
「リーリエちゃん、今日のおやつだよ」
アンドリューがリーリエの前にクッキーとマドレーヌの載った皿を差し出した。
これは!?
「昨日のお店で買ったやつ。毎日チョコレートっていうのもあれだしね」
プレーンとココア色のクッキーとマドレーヌがキラキラと輝いて見える。
「美味しそう。食べていいんですか!?」
お菓子の載った皿から目を上げ、輝かせた目をアンドリューに向けた。
「どうぞ」
にこにことお菓子を勧めてくる。
「ありがとうございます!じゃあ、わたしがお茶を淹れますね」
ウキウキとみんなにお茶を淹れていく。
クッキーをサクリと齧って、想像通りの美味しさに、自然と顔が綻ぶ。
もう一つと、ついつい次々に食べてしまう。
何?わたしを太らせたいの?
いっぱい食べたいけど、太りたくはない。
マドレーヌを食べるべきか食べざるべきか、真剣に悩んでいるリーリエ。
「こういうお菓子なら、学院祭のカフェでも出せるんじゃないかな」
「そうね。うちのシェフに作ってもらって、持ち込めば何とかなりそう」
「うちのシェフにも頼んでみてもいいよ」
「それなら、王宮のシェフにも頼んでみよう」
悩むリーリエの横でアンドリュー、パトリシア、フェルナンド、ライハートが超セレブな相談していた。
学院祭の模擬店の話とは、とても思えないプロを巻き込む本格的なものになりそうで、それは模擬店なのか少しの疑問が頭に浮かぶものの、言い出しっぺのリーリエは気づかない振りをすることにした。
皆様、いつも応援ありがとうございます!
もし「おもしろい!」「続きが気になる!」と思ってくださったら、ページ最下部にある【ブックマーク登録】や、【評価(☆☆☆☆☆)】の星をポチポチッと入れて応援していただけると、執筆の大きな大きな励みになります!次回は【明日7時10分】に更新予定です。お楽しみに!




